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トリプルネガティブの手術のタイミングについて

[管理番号:5249]
性別:女性
年齢:50歳
田澤先生
(50歳、女性)
職場から慌ててメールしており、拙い文章ですいません。
昨日(8/(上旬))、トリプルネガティブ(1センチ、別に4ミリの疑わしい腫瘍もあり)の診断を受けました。
人間ドックで異常を指摘されたのが5月(下旬)日で、近くの乳腺外科で検査したところ、細胞診→判定不能、組織診→判定不能で、
県立病院に紹介になりそこで切除生検の結果、診断がついたのですが、途中で乳癌学会で先生がお休みだったこともあり診断に時間がかかりました。
手術は9/(中旬)に予定していますが、トリプルネガティブの手術がこんなに先になっても大丈夫でしょうか?
エコーの所見では、腫瘍に血管が入り混んでおり、いやらしい感じだ、と言われました。
また、手術と抗がん剤療法で8割強、根治が望めるとも言われました。
手術室は9/(上旬)でも空いていたのですが、どうしてもこちら側の都合が悪く迷っていたところ、先生に『1週間伸びた位は問題ない』とおっしゃり、そこで予定を入れたのですが、帰ってからトリプルネガティブについて調べていると、やはり少しでも早くすべきだったのではと後悔しています。
(場合によっては明日にでも再度予約の入れ直しをお願いしようかとも考えています。)
また、切除生検で1センチ位の切片を切り取って頂きましたが(周囲も合わせて)、これで癌の大部分が取れている、と考えるのは誤りでしょうか?
田澤先生のご意見をお聞かせ頂ければと思います。
宜しくお願い致します。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
まず私からコメントしたいのは「トリプルネガティブを悪者扱いすることは止めましょう」です。
「トリプルネガティブの手術がこんなに先になっても大丈夫でしょうか?」
⇒大丈夫です。
 そもそも「トリプルネガティブの」という意識は(もしも、これからもこのQandAを読むのであれば)今すぐ消し去りましょう。
「エコーの所見では、腫瘍に血管が入り混んでおり、いやらしい感じだ」
⇒そんなに「いやらしい」感じだったら「細胞診でも、針生検でも診断が簡単に付く筈」ですが??
「トリプルネガティブについて調べていると、やはり少しでも早くすべきだったのではと後悔しています。」
⇒全く意味不明
 普通の乳癌です。
 クダラナイ情報に汚染されるのは今すぐ止めましょう。
「切除生検で1センチ位の切片を切り取って頂きましたが(周囲も合わせて)、これで癌の大部分が取れている、と考えるのは誤りでしょうか?」
⇒そもそも「いやらしい感じだ=癌を積極的に疑っている」外科的生検であれば、当然(腫瘍に切り込まずに)「腫瘍から少し余裕をもって切除している筈」です。
 ご安心を。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

リンパ節転移
性別:女性
年齢:50歳
田澤先生
先日は質問にご回答頂きありがとうございました。
お陰様でネットの有害情報から立ち直り手術に向かう事ができました。
9/(中旬)に手術が終わりました。
5月末の人間ドック、7月後半のエコーではリンパ節腫大は無かったのに手術前日
(9/(中旬))のエコーでは13~14ミリ程のリンパ節腫大がひとつあり(画像的にはキレイな形だが)、結局、2つ取ったリンパ節の片方(最初に転移する場所)に転移があり、カクセイ術をして頂きました。
全体の病理検査の結果はまだ出ていません(7月の切除生検の結果は、トリプルネガティブ、腫瘍径0.9センチ、核グレード2、Mib30%でした。
術前検査では遠隔転移はなし)。
今回お聞きしたいのは、
(1)リンパ節のサイズがこの数ヶ月で急に大きくなったのだとしたら(元々のサイズは分かりません)、癌の中でも増殖のスピードが早いものだと考えられるでしょうか?
(2)予後には影響がありますでしょうか?
(先生が5374「核グレード、MIB-1と再発率/術後の治療について 女性50歳」の方への回答でか『1センチ以下の腫瘍で再発した人、いたかなー。』
という感じだとおっしゃっていたのを聞き、少し安心していたのですが、リンパ節転移がある場合は違う印象でしょうか?)
(3)腫瘍自体のサイズが小さいのに転移してしまうのは、やはりタチの悪いものなのでしょうか?(他の方へのご回答で、乳癌でも一部悪性度の高いものもあるとおっしゃってたように思います)。
それとも、よくご回答されているように、小さい腫瘍径というのはリンパ節転移があっても有利と考えていいのでしょうか(または、逆に不利になりますか)。
または、珍しいパターンなので、あまりデータがないという事もありますでしょうか?
病理検査の結果を聞いてからご質問させて頂くべきとは思ったのですが、不安がとても強く先に質問させて頂きました。
(主治医もリンパ節転移があった事には驚いており、増殖が早いタイプである可能性はあると言われました。)
お忙しいところ、申し訳ありませをが、どうか宜しくお願い致します。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
「癌の中でも増殖のスピードが早いものだと考えられるでしょうか?」
⇒考え過ぎです。
「(2)予後には影響がありますでしょうか?」
⇒ありません。
「腫瘍自体のサイズが小さいのに転移してしまうのは、やはりタチの悪いものなのでしょうか?」
⇒全く無関係です。
「主治医もリンパ節転移があった事には驚いており、増殖が早いタイプである可能性はあると言われました。」
⇒この主治医は!!!
 大変困ったものです。
 このような「極めて軽率な」コメントが患者さん達を「極めて無駄に」心配させる原因となっている事実に寒気がします。(比喩ではありません)
 私くらいの症例を経験すれば「大した意味はない」ことは明白です。
☆細胞診や針生検で判定不能となる程度の癌(その担当医には「変なコメント」をする暇があったら、「針生検の練習」に是非励んで欲しいものです。)なのです。
 冷静になりましょう。
 
 

 

質問者様から 【質問3】

病理結果に関する質問
性別:女性
年齢:50歳
田澤先生
先日はご回答頂きありがとうございました。
手術後は、精神的にかなり辛くなっていましたが、お陰様で又、前向きな気持ちになれました。
ご回答がなければどうなっていたか・・・本当に感謝しております。
先日、退院後の外来で病理検査の結果を受け取り、今回はそれに関して質問させて頂きたいことがあります。
よろしくお願いいたします。
[質問1]
リンパ節転移は20個切除したリンパ節のうち1カ所のみで、その割面の写真を見せて頂いたのですが、米粒の様な形でその長径が2ミリでそれに細長い尻尾のようなもの繋がっており、ここも含めると全体で2.5ミリ程のものでした。
他の方へのご回答のなかで、微小浸潤は無視してもよい旨のコメントをされていたように思います。
微小浸潤とは2ミリ以下を指すとの事ですが、私のような場合は微小浸潤とはならないのでしょうか?
(主治医からは特にコメントはありませんでした。)
[質問2]
再発のリスクについて、主治医からは手術前の時点では無再発率は75%位で抗がん剤治療をすると更に半分位上げられると言われていました。
今回のリンパ節転移が見つかったため、再発率にどの位影響があるか聞いたところ、5%位下がるとの事でしたが、田澤先生のご見解ではどういう印象でしょうか。
また、腫瘍径が小さくてもリンパ節転移がある場合は早期とは言えないのでしょうか。
[質問3]
病理検査説明では、浸潤径0.9cm、リンパ節転移1/20、全摘乳房の癌残存なし、乳頭腺管癌、ER(-)、PR(-)、HER2(-)、MiB30%、pT1N1M0、
pIIa期という結果のみでしたが、こちらで他の質問者さんのコメントを見ていると、もっと詳しい説明を受けておられる方も多いようです。
脈管浸潤等についても何も説明を受けていないのですが、医師から説明がない場合、特に問題はなかったと考えてもよいでしょうか。
[質問4]
実母が45歳の時に乳癌の手術を受けています(77歳の現在まで再発はありません)。
このような場合、遺伝子検査は受けた方がよろしいでしょうか。
[質問5]
医師からリンパ節転移がある以上、抗がん剤はやはり受けた方がよいと言われました。
レジメンは FEC + パクセタキセルとの事でした(病院で採用しているのがこのレジメンとの事)。
副作用はなるべく減らしたいと考えていますが、田澤先生が他の方への回答で『5-FUは省略可』とおっしゃっ
てたのを覚えているのですが、申し訳ありませんが、再度、見つける事ができませんでした。
副作用を減らして、効果に差がないという事な
ら、5-FUの省略をこちらから提案してみたいと思っているのですが如何でしょうか。
お忙しいところ、申し訳ございませんが、どうかよろしくお願いいたします。
 

田澤先生から 【回答3】

こんにちは。田澤です。
「[質問1]私のような場合は微小浸潤とはならないのでしょうか?」
⇒なりません。 2mm以下の場合のみです。
「田澤先生のご見解ではどういう印象でしょうか。」
⇒抗癌剤をすれば、再発率は10%以下となると思います。
「また、腫瘍径が小さくてもリンパ節転移がある場合は早期とは言えないのでしょうか。」
⇒ⅡA期は十分早期です。
「脈管浸潤等についても何も説明を受けていないのですが、医師から説明がない場合、特に問題はなかったと考えてもよいでしょうか。」
⇒そうかもしれませんが…
 脈管侵襲など、そもそも「どうでもいい(参考程度)」ことです。
「このような場合、遺伝子検査は受けた方がよろしいでしょうか。」
⇒不要です。
 乳癌が増えている現在において、ご家族に乳癌がいる事自体全く珍しくありません。
「5-FUの省略をこちらから提案してみたいと思っているのですが如何でしょうか。」
⇒それは(勿論)構いません。
 ただ、施設によっては「レジメン登録されていない(その施設では許可されていない)」可能性もあります。
 
 

 

質問者様から 【質問4】

抗がん剤の種類
性別:女性
年齢:50歳
田澤先生
?
先日はお忙しいなかご回答を頂きありがとうございました。
今回は抗がん剤治療 についてお聞きしたい事がありますのでよろしくお願いいたします(11/(上旬)より抗がん剤開始します)。
?
前回の「質問5」の通り、医師から提示された「 FEC x4+パクセタキセル× 12
のレジメンを EC に変更可能か」医師に質問したところ、変更は可能、また、 EC を2週間ごとに投与するレジメンもあるので、自分の希望を言って欲しいとの事でした。
また、もし、 EC への変更を強くアドバイスされたなら、その内容も知らせてほしいとの事でした。
おそらく、先生は私が製薬会社勤務であることから、抗がん剤のレジメンに詳しいと思ってらっしゃるようで(実際はそんな事はないのですが)、私自身に希望を聞いて下さっているように思います。
自分で調べてみたところ、色々なデータがありましたが、海外のものも多く、それが日本人にも当てはまるのか、また、自分が見ているのが信頼できるものなのかも不明で、やはり、実際に多くの症例をご覧になっている田澤先生のご意見を伺いたいと思いました。
私のような、リンパ節転移陽性のトリプルネガティブ乳癌の場合、
1. FEC ×4( 3 週毎) + パクセタキセル× 12
2. EC x4  (2 週毎 )  + パクセタキセル× 12
3. EC2 週毎  ( + パクセタキセル? ) のレジメンのうち、どれを一番にお勧めになりますか? また、これはお勧めしない、というものがありますでしょうか。
?
私としては、やはり、効果も期待でき、副作用 ( 特に吐き気等 ) はなるべく強くないものを希望しています。
医師の話では
5-FUが入ると吐き気がつよく出る傾向があるとの事なので、ECにして貰おうかとも思うのですが、もしもの事が起こってしまった時に『5-FUを抜いたから…』という後悔もしたくありません。
また、EC2 週毎だと貧血が強くでるようですが、私は元々、子宮筋腫のため普段から貧血状態で、 Hb は普段は 1 桁( 8位)で、年に何度か内科で鉄剤を処方してもらい、それを服用すると 10-11 位まで戻ります。
お忙しいところ、申し訳ございませんが、よろしくお願いいたします。
 

田澤先生から 【回答4】

こんにちは。田澤です。
「どれを一番にお勧めになりますか? また、これはお勧めしない、というものがありますでしょうか。」
⇒dose dense(2週毎)にする必要はありません。
 普通にEC(3週毎)x4⇒wPTXx12 をお勧めします。
 
 

 

質問者様から 【質問5】

遺伝子検査について
性別:女性
年齢:50歳
田澤先生
先日はご回答頂きありがとうございました。
結局、抗がん剤はECにして頂き、現在、2回目の投与を終えました。
本日、また、追加でお聞きしたい事がありますので、よろしくお願いいたします。
前回、遺伝子検査は不要とのご回答を頂き、私自身も受けないつもりでいたのですが、自分は普通の方とは状況が違い、やはり検査を受けた方が良いのではないかと思うようになりました。
前回より情報を修正・追加させて頂きますので、ご覧頂いた上で再度、先生のご意見をお伺いできればと思います。
[質問1]
私の母は、54歳で乳癌が見つかり手術を受けましたが、その10年前、44歳で子宮頸部癌の手術を受けており、この時、本人の希望で子宮・卵巣ともに全摘しています。
母が乳癌の手術を受けたのは今から24年前で当時、サブタイプ等は不明ですが、子宮癌術後10年間女性ホルモンの影響がなかったはずなのに乳癌を発症したということは、母の乳癌もホルモン依存性以外のタイプであり、トリプルネガティブだったのではないかと考えました。
乳癌の発症年齢が母→54歳、私→50歳なので通常は遺伝は
無関係と考えるべきなのかもしれませんが、2世代連続でトリプルネガティブだとすれば、やはり遺伝の関連を疑い、検査を受けた方がいいのでは、と考えておりますが如何でしょうか?(身内に母以外で乳癌、卵巣癌の家族歴はありません)
また、私自身9年前に甲状腺癌の手術を受けており、一部ネットで甲状腺癌の既往歴・家族歴がBRCA変異を疑う因子であるとの情報もあり、これも検査を受けたいと思う要因になりました。
[質問2]
遺伝子検査を受けたい理由は乳癌より卵巣癌の心配の為です。
母の乳癌は2センチで、私と同様、手術前の予測に反してリンパ節転移が1ヵ所ありましたが、その後放射線療法のみで抗がん剤も受けず24年間再発していません。
私自身も乳癌のみを心配してなら遺伝子検査まで受けようとは思わないのですが、卵巣癌に関しては発見・治療ともに難しいと聞きますし、また、母親は早々に卵巣摘出しているため母がその後、卵巣癌を発症したかどうかも不明です。
検査を受け、もし陽性なら予防的卵巣摘出を考えておりますが、先生のお考えは如何でしょうか?
[質問3]
もし、BRCAが陽性なら抗癌剤が効きにくいとの情報がありました。
現在EC2クール目を受けましたが、検査結果に関わらず、抗がん剤は最後まで受けるべきでしょうか?
[質問4]
抗癌剤の後半はパクセタキセルを使用予定だったのですが、私がアルコールが飲めない旨を医師に伝えると、ドセタキセルへの変更を提案されました。
自分で調べたところ、アブラキサンという薬が治療も簡便で副作用も軽めと聞いたので、医師にアブラキサンに変更可能か聞いたところ、どちらでもOKとの事でしたが、その後、再度調べていると乳癌プラザで田澤先生がアブラキサンの補助療法しての安全性が確立されていないため勧めないと何度か回答されているのを見つけました。
ただ、管理番号も若く、その後、新しい情報があるかと思い再度、質問させて頂きました。
やはり、今でもアブラキサンはお勧めにならないでしょうか?(もし、変更等ないようでしたら、986番「タキサン系の中でのアブラキサンの位置づけ(抗がん剤と微小転移について)」の方へのご回答を参照させて頂きます。)
[管理番号:986]タキサン系の中でのアブラキサンの位置づけ(抗がん剤と微小転移について)
長文になってしまい、申し訳ございませんが、どうかよろしくお願いいたします。
 

田澤先生から 【回答5】

こんにちは。田澤です。
「自分は普通の方とは状況が違い」
⇒??
 私には極めて「普通」に思えますが…
「やはり遺伝の関連を疑い、検査を受けた方がいいのでは、と考えておりますが如何でしょうか?」
⇒全く根拠がありません。
「もし陽性なら予防的卵巣摘出を考えておりますが、先生のお考えは如何でしょうか?」
「検査結果に関わらず、抗がん剤は最後まで受けるべきでしょうか?」

⇒「もしも」で考える意味がありません。
 遺伝子検査をするのであれば(私は特に勧めませんが)、「その結果が出てから」考えるべきことです。(過程で話をする事自体、無意味です)
「今でもアブラキサンはお勧めにならないでしょうか?」
⇒今すぐ、ネットで「アブラキサンの添付文章」をご確認ください。(それが全てです)