Site Overlay

慢性活動性乳腺炎について

[管理番号:5210]
性別:女性
年齢:47歳
47歳出産未経験の女性です。
よろしくお願いいたします。
5月末に自身で左胸下部にしこりを発見し、乳腺外科に来院しました。
しこり部分はちくちくとした痛みがあります。
そこでマンモ、エコー、触診、細胞診をしていただき、
結果は正常または良性というものでした。
この時は乳がんを疑っていたと後から聞きました。
その1か月後の6月末、しこりが固く&大きくなった気がして再度来院し、
エコー、触診、2度目の細胞診をしていただき、
結果はまたしても正常または良性というものでした。
その後、最初にあったしこりの少し上部に新たなしこりができました。
2度目の細胞診の後位からしこりがある部分の皮膚が赤くなってきました。
細胞診の結果はでましたが、しこりの原因はわからずなのではっきりさせるため組織診をお願いし、7月頭にバネ式針生研をしていただきました。
結果は、Chronic active mastitis、
所見は、「間質にはリンパ球や好中球主体の炎症所見が高度にみられます。
含まれる乳管には異型は乏しく二層性も保たれている印象ですが、炎症が高度で、
筋上皮細胞の確認が困難な部分を認めます。
腫瘍性とする所見はみられません。
炎症の原因推定は組織上は困難です。」とあります。
しこり部分の皮膚の発赤は範囲が広がり、最初に赤くなった部分は
茶色く変色しつつ、皮が捲れてきました。
それで治療として、レボフロキサシン錠500mgを処方していただきましたが、
田澤先生ならどういう治療方法をお考えになりますか。
Q&Aを拝見しますと、肉芽腫性乳腺炎の記事が気になっています。
その可能性はありますでしょうか。
よろしくお願いいたします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「Q&Aを拝見しますと、肉芽腫性乳腺炎の記事が気になっています。その可能性はありますでしょうか。」
⇒その通り。ほぼ間違いないと思います。(乳癌を疑っていたという担当医師のコメントも大いに参考になりました)
 乳腺外科医でも「肉芽腫性乳腺炎」を知らない者は「気が遠くなるほど沢山」いるのです。
 QandAではなく下記を参考にしてもらえばいいでしょう。
下記を参考にしてもらうといいでしょう。
『今週のコラム 21回目 肉芽腫性乳腺炎 「画像上は癌が疑わしい」し、「炎症と言っても、膿もでない」
『今週のコラム 22回目 万が一、癌だったでは済まされないのです
『今週のコラム 28回目 癌の診療さえできない医師よりは、「まだマシ」かもしれませんが、癌の診療しかできない医師ばかりでは困ったものです。
更に『今週のコラム 第75回目 今は凄い状況かもしれませんが、(頑張っていれば)こんなに綺麗に治るのです。』の写真も参考にしてください。(肉芽腫性乳腺炎を知らない医師に無駄に切開されないような注意が必要です)
 
 

 

質問者様から 【質問2】

乳房のへこみについて
性別:女性
年齢:47歳
お世話になります。
以前はご回答いただきまして
まことにありがとうございます。
あれから気になる症状が新たに
でてきましたので、重ねてご質問させていただきます。
手を上にあげると、しこりがあるあたりの乳房がへこむようになってきたのです。
えくぼというよりは、広い範囲でへこんでる感じです。
肉芽腫性乳腺炎のしこりで乳房がへこむような
ことはあるのでしょうか。
また、乳輪あたりに新たにしこりを感じるのですが、
乳頭が埋もれるようにもなりました。
これが陥没乳頭でしょうか。
こちらもしこりでそのような症状がでることはありますか。
しこりがある部分は痛みを感じます。
よろしくお願いいたします。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
肉芽腫性乳腺炎は「皮膚所見もでる(実際に、質問者は『しこり部分の皮膚の発赤は範囲が広がり、最初に赤くなった部分は茶色く変色しつつ、皮が捲れてきました』ですね?)」のです。
皮膚所見もあるということは、「乳腺から皮膚まで肉芽が連続=皮膚を引き込む=凹む」ということです。
☆大事なことは…
 肉芽腫性乳腺炎に「切開」や「抗生剤」など、(普通の炎症に対する治療は)全く無効です。(前回のメール内容からは担当医は誤りに気付いていないようです)
 Volume reduction(手術で取り去る。もしくはマンモトームで削る)及び、ステロイドが唯一の有効な治療なのです。