乳がん手術は江戸川病院・東京


[管理番号:5471]
性別:女性
年齢:68歳

田澤先生
このコーナーで乳がんについて学ぶことができ本当に助かっています。

有難う存じます。
今までと同様な質問とも重なります。
ご多忙の所恐縮ですが宜しくお願い致します。

既往歴:
24年前に乳管内非浸潤がんで左乳房全摘。
投薬なし。

今回:
昨年暮れ位から右乳頭に痛みがあり、またごつごつと硬いかんじがあったため
今年2月に前回と同じ大学病院で受診。
触診、マンモ、エコーの結果問題なしと診断される。

一年後にまた来るようにと。

その後状態が変わらないため7月末に再度受診の結果 エコーでは2月と変化なし。
乳頭なので針生検はできず、皮膚科にて乳頭の細胞切除をして検査。

術前細胞組織検査の結果:
浸潤性小葉がん
ER(+)70%以上
PR(+)70%以上
HER-2 (1+)
KI-67 20-50%
8月末のペットctの結果他に転移なし、
再度のマンモで少し石灰化がみられるとのこと。

最初に正しい診断をされなかった不信からこの時点で転院を決め、新たな病院で10月(下旬)日に手術の予定です。
主治医より、術後治療は ホルモン療法+-化学療法とのことです。

リンパ節への転移の有無で判断されるということだと思います。

また私としてはKI値が高めで気になりますが、化学療法は恐怖が先立ちます。

勧められた場合はオンコタイプDXなどをした方がいいのでしょうか。

乳頭の異常に気が付いてから既に10か月、診断から手術日まで3か月もかかることになります。
時々痛みもありがんが悪化しないかと不安です。
これ位はスタンダードなのでしょうか?
例えば、多発するという小葉がんなのでリンパ節にとんでしまうなどということはないのでしょうか?40日後の手術日までがひどく長く感じられ不安な日々です。

どうぞ宜しくお願いいたします。

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

物事はシンプルに考えましょう。
診療の流れを見ている限り、「乳頭部にしか病変がない=だから癌で無いと診断された」経緯があります。
これは乳腺外科医としはあるまじき失態であることは確かですが、「裏を返せば」それだけ「しょぼい癌」ということなのです。(表現が適切なのか解りませんが…)

また小葉癌は乳腺内に多発し易いですが、それは「あくまでも乳腺内」の話であり、乳腺を全切除すれば何ら不安に成る必要はありません。
(その乳腺外科医が異常無としたくらいなのだから)リンパ節転移はないでしょうが、(もしあったとしても)「全身療法とは無関係」です。全身療法は(ステージではなく)あくまでも「サブタイプで決まる」のです。

「リンパ節への転移の有無で判断されるということだと思います。」
⇒それは化学療法とは無関係です。
 あくまでもサブタイプで決めましょう。

「勧められた場合はオンコタイプDXなどをした方がいいのでしょうか。」
⇒その通りです。

「これ位はスタンダードなのでしょうか?」
⇒問題ありません。

「例えば、多発するという小葉がんなのでリンパ節にとんでしまうなどということはないのでしょうか?」
⇒ありません。
 あくまでも「乳腺内」の話です。

「40日後の手術日までがひどく長く感じられ不安な日々です。」
⇒事実だけを見据えて、心穏やかに過ごしましょう。

 
 

 

質問者様から 【質問2】

両側乳がん
性別:女性
年齢:68歳

 田澤先生
少し長くなりますが宜しくお願いいたします。

初回の、先生からのご回答のお陰で手術までの時間を比較的心穏やかに過ごすことができました。
また術後、診断が出るまでの間もこのコーナーを愛読し気持ちを落ち着かせることができました。
本当に有難うごじました。

手術は10月後半に右乳房全摘並びに、センチネルパネル生検の結果、リンパ節転移陽性で2個廓清しました。

前回、術前診断では田澤先生にも「しょぼいがんでは?」と言われ、実際主治医にもそのような診断をされましたが、先日の術後の病理組織診断ではかなり異なる結果がでてしまい大変うろたえております。
長いキャリアのある主治医ご自身が手術の翌日、結果は予想外でショックだったともいわれました。
それを聞いた私はもっと絶望的な気持ちなりましたが・・・。

私のがんは、小葉がんと乳頭腺管がんが混在したものでステージはⅡbということでした。

戴いた診断書は以下の通りです。

右乳房全摘検体
検体の大きさ:17.0×13.5×3.5cm
肉眼的な腫瘍の大きさ:1.1×1.0×1.1cm
浸潤がんの大きさ(下記参照)pT分類:pT2
乳管内病変を含めた大きさ3.0×1.8×0.8cm
腫瘍の割面:localized 娘結節の有無:(-)
境界明瞭な腫瘍が乳頭直下にみられる。
乳頭部は周囲乳腺に比べ乳白色を呈し全体に硬い。

組織学的所見:乳頭部乳腺組織から真皮にかけて索状、個細胞性の増殖を示すinvasive lobular carcinoma(小葉がん)、その深部には管状の増殖を示すpapillotubular carcinoma(乳頭腺管がん)が認められる。

両者の浸潤成分は近接し、また、両者の間にある乳管内には両成分が混在する部分があり、連続性が窺われる。

WHO分類上はMixed invasive NST and lobular carcinomaに
分類される。
本邦の乳腺病理においては、本例のように両成分が明瞭に
区別でき、移行像が明らかではない場合は「いわゆる衝突がん」と考えて,ducutal carcinoma
に分類するようです。
それぞれの浸潤成分は2.2×1.9×0.8(lobular
成分)、および1.1×1.0(docutal成分)であり、病変全体としては
3.0×1.8×0.8となる。
リンパ管侵襲は胞巣状のものが散見される。
静脈侵襲は真皮内でみられる。

背景の乳腺組織は委縮調である。

乳腺外脂肪浸潤;f(+) 皮膚浸潤;s(+)筋肉(大胸筋)浸潤:
p(-)
乳管内病変の程度;(+)乳管内病変comedo necrosisの有無(+)
リンパの侵襲;ly1 静脈侵襲:v1
Invasive lobular carcinoma成分(小葉がん)
核異型スコア(2) 核分裂スコア(1)
HER2 score(1+)
ER score:(8)=proportion score(5) +intensity score
(3)
PgR score:(8)=proportion score(5)+intensive score(3)
Ki-67 index:多い所で10%程度
Papillotubular carcinoma 成分(乳頭腺管がん)
核異型スコア:(3) 核分裂スコア(1)
HER2 score(2+)FISHを追加いたします。

ERscore:(8)=proportion score(3)+intensive score(3) PgR score(6)=
proportion score(3)+intensive score(3)
Ki-67 index :多い所で10-20%程度
側方断端:露出していない、断端から5ミリ以上
深部断端:露出していない、断端から5ミリ以上
皮膚側断端:露出していない、断端から5ミリ以内(皮膚の断端から5ミ
リ以内)
リンパ節転移:(+)、total(3/15)
センチネルリンパ節(2/2、={p17-6737})、「リンパ節level 1」
(1/13)
主治医より提案された今後の方針は
TC療法3か月後にアロマターゼ阻害薬並びに(再建中のため)エキスパンダー入れ替え後に胸壁照射です。

同時にOncotype DXを申し込んだものの、Ki値の比較的低いルミナールタイプとはいえ、早期がんとはいえないステージ2bという思いがけない結果で動揺しており(このコラムを日々読ませて頂きタイプとステージは関係ないとは承知しているつもりながら) 主治医に当たり前のように化学療法を勧められたりするとオンコタイプは無駄なのかと不安が募ります。
(結果が分かるのは一カ月後ですので)
また、以前このQandA欄で「リンパ郭清を行った場合には放射線照射は必要ない」とあったと思いますが、私の勘違いでしょうか?胸壁照射は妥当と考えて良いのでしょうか?
腋下に放射線照射をした場合にはリンパ浮腫が気になりますが、胸壁照射の場合も浮腫の可能性はあるのでしょうか?
最後にもう一つ伺いたいことがございます。
つい数日前に気が付いたのですが、手術をした右腕上腕部の内側、ひじから5センチ程の所にしこりがあります。
腕の上方から押し下げていくとぷっくりとふくれます。

径は5ミリから1センチほどです。
もしかしたら腕のリンパ節にまで転移したのかと恐ろしくなりました。
予想外の展開に何でも疑いをもってしまい不安です。

田澤先生、何度も皆さまと重複するような質問で大変恐縮ございますが宜しくお願い致します。

 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。

主治医の個人的な感想など、気にせず「事実のみ」をみることが重要です。

大人しい小葉癌だから、OncotypeDXはlow riskとなる可能性が高そうです。
きちんと、その結果に応じた(つまり化学療法はしない)治療をしてもらいましょう。

「胸壁照射は妥当と考えて良いのでしょうか?」
⇒リンパ節転移4個以上ではないので不要と思います。

「胸壁照射の場合も浮腫の可能性はあるのでしょうか?」
⇒関係ないと思います。

「手術をした右腕上腕部の内側、ひじから5センチ程の所にしこり」
「径は5ミリから1センチほど」

⇒(腋窩郭清に伴い生じた)血管炎に伴う「反応性リンパ節」です。

「もしかしたら腕のリンパ節にまで転移したのか」
⇒そんな部位のリンパ節転移は1000%ありません。
 ご安心を。

 
 

 

質問者様から 【質問3】

両側乳がん
性別:女性
年齢:68歳

田澤先生
先日はお忙しい中早速お返事を頂き有難うございました。

お陰様で当時は本当に気持ちが楽になったのですが、オンコタイプの結果を待つうちに まただんだんと別の不安が頭をもたげてきています。

私のがんは結果的に、小葉がんと乳頭腺管がんの二つが合体したものでした。
結果をよく見ると、そのうち乳頭腺管がんの方のHER2スコアが+2でFISH追加になっています。
その検査結果が出された日付けは手術の10日後で、主治医から検査結果を聞いたのは更にその2週間後だったのですが、その時FISHの結果については特に何もいわれずハーセプチンではなくTC療法のみを勧められました。
ということはHER2が-だったかとは思うのですが、もしHER2+の場合はルミナールAタイプではなくなってしまうのでオンコタイプ検査は全くで無意味になりますね。
オンコタイプは全てを含んだ遺伝子検査ということですが、一般にHER2+ならばハイリスクになる可能性が高くなるのでしょうか?
後2週間足らずでオンコタイプの結果が全て判明することとは思いつつ、不安が募り迷った末に質問させて頂きました。

もう一つオンコタイプの結果を見る時の注意点を伺いたいと思います。

中間リスクなら化学療法不要とのことですが、低リスク、中間リスク、高リスクの数字の間隔がよくわかりません。

他に、診断結果を見る時に何を重点としてリスクを判断すべきなのかお教え頂ければと思います。
先生のコラムや回答の不勉強で申し訳なく思いますが、宜しくお願い申し上げます。

もう一つ放射線照射について伺いたいと思います。

田澤先生はリンパ節3個以下では照射の必要はないとのご回答でしたが、(私の主治医が勧めたように)一般的には照射を勧める医者が多いということでしょうか?リンパ節転移3個と4個はレベルが1,2と違うものの数字的には一個の違いですのでそこに如何ほどの差があるのかと思います。
念のため抗がん剤を免れれば照射は受けようかとも考えています。
(実際には再建をしておりますので照射はシリコンに入れ替えた後、数か月後になるそうです。)
田澤先生はやはり止めるべきというお考えでしょうか?
その場合その理由を伺えたらと思います。
それとも、勧めないけどそれで安心するなら
やってもいいのでは?とお考えでしょうか。

何度も申し訳ございませんが宜しくお願いいたします。

 

田澤先生から 【回答3】

こんにちは。田澤です。

「ハーセプチンではなくTC療法のみを勧められました。ということはHER2が-だったかとは思う」
⇒そのようです。
 (HER2 2+で)FISHを行うと「75%は陰性」なのです。

「一般にHER2+ならばハイリスクになる可能性が高くなるのでしょうか?」
⇒この場合の「HER2+」という記載は「HER2 2+」のことですか?
 無関係です。

「一般的には照射を勧める医者が多いということでしょうか?」
⇒乳癌診療ガイドラインでは
 4個以上:推奨度A
 1個以上:推奨度B

「数字的には一個の違いですのでそこに如何ほどの差があるのか」
⇒それを行ってしまえば…

 「あらゆる分類が成り立たない」ことになります。(冷静になりましょう)

「田澤先生はやはり止めるべきというお考えでしょうか?」
⇒前回の回答に変更はありません。





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