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オラパリブ治験(BRCA1/2変異陽性)について

[管理番号:6449]
性別:女性
年齢:44歳
 
田澤先生
術前化学療法、手術、術後化学療法とたいへんお世話になりました。
 
現在、放射線治療が中盤に入ったところです。
毎日、洞窟(鍾乳洞?)を通り抜け、順調に通院しております。
Q&Aで様々な質問(他院の様子)を拝読しておりますと、私がトラブルなく治療を終えることができたのは、確定診断直後から田澤先生に担当していただけたからなのだと、感謝の気持ちでいっぱいです。
 
(確定診断が出た翌日に、水曜予約外外来に紹介状を握りしめて伺いましたが、秘書室メールを経由しなかったことを少々後悔しました・笑)
質問ですが、
オラパリブ治験(BRCA1/2変異陽性)について、私はエントリー対象者になりますでしょうか。
術後補助療法のOlympiAです。
 
遺伝子検査はしておりませんが、検査についても治験の範囲内で行うとの情報を得ました。
遺伝子検査を受けることによるメリット・デメリットについては承知しております。
http://www.clinicaltrials.jp/user/cteDetail.jsp?clinicalTrialId=11594
「治験」の主旨と田澤先生の方針は理解している前提で、質問(ご相談)させていただきました。
どうぞよろしくお願いいたします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
 
TN(triple negative)に対する治療として期待されたオラパリブですが、(そこでは有意差を示せず)BRCA遺伝子変異に絞って行ったOlympiADで「HER2陰性でBRCA変異のある、既アンスラ+タキサンの転移再発乳癌患者さんで有効となりました。
そこで「術後補助療法に適応拡大」を目指して行っているのが、OlympiA試験となります。

「オラパリブ治験(BRCA1/2変異陽性)について、私はエントリー対象者になりますでしょうか。」

⇒なります。(TNで適切な手術及びアンスラタキサン治療が終了している方が対象となります。もちろんBRCA遺伝子変異があった場合ですが)
 
 

 

質問者様から 【質問2 オラパリブ治験(BRCA1/2変異陽性)について】

性別:女性
年齢:44
ID:○○  ○○
――――――――――――――――――――――――
田澤先生
 
連投になりますことご容赦ください。
オラパリブ治験(OlympiA)について、ご回答いただきましてありがとうございました。
実際にエントリーすることは可能なのでしょうか。
 
またその場合、どのような手続きが必要になりますでしょうか。
お忙しい中恐れ入りますが、ご教示いただけますと幸いです。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
 
「実際にエントリーすることは可能なのでしょうか。またその場合、どのような手続きが必要になりますでしょうか。」
⇒主導しているメーカーである「アストラゼネカ」担当者に確認中です。
 標準治療の終了(抗癌剤もしくは放射線)後、3カ月以内がエントリーの条件であるので、(照射中の)質問者にはまだ余裕があります。
 しばしお待ちください。

 
 


 

質問者様から 【結果3 安心いたしました。】

性別:女性
年齢:44歳
病名:乳がん
田澤先生の診察:[診察あり]
田澤先生の手術:[手術あり]

C型肝炎経過観察のエコーで精密検査とされた肝臓の結節について、先月、田澤先生に診察していただきました。

MRIには怪しいものは何も写っていないとのことで、心より安堵いたしました。

術後7ヶ月で再発することはかなり稀なこととは思いながらも、やはりガンですから可能性はゼロではないとも思い、正直胃を痛めておりました。

田澤先生が大丈夫とおっしゃるなら絶対に大丈夫、と信頼できることは本当にありがたいことです。

これからも末永くよろしくお願いいたします。

<Q&A結果>

 
 

 

質問者様から 【質問4 セカンドオピニオン】

性別:女性
年齢:44歳
病名:乳がん
症状:

田澤先生
お世話になっております、
○○(ID○)と申します。

cT2(30mm), cN3, cStageⅢC TNBC
ypT2(35mm), ypN1, ypStageⅡB TNBC

2018年6月で標準治療が終了し経過観察に入ったのですが、自分の予後についてモヤモヤしています。
悪いことであっても知らない方がいいというよりは、知っておきたいという性格です。
(ショックで泣くタイプではありません)

田澤先生には『そう簡単には再発しない』とのコメントをいただいており、局所は完璧に制御していただいたと安心しております。

ただ、雑多な希少がんの集団とも称されるサブタイプで、自分で調べた統計ソフトの結果に意義を見出せず、病理検査結果から予測される分子サブタイプの予後の傾向を知りたいと思っています。
(遺伝子解析ができるわけではないので、限界があるのは承知です。)

そこで、TNの研究をしている〇〇大学病院(○○先生か○○先生)にお話しをうかがいたいと考えています 。

既に標準治療が完了しておりますし、OlympiAの治験も受けられるわけではないのですが、上述の事由で情報提供していただくことは可能でしょうか。

たらればを言っても仕方ないのですが、せめて早期で発見できていたら…
(QAで早期の文字が踊っているのは初発乳がんの80%は早期だから)
(検診施設にデンスブレストを教えて欲しかった・自分が罹患する前は『乳がんは顔つき良くのんびり』というホルモン陽性の情報しか知らなかった・しこりを自覚する8ヶ月前の検診機会を逃さなかったら・しこりがベッタリ貼りつくような形ではなく見つけやすい球状だったら!)
…様々な副作用や後遺症に悩まされることもなく、またこんなにモヤモヤすることはなかったと思います。
早く日にち薬が効いてほしいです。

面倒くさい患者で申し訳ございませんが、どうぞよろしくお願い致します。

 

田澤先生から 【回答4】

こんにちは。田澤です。

内容は了解しました。
「意味があることなのか?」よく考えてのことでしょうから、勿論構いません。
「セカンドオピニオンの紹介状」というのであれば、ご自分で○○大学に「セカンドオピニオン」予約されているのですね?

紹介状は当院外来に電話いただければ、受け取れるようにしておきます。

 
 

 

質問者様から 【質問5 セカンドオピニオン】

性別:女性
年齢:45歳
病名:乳がん
症状:

田澤先生

度々お世話になっております。

○○と申します。

セカンドオピニオンの紹介状について、ご了承いただきましてありがとうございました。

>「意味があることなのか?」

田澤先生お察しのとおり、実臨床的な意味合いは全くありませんよね。

TNBC個別化治療のヴェン図を初めて見た時には、その複雑怪奇さに一瞬クラクラしました(笑)
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4536987/
しかし、私個人にとってのメンタル面においては意味のあることと考えまして、復職を前に気持ちの整理がつくのではと、思い切ってご相談させていただきました。
(精神腫瘍科受診より効果あり?)
基本的には根治したのだと思いたいのですが、世界中で着実に研究が進んでいると知れば、もしもの事があったとしても希望が持てます。

>ご自分で○○大学に「セカンドオピニオン」予約されているのですね?

電話で問い合わせたところ、先に紹介状を準備したうえで予約してくださいとのことでした。

また、勤務先に提出する書類の都合で、診察にお伺いするかと思います。
(毎月最低1回は受診が必要なのだそうです)できるだけお時間をいただかないよう努力いたします。

ご面倒をおかけしますが、どうぞ宜しくお願い致します。

1つだけ質問です、
手指、膝、足首関節のこわばり・関節痛は、抗がん剤の卵巣機能低下からくるエストロゲン欠乏症状と考えられますでしょうか。

TNであってもHRTは禁忌なのですよね?(E2 5.0未満 LH28.06、FSH72.02)

最後に余談ですが、(前述のTNBC個別化治療に関連します)
先日のノーベル賞受賞でトピックとなった免疫チェックポイント阻害薬ですが、乳がん(TNBCの一部)ですと、ペムプロリズマブ(キイトルーダ)・アテゾリズマブ(テセントリク)は、臨床試験(P3)が行われているかと思います。
アテゾリズマブは初発時にも使用することを想定しているのですよね。
諸々課題はあるのでしょうが、NGSでのTNBC個別化、(オラパリブは再発に承認されましたが)治療の選択肢が増えること(その意味ではNIR-PIT等、新薬だけではありませんが)を切に願っております。

 

田澤先生から 【回答5】

こんにちは。田澤です。

「1つだけ質問です、手指、膝、足首関節のこわばり・関節痛は、抗がん剤の卵巣機能低下からくるエストロゲン欠乏症状と考えられますでしょうか。」
→勿論!!
 それ以外にそんな症状が無いことは(質問者は、おそらく読んだことがあるとは思いますが…)『今週のコラム 111回目 大事なことは、これら①~④の病気など世の中には無いのです。それは(我々医師には)自明なことなのです。』にコメントした通りです。
 そんな病気はありません。

★本庶さんが、ノーベル賞をとったことで免疫療法が注目されている。
 我々、「まともな」医師からすると、注目されることで(今後の)「本当に、効果のある薬剤の開発に繋がればいいな」という一方で、(患者さんが)「現状効きもしない免疫療法に逃げてしまう」ことを危惧しています。

 薬剤に限りませんが…
 (基礎の世界で、理論上有望だとしても)実際に実用化されるまでの道は遠いのです。
 ただし、(まだ遠いとはいえ)「道のりの入り口を開いた」ことには敬意を表します。