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植皮などの治療方針について

[管理番号:6462]
性別:女性
年齢:31歳
田澤先生、初めまして。
乳がんの検査を受けてから、こちらのサイトをを読みはじめました。
色々と不安なことが多いため、相談させてください。
1年以上前から(記憶が薄いです)胸の中心より少し左上にしこりを感じていました。
最初は生理前の胸のハリが収まると、気にならなくなっていたのですが
徐々に胸のハリと関係なく、大きく視認できるほどポッコリしてきました。
皮膚の質感は、周りと違うテカりがあり、皮膚の奥が黒っぽく見えます。
(赤み、直接触れるということはありません)
5月(中旬)日に受診→マンモ、超音波、針生検、
(中旬)日→血液検査とCT
(下旬)日→乳がんの告知
(下旬)日→PET/CT
(下旬)日→胸のMRI
いくつかの検査を受け、(下旬)日に再度説明を受けました。
サイズ→4.5cm
サブタイプ→ルミナールB(大きさからしておそらくBだと)
リンパ転移、臓器転移→なし
PET/CT→胸骨に小さく反応あり。
胸骨かその下のリンパか微妙だが、骨の可能性あり…と。
来週に骨シンチを受けます。
独身ですが、治療を優先し卵子凍結はなし。
(可能性があれば子供は望みたいですが…)
胸の温存は希望しておりません。
医師からは
・術前化学療法(FECかEC→ドセキタル)をして
 しこりを小さくしてから全摘、ホルモン治療、放射線(必要に応じて)
という提案を受けています。
最初から全摘もできないか確認しましたが、
・先に取ると抗がん剤の効果がわからない(この理屈は先生が否定されていますが…)
・痩せており、胸が小さいため、大きい状態での切除は植皮の可能性がある
との2点で先に抗がん剤を進められています。
上記の状態で、いくつか質問をさせてください。
全摘の場合は術前化学療法に意味がないとおっしゃっていますが、
「植皮の可能性」のためには妥当でしょうか?
また、植皮してでも手術を先行するべきでしょうか。
コラム32回目も読みましたが、皮膚浸潤とはどの程度の状態を指すのでしょうか…。
今週のコラム 32回目 術前に「1年以上抗ガン剤を行っている」ことが何を意味しているのか。
また、骨転移の疑いときき、目の前が真っ暗になっています。
できればただの炎症であってほしい…と。
まだ30代。
両親より長く生きたいです。
仮に骨転移だったとしても、治療は積極的にしていきたいです。
その際の治療の手順について先生のお考えを聞かせていただきたいです。
医師からは同病院の歯科で検診を受け(他院で治療中)、その様子次第では6月(上旬)日からでもすぐに抗がん剤治療をはじめましょうかと言われています。
もう少し時間をかけてでも、先生ときちんと話し合いをするか、
地元(北陸です)でもう一か所、セカンドオピニオンを受けたほうが良いのか…
スピード感においついていない反面、早く治療をしなければとの焦りも募っています。
10代の頃から左胸の中心部は堅くゴリゴリとしていましたし、
乳頭からは時々白いカスのようなものがありました。
当時は乳腺やホルモンバランスの関係と思っていましたし
自分の、体への無関心さに後悔と申し訳なさでいっぱいです。
よろしくお願いします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「ルミナールB(大きさからしておそらくBだと)」
⇒??
 「大きさ」と「ルミナールAなのかBなのか?」は全く別次元の話です。
「痩せており、胸が小さいため、大きい状態での切除は植皮の可能性がある」
⇒皮膚所見がなければ(まともな精度の手術なら)植皮がいるようにはとても思えません。★
「「植皮の可能性」のためには妥当でしょうか?」「また、植皮してでも手術を先行するべきでしょうか。」
⇒私から見れば…
 「植皮が必要」とは到底思えません 上記★
「皮膚浸潤とはどの程度の状態を指すのでしょうか…。」
⇒皮膚が赤くなっているのか?です。
 見た目「赤くなっていない」のであれば、「それは、違います」
「その際の治療の手順について先生のお考えを聞かせていただきたいです。」
⇒「明らかな骨転移が広範囲であり、予後的に手術するのが無意味かもしれない」というケースでない限り、(質問者のケースには到底当て嵌まりません)手術先行で何ら問題ありません。
「6月(上旬)日からでもすぐに抗がん剤治療をはじめましょうかと言われています。」
⇒私には…
 術前抗がん剤をする「正当な理由がある」ようには到底思えません。(患者さん本人が「温存に拘らない」「手術先行を希望」するのに、強引に「術前化学療法を勧める」理由が全くありません)
 ★これは、あくまでも質問者のメール内容からの判断です。
  「腫瘍径4.5cm」「リンパ節に明らかな腫大無し」「皮膚に広範囲の発赤無(これが、現時点では確認できませんが)」で判断する分には、何ら「手術先行しない理由がない」ということです。