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乳頭分泌液と病院の対応について

[管理番号:5501]
性別:女性
年齢:38歳
はじめまして。
乳頭分泌液と病院の対応について質問宜しくお願いします。
三年程前に町の乳ガン検診(エコーのみ)で、左胸の再検査の指示を受け、大きな検診センターに行き、針生検(バネ)を受け、その時は悪性ではないという結果で、以後は大きな病院(K病院)で毎年経過観察(エコー、マンモ)を受けていました。
昨年の夏に検査を受けた1週間後に、突然、右乳頭を絞ると、黒っぽい分泌液がでてきたので、驚いて、K病院に電話をしたら、先週検査をしたばかりで異常はないのだから、一年後の検診で良いと言われ、不安ながらも、今年まで様子をみてきました。
(今現在も、自分でも、医師でも、触ってわかるシコリはありません)
症状はかわらず、右乳頭からだけ黒い分泌液が絞るとでます。
(何もしなければ出なく、ギュっと絞るとでます)
出てくる穴はいつも同じです。
今年の夏にまたK病院でエコー、マンモを受け、やはり、問題なしと言われました。
分泌液の事を再度たずねても、それは心配ないとしか言われませんでした。
ただ、
『あなたの胸はこれをみてわかるように、マンモをとっても真っ白で、マンモをとる意味があまりない。だから、次回からはエコーだけで良いです。』
とだけ言われました。
分泌液が出続けていると伝えてるのに、それについて全く触れようとしない事に、とっても不安で、その後他のT病院で診察を受けてみました。
本当はいけないのかもしれませんが、セカンドオピニオンで受診すると、K病院でのデータを元に話をされてしまうのが怖くて(信じられなくて)、一から検査を受けたくて、T病院には、一年前からでる分泌液の事だけ伝え、今迄検査を受けた事がないと言って受診しました。
同じように、マンモ、エコーの検査をしましたが、T病院では、分泌液を採取して検査、さらに、二箇所気になる箇所がある(分泌液の原因かもしれない)からと、エコーをあてながら、針生検(バネ)を右乳頭内側とそのすぐ下の二箇所しました。
今は、まだその検査結果待ちなのですが、ネットで調べていたらこちらのサイトにたどり着き、私の様な症状の場合、乳管造影という検査をした方が良い?と知りました。
どちらの病院でも、乳管造影という検査はしてもらえてないのですが、やはり必要な検査ですか?
針生検で痛いおもいを何度もして、、、不安な日々を何年もすごすなら早く、このサイトにたどり着いてればと後悔しています。
田澤先生の病院に受診したほうがよいのかなと考えてます。
どうぞ宜しくお願いします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
メール内容からみると「1年以上継続する単孔性?の血性分泌」のようです。
当然、きちんと診断すべきです。
最近、このQandAを回答していると「乳頭分泌がやたらと多い」ことに気づいています。(何故でしょう?)
ただ、その診療については全く満足できるレベルではない(これでもかなり「抑えた」いい方です)ので、それらの診療については触れないことにしました。(馬鹿馬鹿しいので)
「どちらの病院でも、乳管造影という検査はしてもらえてないのですが、やはり必要な検査ですか?」
⇒冒頭で示した通りです。
 『今週のコラム 96回目 (乳管内腫瘍が疑われる以上)乳管腺様区域切除をして診断的治療注」を行いましょう』もご一読ください(すでにしてますか?)
 更に『今週のコラム 88回目 「分泌は継続期間こそ重要」それが鍵なのです。
を読んでください。
 2017から(2016までとは異なり、分泌継続3カ月以上を対象としたことで)癌の比率が飛躍的に延びました。
 上半期20例中10例と示していますが、最新情報(7月までの7カ月では 34症例中17症例:50%が癌、 特に血性では22症例中16症例:73%が癌)でも50%となっています。
「田澤先生の病院に受診したほうがよいのかなと考えてます。」
⇒希望する場合には
 市川外来(乳管造影)⇒これで手術(乳管腺葉区域切除術)適応となれば、江戸川外来で「術前検査」「説明同意書入院案内」となります。
江戸川病院
メディカルプラザ市川駅
 
 

 

質問者様から 【質問2】

乳頭分泌液と病院の対応について5501【再質問】
性別:女性
年齢:38歳
田澤先生、先日はご多忙の中、ご丁寧な説明をしていただきありがとうございました。
ご回答の中にあった、
『今週のコラム 96回目 (乳管内腫瘍が疑われる以上)乳管腺様区域切除をして診断的治療注」を行いましょう』もご一読ください(すでにしてますか?)
早速読ませていただきました。
これまで、2つの大病院で、エコー、マンモ、針生検しか受けたことがなく、分泌液については、何の説明も受けていませので、コラム内のような診断的治療は受けていません。
とくに、3年通った、海沿いの大病院のK病院では、
『乳管からはなにかしらでるもの。分泌液に古くなった血がまざり、黒く見えてるだけで、毎年、こうして、エコーでも検査して、異常ないし、別に気にすることはない。』
と言われて、乳管内腫瘍なんて言葉すらでてきませんでした。
本当に、この病院を選んだ私が無知でした。
後悔です。
直近に針生検をうけたT病院でどんな結果が出ようと、田澤先生の診察を受けに行こうと決めたので、ご回答いただいてすぐに、市川の方へ乳管造影の予約をさせていただきました。
そして、昨日、一応、先週針生検を受けたT病院での、検査結果を聞きに行ってきました。
乳頭裏とそのすぐ下の二つの疑わしい腫瘍?の病理組織診断(針生検)と細胞診(分泌液)によると、悪性の物ではないと説明を受けました。
ただ、一年以上継続して血性の分泌液がでているので、(先週の検査時も医師が絞ってみても簡単に血性分泌液がでたので)乳管内の腫瘍の疑いはあるので、さらにMRIの検査を受けるようにすすめられました。
乳管造影検査はしないのかと、聞いてみましたが、T病院ではその検査はしていないとのことで、造影剤を使ったMRI検査をすすめられました。
それで、乳管内に腫瘍が確認できれば、また針を刺させてもらうかもしれません、良性と判断されれば、経過観察、悪性なら摘出?手術になるだろう。
という説明を受けました。
先日頂いた、田澤先生からのアドバイスや、96回目のコラムを参考にすると、
乳管造影検査と造影剤を使ったMRI検査は違うものですよね?
MRI検査で乳管内腫瘍が見つかったとしても、乳管内腫瘍は針生検で良悪性の判断は出来ないのでは?
と、思ったのですが、この認識であっていますか?
乳管内腫瘍を疑うなら、何故先週の時点でMRI検査ではなかったのか?
針生検(バネ式)は必要だったのか?
そのあたりも、チョット疑問でした。
血性分泌が始まってから一年以上たっているので、今更かもしれませんが、市川での造影検査予約が取れたのは11月、一カ月先になっても大丈夫なのかな?と、不安ですが、、、
受診の際にはどうぞよろしくお願い致します。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
前回の回答にも記載しているように、「3カ月以上の単孔性分泌」は50%で乳癌の診断となっています。
これだけの確率があるのに、(殆どの病院で)「乳頭分泌の正しい診療や(正しい)乳管腺葉区域切除」が行われていないことに、改めて危機感を覚えます。
 ♯乳管造影もできない(したこともない)ような医師に乳管腺葉区域切除が「まともに」できるとは全く思いません。(乳管腺葉区域切除は乳管を染色することが鍵ですが、それは乳管造影の手技そのものなのです)
「乳管造影検査と造影剤を使ったMRI検査は違うものですよね?」
⇒全く(天と地ほども)異なります。
 乳管造影は「分泌する乳管の出口に針を直接指して造影剤を注入」してレントゲン撮影するものです。
  ♯造影MRIは「血管内に造影剤を注入」してMRI撮影するものなのです。
「MRI検査で乳管内腫瘍が見つかったとしても、乳管内腫瘍は針生検で良悪性の判断は出来ないのでは?と、思ったのですが、この認識であっていますか?」
⇒以下の2点です。
 1.エコーで見えるようなものでないと、正しくその位置を生検することはできない。
 2.(最も大事なことは)今週のコラム96回目でも記載したように、病変は(同一乳管に)複数存在することも寧ろ一般的です。(つまりエコーで見えたものが良性だからと言っても、その乳管全体を調べないと癌の否定にはならない)
「血性分泌が始まってから一年以上たっているので、今更かもしれませんが、市川での造影検査予約が取れたのは11月、一カ月先になっても大丈夫なのかな?と、不安」
⇒問題なのは「期間」ではありません。
 あくまでも100%確定診断することなのです。