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抗がん剤の必要性

[管理番号:5505]
性別:女性
年齢:56歳
いつも拝見して勉強させていただいております。
先日手術の結果の説明を聞きましたが 抗がん剤を使うか。使うとしたらどんな物が良いのか悩んでおります。
手術は部分切除
腋窩リンパ節かくせいでした。
病理診断
硬ガン 腫瘍浸潤径12㎜ 広がり17㎜
脈管侵襲ly v0
リンパ節転移4/16 断片- 核異形度1
ホルモン感受性er+ pgr+
hercep test-
ki-67,mib-1 index <10%
のルミナルAと判断されました。
放射線の前に抗がん剤治療をするか、するなら5-fu系の経口剤を使用したらどうかと提案いただいています。
またはすぐに放射線とホルモン治療に入ったほうが良いのでしょうか?リンパ節てんいがあることを考えますと、判断がつきません。
主治医も本人の希望を尊重されるようです。
先生のお考えをお聞かせください。
宜しくお願いします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
担当医には2つの問題があります。
1.ルミナールAなのに抗癌剤を勧めていること
2.抗癌剤するなら5-Fu系の経口剤としている
1に関しては、リンパ節転移4個となると、(医師側に)「化学療法を勧めなくてはいかないかな?」という意識が残っているのも仕方が無いかもしれません。
 ただ、実際には(OncotypeDXすると解りますが)「上乗せは殆どない=もしくは数値上逆転している(化学療法をした方が再発率が高い)」となる可能性が高いと思います。
2については、
 経口抗がん剤で(術後補助化学療法として)唯一適応があるのはUFTですが(『今週のコラム76回目 「手術不能乳癌と転移再発乳癌」は添付文章では「手術不能又は再発乳癌」と一括りにされていることからも解るように、『手術不能乳癌と転移再発乳癌の扱いは一緒』なのです。』を是非ご一読を)、それさえも「標準治療ではない」のです。
☆化学療法を勧める事自体(私には)誤りに思えますが、(もしも勧めるなら)「標準治療でさえもない経口抗がん剤ではなく、TCとすべき」でしょう。