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細菌性の乳腺炎で、痛みは引きましたがしこりだけが残りました。

[管理番号:5948]
性別:女性
年齢:26歳
12/(下旬) 胸に押すと痛む程度の痛みを感じる。
12/(下旬) 乳首の下部分にパチンコ玉程度のしこりを認識する。
可動性はなく、硬め。
左胸のみに発生。
このころには胸を揺らすだけで痛みを感じていたので、乳腺外科を受診。
エコーをしていただき細菌性の炎症だということで抗生物質を処方していただく。
抗生物質を服用して3日目あたりで痛みは完全に引きました。
しかし、気になっていることがありますので質問させてください。
(1) すでに3週間が経とうとしているのですが、しこりが小さくなりません。
通常どのくらいで縮小しだすのでしょうか?
(2) 出産経験がなく、陥没乳頭でもありません。
傷も一切なく、乳首を不衛生にしたこともありません。
それでも乳腺炎になることはあるのでしょうか?
(3) そもそも乳腺炎のしこりなのに硬く動かない特徴があるものなのでしょうか?
(4) 他の病気の可能性があったとしたら、どのようなものが考えられますか?
長々と申し訳ありません。
とても心配しています。
宜しくお願い致します。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
乳腺は無菌的環境にあります。
「陥没乳頭に伴う乳輪下乳腺炎(膿瘍)」もしくは(授乳期の)「鬱滞性乳腺炎」以外に、乳腺炎は起こらない事を(乳腺外科医は)知っておかなくてはなりません。
上記どちらでもないのに「細菌性乳腺炎」などと診断するのは「完全な誤り」であり、「肉芽腫性乳腺炎」を勉強してもらうしかありません。
「(1) すでに3週間が経とうとしているのですが、しこりが小さくなりません。通常どのくらいで縮小しだすのでしょうか?」
⇒そもそも診断が誤りです。
「(2) 出産経験がなく、陥没乳頭でもありません。傷も一切なく、乳首を不衛生にしたこともありません。それでも乳腺炎になることはあるのでしょうか?」
⇒質問者は大変正しい判断をしています。
 その通り、「細菌性の乳腺炎」になる筈が無い(そもそも、乳腺にそんな病名はありません)のです。
 「しこりを形成」する原因不明の乳腺炎は、「肉芽腫性乳腺炎」を考えるべきです。
「(3) そもそも乳腺炎のしこりなのに硬く動かない特徴があるものなのでしょうか?」
⇒肉芽腫性乳腺炎は「しこりを形成」するので(肉芽腫性乳腺炎を知らない)乳腺外科医からは「これは癌だ!」と誤診されやすいのです。(今週のコラムで何度も記載したように)
「4) 他の病気の可能性があったとしたら、どのようなものが考えられますか?」
⇒肉芽腫性乳腺炎のようです。(診察していないから、確定診断というわけにはいきませんが、状況的に)