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今週のコラム 133回目 結局、「そもそもが抗ガン剤が効果がある確率自体が低い」ので、「ステージが上がっても抗癌剤をすることで救える人数は非常に少ない」のです。

すがすがしい五月晴れですね。(地域によっては違うかもしれませんが…)

スポーツに最適な気候です。

スポーツと言えば…

 

「日大アメフト」問題

あまりにも酷い。

無防備な状態で後ろからタックルされたら…(アメフトやったことない私にも想像つきます)

危ない。危なすぎる!

それはスポーツではない。

 

阿部礼司

リニューアルして数回。

大分、慣れてきました。

最初の「サラリーマンコント」を「マンボウやしろ」が脚本書いています。

世間(特に長年の「阿部司二ファン」)からは、厳しい意見もあるようですが…

私は好きです。

今や、(阿部礼司以上に)私の心を捉えている「skyrocket company」

 

人には相性がありますが、「マンボウやしろ」 my boom(注:和製英語)です。

 

 

 

「6389 抗がん剤について」を回答していて…

今週のコラム131回目が、不十分だと感じたため、(実際に6389を回答しながら)その補助とします。

今週のコラム 131回目 「進行しているから」と言う理由で「効かない筈の治療に我慢する」それでいいのですか? (付記)「ホルモン療法と抗癌剤」は全く別の作用であり、「強い、弱い」ではないのです。

(以下、QandA)

「リンパ節転移が3つまでならホルモン治療だけで良くて4つあると抗がん剤が必要になるのでしょうか?」

⇒ここには2つの側面があります。

 

1.歴史的な「しがらみ」

サブタイプの考え方となってから、それほど経っていないし、そもそも他の(乳癌以外の)固形がんでは(サブタイプ云々ではなく)進行=抗癌剤という状況があります。

なかなか「昔の風習」から離れることは時に困難なのです。

 

2.ステージが高ければ、(確率が低いとは解っていても)早期よりは(抗癌剤をする)意味があるのでは?という感覚論

ルミナールAでも抗癌剤を行うことで利益をうける(抗癌剤を受けることで再発しない)ケースがあります。(ただ、それがBに比べて圧倒的に少ないと考えるといいでしょう)

 

再発する症例に対して(抗癌剤をすることで)ルミナールBでは50%に効果があるのに比較してルミナールAは(その1/10である)僅か5%の効果と仮定すると…

 

ステージ1だと、そもそも再発率が低いのでルミナールAの場合、再発率5%だとすると、100人のなかでは5人が再発し、 (その5%には抗癌剤の効果があると仮定すると)結局0.25人にしか効果がないとなります。

それがステージ3だと、同様に、再発率を25%だとすると100人のなかでは25人が再発し、(その5%に同様に効果があると仮定すれば)1.25人に効果があるとなるのです。

 

『0.25人を救うために100人に抗癌剤を行うのに比べれば、1.25人を救うためならば抗癌剤を行ってもいいかな?』となるのです。

♯ただ、実際には1.25人を救うために抗癌剤を行うのは、費用対効果など褒められたことではないのです。

 

 

「4つ転移していると、オンコタイブDXをして低リスクだとしても抗ガン剤が必要になるのでしょうか?」

⇒上記通りです。

抗癌剤をすることで利益を得る方は非常に少ないと考えられます。

 

 

結局、「そもそもが抗ガン剤が効果がある確率自体が低い」ので、「ステージが上がっても抗癌剤をすることで救える人数は非常に少ない」のです。

 

OncotypeDXでの実際については『今週のコラム99回目』のグラフ(3番目と4番目)を見てください。

『low riskでは数字が寧ろ逆転している』このグラフを見て(実際に)「OncotypeDXを行ってlow riskと出ている人に、(リンパ節転移が4個以上だからといって)抗癌剤を勧めるのは不適切」だと思いませんか?

 

☆この辺りは、Ki67だけで「ルミナールAらしい」としている人には(何となく)「リンパ節転移が4個以上だと抗癌剤を勧めてしまう」医師でさえも、実際にOncotypeDXをしてのデータを見せられると(堂々と)「あなたには抗癌剤は必要ない」とコメントできるのです。

 

 

 

「それとも,オンコタイプDXを調べる必要もなく、抗がん剤治療を行った方が良いのでしょうか?」

⇒全く賛成しません。(上記コメント通り)

 

 

「またオンコタイプDXで低リスクと結果が出てホルモン治療中に、再発・転移をしてしまった場合、次の治療はどうなるのでしょうか?」

⇒これも、以前コメントしていますが…

 

抗癌剤を術後補助療法で行っても「再発予防効果が見られない(多少の効果はあっても再発率低下ほどの効果がない)」ことと、(実際に再発して)「目に見える腫瘍に対して(一定の)効果がある」ことは、また別問題なのです。

 

 

「抗がん剤が効きにくいタイプだと、次の治療がどうなるのか心配」

⇒実際に再発してしまった場合には(いくら、抗癌剤が効くタイプだとしても){HER2タイプの一部のような例外を除いて)「根治する程には至らない」のです。

 

その意味で「勝負は術後補助療法」であり、そこで「再発予防効果がある治療」を(それぞれのサブタイプに応じて)行う事が重要なのです。