乳がんプラザ|乳がんの手術は江戸川病院・東京


[管理番号:2662]
性別:女性
年齢:36歳

4月上旬に手術を受けるのですが、温存か全摘で迷っています。

ご意見をいただければ幸いです。

【経緯】
12月(産後2カ月)に左胸にしこりを発見。

近所の病院で針生検を行い、乳がんと診断。

【組織診の結果】
HER2 1+
ER +
PGR -

核グレード 3
ki-67 60%

しこり 3cm
場所 左胸 B領域

採取されたのは、非浸潤癌だが、浸潤を疑う所見も見られるが、
確定は困難。

1つ目の病院では、
温存も可能だが全摘同時再建を勧める。

乳頭の温存もできない(しないほうがいい)。

・切除範囲が狭くはないの(6分の1くらい)で、温存だと整容性に問
題が出るかも。

・まだ若いので全摘してリスクをなくしたほうが安心。

・乳頭残すことで取り残しのリスクがある。

その後、乳頭の温存が可能かセカンドオピニオンで
2つ目の病院を受診。

この際に再度MRIを受ける。

ここでの方針は以下のようでした。

・全摘の場合でも乳頭温存は可能
・整容性の観点から、温存の方がいいかも。

小さい胸なので、シリコンの境目が目立ってしまうかもしれない。

術側が大きくなってしまう可能性ある。

・温存の場合は、切除箇所に周辺の脂肪を寄せてくるので、
一回り小さくなるかも。

・温存の方が手術による体への負担は少ない

私の希望としては、自分の胸という点にはさほどこだわりがなく、
それよりは、見た目が自然な方がいいと思っています。

なので、温存で変形するよりは全摘でシリコンで再建して
その上、再発のリスクが減らせるならと、全摘再建で考えていました。

なので2つ目の病院(ここで4月に手術を受けます)で温存でも可能と言われ、大変迷っています。

主治医の説明では、生存率は全摘でも温存でもそんなには変わらないので、整容性の面でどちらにするか選択していいとのことでした。

形成外科の診察では、1番小さいサイズのシリコンなら左右バランスはないとのことでした。

ただ、今後健側がホルモン剤などで小さくなると左右差がでるかもとのことです。

この状況をふまえてお聞きしたいのがこちらです。

1.整容性の観点からは温存と全摘再建のどちらがいいか?
 とても小さい胸の内側下側6分の1を切除しても、変形はしないのでしょうか?
 大きさが小さくなる程度でしたら、許容範囲内です。

 乳頭の向きが変わったり、胸全体が歪んだりする状況を避けたいと思っています。

2.再発した場合、全摘することになると思いますが、
その際、放射線後の皮膚で再建は上手くできるのでしょうか?

3.左胸の放射線照射は、心臓に影響はないのでしょうか?

4.整容性と再発リスクを総合的に見て、先生としてはどちらがお勧めでしょうか。

まだ子供が小さいので、一緒にお風呂に入る機会もあるので、
なるべくなら胸を自然に残したいという思いと、
再発リスクを減らした方がいいのかで大変迷っております。

ご意見をお伺いできればと思います。

よろしくお願いいたします。

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

「1.整容性の観点からは温存と全摘再建のどちらがいいか?
 とても小さい胸の内側下側6分の1を切除しても、変形はしないのでしょうか?」
⇒乳頭からの距離も関係しますが…

 温存でも大丈夫そうです。
 

「2.再発した場合、全摘することになると思いますが、
その際、放射線後の皮膚で再建は上手くできるのでしょうか?」
⇒再建には不利になりますが、できないことはありません。
 

「3.左胸の放射線照射は、心臓に影響はないのでしょうか?」
⇒十分な「許容範囲」です。
 

「4.整容性と再発リスクを総合的に見て、先生としてはどちらがお勧めでしょうか。」
⇒「画像も診察もなしでの整容性の判断」は困難ですが…

 温存できそうなら「温存でもいい」と思います。
 

 
 

 

質問者様から 【質問2】

先日は、とても早くにご回答いただきありがとうございました。

温存か全摘+再建か迷っていましたが、先生のご回答にもあったように、温存でいけるなら温存にしようかと気持ちは傾いています。

ただ、今まで整容性を主に気にしていましたが、今更ながら予後やその後の治療への影響が気になってきました。

特に「核グレード:3」という組織診の結果がが気になっています。

悪性度が高いと再発率も高い、予後も悪いというのを聞いたことがあります。

術式を決める上で、この核グレードは考慮しなくてよいのでしょうか?
例)悪性度が高いから、全摘を勧める

また、術式で今後の抗がん剤治療をするかどうかの判断が変わることはあるのでしょうか?
例)全摘したから抗がん剤はしないで済む

再度の質問で大変恐縮です。

上記2点をお伺いできればと思います。

よろしくお願いいたします。

 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。

乳癌治療には大原則があります。
局所療法(手術±放射線)と全身療法(内分泌療法や抗ガン剤)は全く独立したものである。

つまり、「手術をどうするか?」は「抗ガン剤をどうするか?」とは全く無関係なのです。
 

「特に「核グレード:3」という組織診の結果がが気になっています。」
⇒これは、しばしば経験することですが、「針生検でグレード3」が(手術後の)
「標本全体での評価ではグレード2」となったり、その逆があったり。

 針生検は「あくまでも、サンプリング」なのです。
 

「術式を決める上で、この核グレードは考慮しなくてよいのでしょうか?
例)悪性度が高いから、全摘を勧める」
⇒全くありません。

 術式の決定はあくまでも「拡がり診断」なのです。 
 

「また、術式で今後の抗がん剤治療をするかどうかの判断が変わることはあるのでしょうか?例)全摘したから抗がん剤はしないで済む」
⇒全くありません。

 冒頭でコメントした通りです。

 
 

 

質問者様から 【質問3】

先日はご丁寧に回答いただき、ありがとうございました。

無事に手術(温存)も終わり、病理結果が出たので改めてお伺いできればと思い質問させていただきます。

—————————————————–
【病理組織レポート 所見】
切除術:Bp+SNB+Ax 7.5×5.0×1.5cm,占拠部位:左lower-inner
(B)領域
腫瘍径:1.30×1.00×1.00cm,腫瘍径 in situ ca 含む:
2.30×4.20×1.20cm
組織分類:invasive ductal carcinoma, papillotubular
carcinoma
核異型スコア:3, 核分裂スコア:3(20/10HPF),核グレード3
ER: Allred PS0 IS0 TS0, PgR: Allred PS0 IS0 TS0
HER2:score 0, 強陽性:0%, 中等度陽性:0%, 弱陽性:0%
Ki-67:52.0%
波及度:g f, リンパ管侵襲:ly1, 静脈侵襲:v0
断端:皮膚側:-, 0.5mm in situ #10, 深部側:-,側方:-,乳頭
側:- in situ ca++, EIC+, 娘結節-, comedo+,石灰化+, リンパ
球浸潤+++
前治療:なし, 区分:初発
リンパ節転移:合計(2/18)
SNB(2/3), LevelⅠ(0/15)

pT1c pN1 M0 Stage ⅡA

胞巣状、乳頭状に浸潤するinvasive ductal carcinoma,
papillotubular carcinomaの所見です。

solid,papillary,comedo typeのin situ componentを伴っています。
リンパ球浸潤が著名です。

微小乳頭状癌巣周囲に空隙のあるinvasive micropapillary
carcinoma focus がみられます(#17,22;20%程度)
浸潤巣はぱらぱらとみられ腫瘍径の判定が難しいですが、スライス
F,G,Hあたりが主たる浸潤巣と判定し上記としました。

————————————————–

手術前の組織は非浸潤だったので、非浸潤癌の可能性もあると期待していたのと、
(浸潤箇所がある可能性は聞いていましたが)リンパ節転移は画像でも針生検でもないとの判断だったので、
手術直後にリンパ節転移があったと聞いたときには大変ショックでした。

さらに、手術前は「ホルモン受容体:陽性」でしたが、術後の結果は「陰性」とのことでした。

主治医に聞くと、「こういうことはたまにある。
術前は針で採取した一部なので、手術後の結果の方が信頼性がある」 とのことでした。

術前の検査は転院前の前院で行った検査だからなのか、あまり気にしていない様子でした。

・術前と術後で陽性→陰性へと結果が変わることはあり得るのでしょうか?

・サブタイプも「トリプルネガティブ」となってしまいましたが、これはどのように捉えればいいのでしょうか?
治療の手段(ホルモン療法)が減ってしまったのと、一般的に「トリプルネガティブ」は予後が悪いというイメージがあり、マイナス面しか浮かびません。

この後は化学療法でAC療法を4回+タキサン系を12回行う予定です。

タキサン系は3週に1回のものもあるが、毎週投与する薬の方が効果が高いとのことでした。

・この治療方法はどう思われますか?
・また、万が一ですが仮にホルモン受容体が「陽性」だった場合、
この場合でも抗がん剤が必要だったと思いますが、
その場合、薬剤は変わるのでしょうか?もし術前化学療法を行ってた場合は、
術前の病理結果を元にしていたと思うので気になりました。

抗がん剤の必要性を説明するためだと思いますが、
リンパ節転移、リンパ管侵襲、核グレード、Ki-67などから「再発のリスクが高い」というのを何度も言われました。

・実際に私の状況では再発するリスクはどのくらいなのでしょうか?
・抗がん剤によよってどの程度抑えることができるのでしょうか?

・ステージⅡAの生存率はどのくらいなのでしょうか?

・invasive micropapillary carcinoma focus とは何のことでしょうか?

気になることがたくさんあり、たくさんの質問をしてしまいました。

お忙しいところ大変恐縮ですが、ご意見いただけると大変ありがたいです。

よろしくお願いいたします。

 

田澤先生から 【回答3】

こんにちは。田澤です。

pT1c(13mm), pN1, tripple negative

「・術前と術後で陽性→陰性へと結果が変わることはあり得るのでしょうか?」
⇒「術前は非浸潤癌部分のサブタイプ」ですから「術後(こちらは浸潤癌)とは全く別」です。
 

「・サブタイプも「トリプルネガティブ」となってしまいましたが、これはどのように捉えればいいのでしょうか?」
⇒ホルモン療法やハーセプチンなどのようなターゲットがないということです。

 結果として、術後療法として「抗がん剤が必要」となります。
 

「この後は化学療法でAC療法を 4回+タキサン系を12回行う予定です。タキサン系は3週に1回のものもあるが、毎週投与する薬の方が効果が高い」
「・この治療方法はどう思われますか?」
⇒極めて妥当です。

 トリプルネガティブに対する化学療法のgolden standardは「アンスラサイクリン+タキサン」です。
 しかも(3週毎)「ドセタキセル」<(毎週)「パクリタキセル」なのです。
 

「万が一ですが仮にホルモン受容体が「陽性」だった場合、この場合でも抗がん剤が必要だったと思いますが、その場合、薬剤は変わるのでしょう」
⇒luminal typeでの抗がん剤は「TCが一般的」となります。
 

「・実際に私の状況では再発するリスクはどのくらいなのでしょうか?
⇒無治療で42%
 抗がん剤をすると24%となります。
 

「・抗がん剤によよってどの程度抑えることができるのでしょうか?」
⇒18%です。
 

「・ステージⅡAの生存率はどのくらいなのでしょうか?」
⇒質問者は抗がん剤を用いると10年生存率は80%となります。
 

「・invasive micropapillary carcinoma focus とは何のことでしょうか?」
⇒乳頭腺管癌の中に「微小乳頭状癌の性質を示す部分が混じっている」ということです。

 
 

 

質問者様から 【質問4】

以前[2662番]でご相談させていただきました。

再度、放射線治療についてご質問させてください。

4月に左胸温手術
5月~10月 抗がん剤治療(AC+ウィークリーパクリタキセル)

【病理組織レポート 所見】
切除術:Bp+SNB+Ax 7.5×5.0×1.5cm,占拠部位:左lower-inner
(B)領域
腫瘍径:1.30×1.00×1.00cm,腫瘍径 in situ ca 含む:
2.30×4.20×1.20cm
組織分類:invasive ductal carcinoma, papillotubular carcinoma
核異型スコア:3, 核分裂スコア:3(20/10HPF),核グレード3
ER: Allred PS0 IS0 TS0, PgR: Allred PS0 IS0 TS0 HER2:score 0, 強陽性:0%, 中
等度陽性:0%, 弱陽性:0%
Ki-67:52.0%
波及度:g f, リンパ管侵襲:ly1, 静脈侵襲:v0
断端:皮膚側:-, 0.5mm in situ #10, 深部側:-,側方:-,乳頭
側:-
in situ ca++, EIC+, 娘結節-, comedo+,石灰化+, リンパ球浸
潤+++
前治療:なし, 区分:初発
リンパ節転移:合計(2/18)
SNB(2/3), LevelⅠ(0/15)

pT1c pN1 M0 Stage ⅡA

11月から放射線治療を予定しています。

25回+追加照射5回の予定です。

今、迷っているのは照射範囲、鎖骨にあてるかについてです。

担当医によると、私の場合リンパ節転移が2個なので、
鎖骨は当てなくても大丈夫でしょうと。

当てても、元々鎖骨からの再発リスクが低いので、得られる効果も少ないと。

それに、照射による腕のむくみが出る可能性があると。

ただ、年齢が若いのとトリネガなので、放射線で治療が終わりなので
やれることをすべてやっておきたいということであれば、当ててもいいと。

担当医の説明を聞いて、元々リスクが低いのと、
最近術側の腕が、むくみではないのですが少し筋が痛くて、
それも気になり鎖骨は当てなくてもよいかなと思っています。

ただ何となく自自信がなくて、先生のご意見もお聞きできればと思います。

お忙しいところ恐縮ですがよろしくお願いいたします。

 

田澤先生から 【回答4】

こんにちは。田澤です。

まず質問者には大きな勘違いがあります。

術後の放射線照射領域は「鎖骨ではなく、鎖骨上(リンパ節領域)」です。

「今、迷っているのは照射範囲、鎖骨にあてるかについてです。担当医によると、私の場合リンパ節転移が2個なので、鎖骨は当てなくても大丈夫でしょうと。」
⇒不要です。

 リンパ節転移4個以上の場合には推奨度Bとなりますが、1~3個では「推奨度C1]となります。
 乳房照射だけでいいのです。





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