[管理番号:5530]
性別:女性
年齢:42歳

田澤先生よろしくお願いいたします。

今週の木曜日に手術を控え、手術内容とその後の治療について、迷いと疑問による不安があり質問させていただきます。
何卒よろしくお願いいたします。

42歳 既婚 子供(5歳と1歳)がいます。

今年の3月に左胸のしこりに気付き受診。
その後、総合病院に移動し5月上旬に針生検にて以下の乳がんだと分かりました。

■針生検の結果
————–
類円形の腫大濃染核を有する異型細胞が、索状、胞巣状に増殖しています。

Invasive carcinoma of no special type と考えます。

Nuclear atypia score:2点
Mitotic counts score:1点
Nuclear grade: Grade1

Tubule and gland formation: Score3
Nuclear pleomorphism: Score2
Mitotic counts: Score1
Histological Grade: Grade2(moderately differentiated)

ER (+)98%
PgR (+)60%
HER2 2+  ←その後fishで陽性となりました
Ki67 labefing index 54%
————–

MRI上では癌のサイズは3cmでした。

また、エコーにて疑わしいリンパ節があったため、細胞診をしたところ陽性でした。

■今日までの治療
田澤先生が術前抗がん剤については温存手術を目指して行う場合のみだというお考えで
あることは重々承知していたのですが、
5月の時点で手術は7月末になってしまうと聞き、2~3ヶ月待ちは普通である事も理解していたのですが、当時は精神的にかなり参っており、何もせずに待っている事が精神的に耐えられそうに無かったため術前抗がん剤を選択しました。

・6月(上旬)日からECを2週間に1回で4回実施
・ハーセプチン単独試験を経て8/(中旬)にドセ+ハーセプチン1回目を実施(3週間に1回で全部で4回実施予定でした)
ところが、(下旬)日の夜中に39℃発熱し歩けなかった為、救急車でERへ。
その日は点滴して
帰宅したのですが、翌(下旬)日午前になっても解熱せず、また動けなかったため救急車で搬送入院となりました。

(下旬)日の発熱当初から(下旬)日入院の夜くらいまで、私自身は断片的にしか記憶がありません。
(会話はしていたらしいのですが・・・)

・8/(下旬)好中球数値が下がり、好中球減少症で個室へ移動
・8/(下旬)数値が安定した為、大部屋へ移動。
この頃から手足の痙攣が始まり、痙攣がひどくてつかまってなんとか歩くことができる感じで、スプーンを持つことも困難に。
その後セフェピムの投与を中止したところ改善していった為、セフェピムによる脳症であったのではないかという診断でした。

・9/(上旬) 手足の痙攣などがだいぶ落ち着いてきたため退院
・9/(中旬) 退院後の外来で主治医より次の説明を受けました。

8/(下旬)に結果的に好中球減少症にはなったが、入院時の8/(下旬)時点ではは好中球数値は2700
あった為、発熱は好中球減少症によるものではない。
ドセ点滴後わずか4日後の発熱はまれであり早すぎる。
原因がはっきり分からないがドセの影響であることは明らかの為、
このままドセを続けることは極めて危険なので中止して手術を先行しましょう、とのことでした。

・9/(下旬) 手術前のMRIを実施。
先生より「ECがよく効いていて、疑わしい部分はあるけれどほとんど消えていそう」とのこと。

■手術と今後の治療について主治医の考え
・ECが奏功した為、部分切除も可能だが、私の希望もあり全摘でよいでしょうとのこと。

・リンパ節は当初はレベル1廓清を考えていたが、EC奏功しているためサンプリングだけにしようと思っている。

・今後の治療は手術してガンを見て判断するが、胸のガンが完全消滅していたor残存していてもほんの1.2mmであった場合は、術後は抗がん剤は必要ないと思う。

 その場合は、術後にハーセプチン単独とホルモン治療を実施する。

・全摘+放射線は胸壁照射で肺の合併症のリスクもある為、リンパ腺転移3本以下なら、
放射線治療はしなくて良いと思う。

・ドセ後に発熱→入院した時の状況はとても危険であった。
ドセ治療は命を落としてまでトライする治療ではない。
私の場合はタキサン系の抗がん剤は危険なので今後実施できない。
もし手術の結果、ガンがたくさん残っていた場合にはまたその時検討しましょう、とのことでした。

■田澤先生への質問

①術後に抗がん剤をしない場合、ハーセプチン単独になりますが、ハーセプチンは抗が
ん剤を併用して効果が十分に発揮できると読んだことがあります。
ハーセプチン単独でも問題ないでしょうか。

②リンパ廓清について、先生は「サンプリングだけで手術しないで帰ってくるかも」という表現をしたのですが、どういうことでしょうか。
ECが奏功したからといってレベル1廓清をしないという事に不安があります。
田澤先生はどう思われますでしょうか。

③術後の放射線について、全摘して胸のガンがなく、リンパ転移も0~3個だったとしても、それはECをやった結果であり、元々は4本以上あったかもしれないのであれば放射線はやった方がいいのではないかと私は思ってしまうのですが、田澤先生はどう思われますでしょうか。

④私としては再発リスクを最小限にしたいので、術後に抗がん剤とハーセプチンをやりたいというのが希望ですが、先生は私の場合は危険なので難しいとおっしゃっています。
危険なのは理解できるのですが、抗がん剤治療についてECのみで終わってしまいドセ+ハーセプチンという標準治療まできちんと遂行できなかったことが不安でなりません。

主治医の先生からはドセ以外でもタキサン系は危ないから出来ないし、そのほかにできる補助療法としての抗がん剤はないと言われてしまいました。
他に何かできる方法はないのでしょうか。

また、手術の状況で胸のガンやリンパ節転移の有無によって、田澤先生はどのような治療をお考えになるでしょうか。

⑤入院してから目に飛蚊症の症状と左右の視力が合わないような症状が続いています。

眼科による検査では何も問題がなく悩んでいます。
ドセの副作用やセフェピムの脳症の後遺症など、このような症状があった患者さんはいらっしゃいますか。

以上、大変長い質問になってしまい誠に申し訳ありません。

ドセの影響による入院でのショックがまだ抜けきらず、それによる手の痙攣が若干まだあったり、目の症状もあったりで、手術を目前にしていろいろ不安や疑問が出てきてしまった次第です。

申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

大変でしたね!
私は随分、化学療法をしてきましたが、そのようなことになったことはありません。
発熱性好中球減少症自体は、昔は多くありましたが(FEC100が流行った当時は、乳腺外科医は皆これをおそれていたものです)現在はそれすら殆どありません。

担当医もコメントしているように「術前術後の化学療法で命を危険に曝すべきではない」これは大原則です。(再発治療で、治療をしなくては、それこそ命にかかわるケースとは全く違うのです。

「①術後に抗がん剤をしない場合、ハーセプチン単独になりますが、ハーセプチンは抗がん剤を併用して効果が十分に発揮できると読んだことがあります。ハーセプチン単独でも問題ないでしょうか。」
⇒質問者は「完全な勘違い」をしています。

 質問者は術前にECをしているのだから、(術後にハーセプチン単剤となったとしても)術前に抗癌剤(EC)を行っているので、「ハーセプチン単独治療とは言わない」のです。

「ECが奏功したからといってレベル1廓清をしないという事に不安」
⇒これは完全な誤りです。

 (術前化学療法で効果にかかわらず)◎「手術も放射線治療も、化学療法前の状況で適応が決まる」のです。

 ☆術前化学療法前にリンパ節転移があったのに、(化学療法で消失したからと言って)郭清省略をすることは誤りなのです。(ガイドラインにも記載があります)
『今週のコラム 91回目 「転移したリンパ節が残存」してしまうのです。
『今週のコラム 92回目 この際にセンチネルリンパ節生検が行われ「腋窩郭清省略」されています。』に正に、記載していますので是非ご一読を。

「リンパ転移も0~3個だったとしても、それはECをやった結果であり、元々は4本以上あったかもしれないのであれば報謝線はやった方がいいのではないかと私は思ってしまう」
⇒その通りです。(上術◎の通り

「ドセ以外でもタキサン系は危ないから出来ない」
⇒パクリタキセルなら可能ではないか?
 そう思います。
 しかもweeklyだから、殆ど副作用はありません。

 ただ、「術後の補助療法ではリスクを冒してはいけない」
 この大原則からすると(実際に、質問者の危険な状況を目の当たりにした)担当医の言う事も了解できます。(相談してみましょう)

「ドセの副作用やセフェピムの脳症の後遺症など、このような症状があった患者さんはいらっしゃいますか。」
⇒ドセタキセルで急性のショック(アナフィラキシー)は結構あります。(殆どの乳腺外科医が1度は経験している筈です)

 ただ、今回のようなものはありません。

 
 

 

質問者様から 【質問2】

今後の治療について
性別:女性
年齢:42歳

前回は、ご回答いただきありがとうございました。

回答いただいた翌日(10/(上旬))に手術を受け、昨日病理結果が出ました。

また今後の治療について説明を受け、そのことについてご相談させていただければと思います。

何卒、よろしくお願いします。

手術は、全摘手術をうけ、私の希望でリンパ節廓清(レベル2)も行いました。

※術前抗がん剤の実施状況や病理結果は前回の質問に明記させていただいています。

■病理結果
————————-
Breast caecinoma,status post-chemotheraty,about9×5mm,Invasive carcinoma of no special type,g,f,ly0,v0,n(+)1/18,left breast,
Bt+AxLN

組織学的に、類円形腫大核を有する腫瘍細胞が小集塊構造を形成し、浸潤性に増殖しています。
Invasive carcinoma or no special typeと考えます。
浸潤径は最大で約9mm大と考えます。
周囲には乳管内進展がみられます。
コメド壊死はありません。

進展巣を含めた径は、約50×45×15mm大と考えます。
術前化学療法が施行されています。
組織学的効果判定はGrade 1b相当と考えます。

腫瘍は周囲脂肪織へと浸潤しています。
脈管侵襲は明らかではありません。
切除断面は陰性です。

リンパ節は、AxLN=1/18,浸潤径約3mmでした。

化学療法後の為、以下は参考所見となります。

Nuclear atypia :2点
Mitotic counts :1点
Nuclear grade: Grade1

Tubule and gland formation: Score3
Nuclear pleomorphism: Score2
Mitotic counts: Score1
Histological Grade: Grade2(moderately differentiated)

ER (+)99%
PgR (-)<1%
HER2:2+
Ki67 labeling index :4%
————————-

■治療経過
手術前にドセタキセルとハーセプチンを実施したのを最後に化学療法は中断していましたが、術後10/(中旬)よりハーセプチン単独で再開。

現在に至る。

■今後の治療について主治医の考え
・ドセは8月の実施状況からもリスクが高いので中止した方がよい。

パクリタキセルは最近ほとんどやっていないが、しびれの後遺症が残るのであまり進められない。

※また私がアルコールを一切飲めない事があり、どっちみちパクリはできないと言われました。

・放射線ついては、リンパ転移が1個であったことや胸壁照射で肺の合併症リスクを考えてやらなくてよいと思う。

・もしドセを再開するなら、半量から始めて75%の量で5回ほどやることは考えられる。

 ただ、前回と同じ状況になる可能性は十分あるし、もしかしたらもっと重篤な状態になる可能性もある。
そのリスクを承知したうえで希望があればやることはできる。

・残っていたリンパ転移1個は、おそらく術前抗がん剤実施前にエコーで確認していた1個であろうかと思う。

エコー、MRI所見では抗がん剤実施前に4個以上あったということはないと思うよ。

・主治医の先生の基本的な考えは、
「ECもしっかり実施しそれなりの効果はあげている。
リスクを負ってドセやパクリタキセルを上乗せするだけのメリットがどれほどあるかというと疑問がある。

Ki67の数値も下がり癌の勢いは減っている。
今後は効果が期待できるハーセプチンとホルモン治療をやっていけばよいと思う。
自分は後遺症や合併症リスクなどをなるべく回
避したいという考え寄りだが、十分にリスクを理解したうえで抗がん剤をやりたいという場合はもちろんやることはできるので、じっくり考えてほしい。」
とのことでした。

■田澤先生への質問

今後はハーセプチンとホルモン治療になります。

それに加えて抗がん剤と放射線治療をやるべきか否かで悩んでいます。

①主治医の先生のおっしゃる通り、もともとリンパ節転移1個程度であれば放射線は省略もありなのでしょうか。
3mmも残っていたらやはりやるべきなのでしょうか。

また万が一4個以上あったことを考えて実施した方がよいでしょうか。

また実施する場合は、照射範囲は胸壁だけでなく腋下や鎖骨上かにも照射した方がよいのでしょうか。

②主治医のおっしゃる通り減量してドセをやることについて、効果はあまり期待できないでしょうか。

③やはりパクリタキセルはアルコールに弱い(350ml缶で吐いてしまうと思います)と使えないのでしょうか。

④手術後の病理結果を見て、思っていたよりも癌が残っていたことにショックを受けました。

思っていたほどECが奏功しなかったこと、また術前抗がん剤実施前の私のガンの状況からして、再発予防のための術後抗がん剤を本当にやらなくていいのか不安があります。

病理結果を見て、田澤先生ならどのような治療を計画なさるでしょうか。

⑤私の場合、抗がん剤や放射線を今後やった場合とやらない場合の、再発率はどのくらいでしょうか。

主治医の先生は合併症や後遺症リスクを回避することに重きを置いているお考えの先生だと思うのですが、私としては何としても再発をしないために初期治療で万全を尽くしたいと考えてしまいます。

以前からもこの考えの相違で、先生の方針がしっくりこない事が多々ありました。

昨今は、無用な治療の上乗せを少なくすることに時代の流れがあり、古いデータに縛られた治療を漫然とすることには疑問があるともおっしゃっていました。

主治医の先生の治療方針は通常のものなのかも素人の私には判断が難しいです。

まずは、田澤先生にご相談させていただければと思います。

何卒よろしくお願いいたします。

 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。

「・ドセは8月の実施状況からもリスクが高いので中止した方がよい。」
⇒その通りです。(というか、禁忌です)

「パクリタキセルは最近ほとんどやっていない」
⇒???

 極めて珍しいですね。「ドセタキセル」偏重なのですね。

「私がアルコールを一切飲めない事があり、どっちみちパクリはできない」
⇒それならば仕方が無いですね。

「エコー、MRI所見では抗がん剤実施前に4個以上あったということはないと思うよ。」
⇒それであれば、放射線は不要です。

「①主治医の先生のおっしゃる通り、もともとリンパ節転移1個程度であれば放射線は省略もありなのでしょうか。」
⇒勿論です。

 全摘後の放射線は(術前化学療法前の状態で)「リンパ節転移4個以上」の場合となります。

「3mmも残っていたらやはりやるべきなのでしょうか。」
⇒無関係

「また万が一4個以上あったことを考えて実施した方がよいでしょうか。」
⇒(化学療法前に)4個は無かったという主治医を信じるべきです。

「②主治医のおっしゃる通り減量してドセをやることについて、効果はあまり期待できないでしょうか。」
⇒効果云々ではなく…

 禁忌です。

「③やはりパクリタキセルはアルコールに弱い(350ml缶で吐いてしまうと思います)と使えないのでしょうか。」
⇒使うべきではありません。

「④手術後の病理結果を見て、思っていたよりも癌が残っていたことにショック」
⇒そもそも術前抗がん剤を皆さん勘違いしています。

 本来は「術後の再発予防」目的なのです。
 全く無意味です。

「⑤私の場合、抗がん剤や放射線を今後やった場合とやらない場合の、再発率はどのくらいでしょうか。」
⇒それ程かわらないでしょう。

 
 

 

質問者様から 【質問3 ホルモン治療について】

性別:女性
年齢:42歳

過去2回質問させていただいています。
治療の進行にあたり悩みや迷いが出た時に質問
し、毎回丁寧なご回答をいただけることで、自分でも納得のいく治療方針を選択する指標にさせていただいています。
誠にありがとうございます。

今回も、また治療について選択に悩むことが出てきたので、質問させてください。

全質問の内容通り、
術前抗がん剤(EC)、全摘手術を終えて、結局その後、術後抗がん剤(ウィークリーパクリ)をしました。

※お酒を一切飲めない私ですが、投与当日は酔っ払い状態でしたが翌日からは普段通りに生活できました。
ECに比べると本当に副作用が少なく遂行することができました。

今後はハーセプチンの継続とホルモン治療を開始することになります。

そこでホルモン治療について、主治医から選択肢を説明いただき迷っています。

◆選択肢①
抗エストロゲン薬(タモキシフェン)+LH-RHアゴニスト製剤(3ヶ月に1度)

◆選択肢②
アロマターゼ阻害薬(アリミデックス)+LH-RHアゴニスト製剤(3ヶ月に1度)

◆選択肢③
抗エストロゲン薬(タモキシフェン)のみ

私の状況は、閉経前でしたが、ECにより化学閉経していました。
ただ、ECとドセタキセル(1回のみ)を8月中旬に終え、10月初めの手術を挟み、12月末のウィークリーパクリ開始まで、少し間が空いたためか12月初めに一度生理がきました。

その後、ウィークリーパクリを開始してからはまた化学閉経しています。

主治医の先生は、閉経前の標準治療は①だけれど、データで効果が高いと出ているのは
②だとおっしゃっていました。

Her2陽性の場合は、今は②を勧めているとのこと。
(私もHer2陽性です)陰性であれば
閉経前の場合は①か③だそうです。

他の方のケースを見ると私のような生理の状況であれば閉経前治療として①の治療をする方が多いようですし、②の方が副作用も強いということなので、どちらにするか迷っています。

また、閉経前でアロマターゼを使用するのは、再発・転移の方が多いように感じ、私が今使用することで万が一再発した場合に、使用する製剤の選択肢を少なくしてしまうのではないかという不安もあります。

ただ、私の場合は、Her2陽性でリンパ節転移もあり、Ki67も54%と大変高いので、やはり再発リスクを少しでも減らすために初発治療でできることはしたいと思っています。

※主治医は私の癌の状況はそんなに深刻な状況ではないとおっしゃっています。

■質問①
私のような癌の状況の場合、田澤先生であればどの薬を選択するでしょうか。

■質問②
タモキシフェンを2,3年で、その後アロマターゼに切り替えるという方が、タモキシフェンを5年(もしくは10年)服用よりも再発予防効果が高いと聞きました。

その方法でも良いと思いますか。

■質問③
ホルモン治療とは離れるのですが、私の病理結果は

Nuclear atypia score:2点
Mitotic counts score:1点
Nuclear grade: Grade1

Tubule and gland formation: Score3
Nuclear pleomorphism: Score2
Mitotic counts: Score1
Histological

だったのですが、
いわゆるグレートはどの数字なのでしょうか。

■質問④
Ki67の数値について、治療前の生検の際の数値は54%と高いものでした。

EC後に手術をした際の病理結果は4%でした。

これはECが効いて癌の勢いがなくなったということだと思うのですが、これは抗がん剤をした一時的な数値で、もし微小転移した場合は、やはり本来の54%という勢いのある癌の姿に戻るのでしょうか。

Ki67の数値が高いことがどうしても頭から離れず不安がぬぐえません。

■質問⑤
私の病理結果と、その後の治療を踏まえ、再発率と生存率は何%でしょうか。

質問が多くなり申し訳ないのですが、治療選択の判断指標や、不安を解消するための正しい知識を得たいので、
何卒よろしくお願いいたします。

 

田澤先生から 【回答3】

こんにちは。田澤です。

ポイントは3つ
1.化学療法閉経であり、真の閉経ではない
2.アロマターゼ阻害剤はあくまでも「日本の添付文章」では「閉経後が適応」であり、閉経前に使用するのは「適応外診療」である。
3.適応外診療であることを承知の上か(もしくは承知していないのか)「海外のデータを基に適応外診療であるアロマターゼ阻害剤+LH-RHagonistを勧める医師」が後をたたない。

★私は「適応外診療は絶対に許さない」立場であるので(質問者も、このQandAを眺めれば沢山出てきますが)決して以下の診療は認めていません。
 よくある「保険適応外診療」として
 ① アロマターゼ阻害剤+LH-RHagonist(今回の件)
 ② 術後補助療法としてカペシタビン(ゼローダ)を投与する。

 繰り返しますが、私は上記①②を絶対に許しません。(添付文章が改定されて保険診療となれば、勿論行いますが)

「■質問①私のような癌の状況の場合、田澤先生であればどの薬を選択するでしょうか。」
⇒「タモキシフェン単独」とします。
 そして(月経が復活したら)LH-RHagonistの併用をします。

 ★ただし、質問者はEC後、僅かな間に「月経再開」しているので、(比較的早期に再度再開する可能性が高いとして)最初から「タモキシフェン+LH-RHagonist」でもいいでしょう。

「その方法でも良いと思いますか。」
⇒そもそも現時点でアロマターゼ阻害剤を使用する事自体「保険外診療」なので私は絶対に行いません。

「いわゆるグレートはどの数字なのでしょうか。」
⇒グレード1

 (参考に)
 質問者に当て嵌まるものに★を付けておきます。
『核グレード』は①核異型の点数+②核分裂の点数の「2項目の和」です。

 ①核異型 弱い:1点
    中間:2点 ★ (nuclear atypiaとは核異型のことです)
    強い:3点

 ②核分裂 5個未満(10視野で):1点 ★(mitotic countsとは核分裂のことです)
    5~10個  〃   :2点
    11個以上  〃  :3点

○『核グレード(NG) 核異型の点数+核分裂の点数』
    2点、3点 :核グレード(NG)1  ★(質問者は 核異型2点+核分裂1点=3点です)
    4点    :  〃    2
    5点、6点 :  〃    3 

ここに「構造異型度(腺管形成スコア)」を加えて
①核異型の点数+②核分裂の点数+③腺管形成の点数の「3項目の和」としたものが「組織学的グレード」です。

①核異型 弱い:1点 
    中間:2点 ★(nuclear pleororphism)
    強い:3点

 ②核分裂 5個未満(10視野で):1点 ★(mitotic counts)
    5~10個  〃   :2点  
    11個以上  〃  :3点

 ③腺管形成 腫瘍の75%超で明らかな腺管形成:1点
       〃 10~75% 〃     :2点
       〃 10%未満   〃     :3点 ★(tubule and gland
formation)

 ○『組織学的グレード(HG)核異型の点数+核分裂の点数+腺管形成の点数』
    3点~5点:組織学的グレード(HG)1
6点、7点:   〃       2 ★(核異型2点+核分裂1点+腺管形成3点=6点)
    8点、9点:   〃       3

「これはECが効いて癌の勢いがなくなったということだと思う」
⇒理論的に考えると…

 抗癌剤の作用点は「細胞分裂の阻害」なので、抗癌剤を投与することで「細胞分裂を盛んにしている癌細胞が選択的に障害=死滅」するのです。
 それで、生き残るのは「大人しい(細胞分裂をしていない)細胞が主体」となるのです。

「転移した場合は、やはり本来の54%という勢いのある癌の姿に戻るのでしょうか。」
⇒違います。
 「大人しい癌細胞が選択的に生き残っている=再発する場合にもその細胞(大人しい)」が主体であろうと(理論的には)考えます。

「私の病理結果と、その後の治療を踏まえ、再発率と生存率は何%でしょうか。」
⇒質問者は、この2年間位このQandAを見ていない様ですね(笑)

 私はこの2年以上、「ルミナールタイプではAとBが混ざった統計の数字」となっているので、「ルミナールタイプには統計学的数字は不適切」として、回答していません。





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