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妻の乳がん手術について教えて下さい

[管理番号:5737]
性別:女性
年齢:39才〇カ月
田澤先生
いつも拝見させていただいております。
11月(上旬)日に妻が左乳房下の肋骨?が痛むと言いだして、自己検診により、逆の右乳房下にしこりを自覚、その後の検査により乳がんが確定しました。
それまで全く乳がんについて意識もしておらず、困惑の中でこのサイトにたどりつき、先生の丁寧なご回答や論理的なご説明が無知な私にもわかり易く、道標とさせていただいております。
誠に感謝申し上げます。
とはいえ、これからが本当の治療の始まりで、また来週末に今後の治療に関しての具体的なすり合わせをするにあたり、現段階でのいくつかの心配事についてご相談させていただきます。
<検査の状況>
かかりつけ医からのご紹介や通院の利便性から、現在○○センターに通院しています。
11月(上旬)日:マンモグラフィー、エコー、セレロ生検、右腋リンパ節針生検
右乳房の下部に2.2cmの乳がん
ER陰性 PR陰性 HER2結果待ち グレード2
右腋リンパ節には転移の兆候なし
11月(中旬)日:造影CT
転移の兆候なし
11月(中旬)日:造影MRI
結果待ち
11月(下旬)日:骨シンチ
検査予定
【ご質問1】
ER、PRが陰性ということから、薬剤が限られる事や効かない可能性があると考え、また腫瘍が比較的小さい段階のため、まず手術を行うことを主治医の先生に相談してご承諾いただき、予約しております。
妻も、今のがんを長期間抱えて過ごすのは気持ちが持たないと手術を望んでいますが、それともやはり検査結果が出揃ってから、治療方法を再度検討した方が良いでしょうか。
【ご質問2】
主治医の先生からは、手術は部分切除および再建(広背筋皮弁法?)の見込みとのことです。
来週末(11月(下旬)日)に具体的な手術内容の説明を受け、また相談をするにあたり、私が事前に理解しておくべき事や聞いておくべき事、留意点等がありましたらお教え願います。
【ご質問3】
年内には手術ができそうな予定ですが、それまでの間にがん増大や転移することが大変心配です。
何か手術の前に上積みできる他の治療方法はありますか。
あれば主治医に相談してみたいです。
【ご質問4】
妻は左胸の肋骨あたりの痛みが日に日に強くなってきたと言っていますが、骨転移を疑うべきでしょうか。
あるいは今見つかっている右胸の乳がんが転移巣で他に原発巣があるという可能性もあるでしょうか。
なお、骨の検査で何がしかのよくない結果が出た時は、術前化学療法に変更した方が良いのでしょうか。
十分でない情報で申し訳ありませんが、ご回答いただければ幸いです。
よろしくお願いいたします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
普通の早期乳癌で30歳代の女性に(全く無造作に)CTや骨シンチをすることに対する問題意識は必要です。(質問者には悪いですが、一言いわずには居られません)
「それともやはり検査結果が出揃ってから、治療方法を再度検討した方が良いでしょうか。」
⇒手術先行で間違いありません。
 術前抗がん剤の適応は「小さくして温存」のみです。
「【ご質問2】主治医の先生からは、手術は部分切除および再建(広背筋皮弁法?)の見込み」
⇒部分切除に再建というのは一般的ではありません。
「私が事前に理解しておくべき事や聞いておくべき事、留意点等がありましたらお教え願います。」
⇒2.2cmで本当に「同時再建?」が必要かどうかです。
「何か手術の前に上積みできる他の治療方法はありますか。」
⇒不要です。
「妻は左胸の肋骨あたりの痛みが日に日に強くなってきたと言っています」
⇒これは、そもそも癌とは無関係です。
 「痛みで発見」したように見えますが「偶然」です。
「骨転移を疑うべきでしょうか。」
⇒疑いません。
 骨シンチは全く不要です。
「あるいは今見つかっている右胸の乳がんが転移巣で他に原発巣があるという可能性もあるでしょうか。」
⇒1000%ありません。(ご安心を)
「なお、骨の検査で何がしかのよくない結果が出た時」
⇒そもそも、そんな可能性は1000%ありえません。
 ご安心を。
「術前化学療法に変更した方が良いのでしょうか。」
⇒余計な心配です。
 無駄な心配をすることなく、粛々と過ごしましょう。