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対側乳がんについて

[管理番号:5844]
性別:女性
年齢:60歳
田澤先生はじめまして。
昨年12月に左側を全摘同時再建で手術いたしました。
ホルモン陽性ステージ1でした。
術後1年検診のマンモとCTでこの度右の乳房に1センチ弱のしこりが見つかり、1年前の検査の画像には見当たらないこと、エコーで境界不明瞭であること、細胞診でクラス4であること、医師は悪性の確信があり組織診をせずMRIを来週に予約しました。
もしMRIで他にあやしいのがなければ温存手術にしましょうとのことです。
病院はKi67やサブタイプは術後の検査で調べるようです。
質問ですが、1年で1センチというかなり増殖能があるがんなので局所再発の可能性は高いでしょうか?
ホルモン受容性がないのは間違いないので、
すぐに局所再発をして、またさらに別の抗がん剤かと思うとぞっとします。
位置がふくらみのふもとであること、左の術後検査で他に3mmの小葉がんがあったことから素人考えでちらばっているイメージがあります。
増殖能が高いということで異形度も高そうです。
温存にこだわらなければ全摘の方がいいでしょうか?
大変ショックで心折れそうです。
何か御意見いただけたら幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
乳腺は「右と左には天と地ほどの距離がある」
この事を良く覚えておいてください。
左乳癌の右乳腺への転移再発は10000%あり得ないし、そもそも(対側乳腺の場合に)「局所再発」という用語は用いません。
「細胞診でクラス4であること」
⇒細かいようですが…
 細胞診で(クラス4ではなく)「クラス5」を出せない様では…
「1年で1センチというかなり増殖能があるがん」
⇒全くの誤りです。
 1年前「0cm」だったと思いますか??
 おそらく、たんに「検出限界以下(つまり数ミリ)だったと考えます。
 
 ☆冷静に考えてみてください。
  毎年検診を受けている方で癌が見つかる際に、「1cm以下」で見つかると思いますか??
  実際は(毎年検診を受けていても)1cm以下で見つかるケースは寧ろ稀です。
  通常は「1.5cm~2cm」で見つかるのがvolume zoneです。
  それは何故か?
   前年の検診で0cm⇒(1年で)2cmだと思いますか??
   違います。 前年は数ミリだったので「検診では見つからなかっただけ」なのです。
「局所再発の可能性は高いでしょうか?」
⇒はっきり「断言」します。
 その可能性は0%です。
 そもそも(対側乳腺に出る事を)「局所再発」とは呼びませんし、「乳癌が体側乳腺に転移再発することなど、1000%ありえない」ことです。
「ホルモン受容性がないのは間違いない」
⇒???
 組織診をしていないのですよね??
 理解ができません。
 
「すぐに局所再発をして、またさらに別の抗がん剤かと思う」
⇒???
 全く「根拠のない想像」をするのは、止めましょう。
「左の術後検査で他に3mmの小葉がんがあったことから素人考えでちらばっているイメージ」
「増殖能が高いということで異形度も高そう」
「温存にこだわらなければ全摘の方がいいでしょうか?」

⇒あまりにも無駄な心配をしているのには大変な驚きです。
 
「大変ショックで心折れそうです。」
「何か御意見いただけたら幸い」

⇒そもそも「対側乳腺に転移再発」という発想が誤りであることくらい、担当医から明言してもらってください。