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トリプルネガティブ乳がんの抗がん剤の選択

[管理番号:5487]
性別:女性
年齢:59歳
田澤先生初めまして。
母が2017/8月に乳がんと診断されました。
どうぞ宜しくお願い致します。
日々の診療に加え、患者のためにこのような疑問質問に丁寧にお答え下さりご多忙極めておられるかと思います本当に感謝の気持ちしかありません。
私自身日々こちらのサイトで勉強し、そして調べる度に心が落ち着いてまいりますありがとうございます。
早速ですが、母は8月下旬に左の乳房全摘手術を受け、10月月初から抗がん剤の投与開始予定をしております。
以下母の術後の顕微鏡検査の結果です。
乳頭腺管癌、浸潤ガン、トリプルネガティブ乳がん、腫瘍9ミリ、リンパ節転移なし(0/1)、リンパ管侵襲なし、血管侵襲なし、大部分で腺管構造形成が見られ(score1)、核異型は中等度(score2)、
核分裂像は少数(score1)、そして組織学的異型度はグレード1です。
腫瘍の辺縁部では乳管内進展を認めます。
主治医からは大人しいタイプの癌だと言われました。
腫瘍の拡大写真を見させてもらいましたが綺麗な丸い形をしていました。
主治医は、母なら抗がん剤はアンスラサイクリン系だけでいいのではと言われました。
抗がん剤はECを3ヶ月やる予定です。
こちらの田澤先生のQ&Aで私も勉強し少しでも術後の治療で再発率を下げるため最大限の努力が必要とありましたのでタキサン系(パクリタキセル1週間に1回投与が一番効果的で副作用も少ないとの事なのでそうしようかと思っています)もお願いしようかと思っています。
母の父が50歳前後で急性心筋梗塞で亡くなっているので薬の心毒性が心配ですが先生のQ&Aを拝見し基準料の投与なら大丈夫かなと思えてきました。
主治医は、抗がん剤の副作用があまりにも
辛そうであれば途中、減薬したり中止することも考えているとはおっしゃいました。
私としては母には抗がん剤の副作用が命に関わるような状態で無ければ抗がん剤を何とか減薬中止などせず乗り切ってもらいたいと思いますが先生はどう思われますか?
そのような減薬や中止するような場合とはどのような状況なのでしょうか?
抗がん剤を母の場合アンスラサイクリン系(EC予定)だけやった場合とアンスラタキサン両方やった場合とでどれくらい再発率が違うかもお教え願えますと今後の化学療法の参考にしたいと思いますのでどうぞご教授願えますでしょうかよろしくお願い致します。
ちなみに、アンスラ系とタキサン系どちらが副作用が強いのでしょうか?
後、先日抗がん剤の種類を決めるために主治医と話をした際に主治医からアンスラタキサン系で週に一回投与を行うものがありそれがここ最近(1、2年以内?!)ECやACより効果があると分かってきた?(ECやACより効果があるのこの辺の話はかなり記憶曖昧ですが効果が高いと言っていたのははっきり記憶しています)と話を聞いたのですが、医師と話すのにプレッシャーで私が緊張してしまっており肝心なその薬について詳しく聞かずに帰ってきてしまい帰宅してからその事に気が付きました。
その薬は週一回の投与で多めの薬を短期間で一気に投与するタイプだと言っておられました。
なので、投与期間が3ヶ月もないのかもしれません。
それは、母がかかっている病院では取り扱いしていない抗がん剤との事でもし投与希望の場合は一般的に取り寄せ?もしくは病院を紹介などになるのでしょうか?田澤先生はその薬について何かご存知ありませんでしょうか?ECやACよりももし効果が高いのであれば何%くらい効果が高いのでしょうか?ECやACよりももし効果が高いのであればそちらの抗がん剤の方がいいのでは?と考えを巡らせております。。。
最近は、より効果的と分かってきている薬の組み合わせがあるのでしょうか?ECやACより効果が高くないならこのままEC投与を予定通り来月月初から開始したいと思います。
結論から言えば母には、より効果の高い抗がん剤を選んであげたいなという思いです。
効果が同じ薬なら副作用の少ない方を選んであげたいです。
田澤先生なら母にはどのような抗がん剤をお選びになりますか?ご意見お聞かせ願えませんでしょうか?
主治医に聞けば済む話なのですが、抗がん剤投与の日程(EC投与)が既に迫っており主治医の診察の予約が取れないかもしれません。。
出来るなら可能な限り早めに抗がん剤の治療も始めた方がいいかと思い少し焦りを感じてしまっています。
抗がん剤の開始は手術後急がなくてよいと他の質問者の方に先生はお答えなさっておられましたが投与はどれくらいまでに開始した方がいいのでしょうか?
お忙しい中、沢山質問してしまい恐縮ですが、、、どうかよろしくお願い致します。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
pT1b(9mm), pN0
十分早期です。
Low risk であり、NCCNのガイドラインではトリプルネガティブであっても「化学療法を考慮する」となります。
ただ、「特別な理由」が無い限りは一般的に抗癌剤が勧められます。
トリプルネガティブの化学療法としては「アンスラータキサン」ですが、「TCでもいいかな?」的な考え方は出てきます。
「抗がん剤はECを3ヶ月やる予定です。」
⇒EC<TCです。

「減薬や中止するような場合とはどのような状況なのでしょうか?」

⇒有害事象です。
 1.(ご本人が感じる)吐き気など
 2.(ご本人が大丈夫でも)白血球低下や肝機能上昇
「アンスラサイクリン系(EC予定)だけやった場合とアンスラタキサン両方やった場合とでどれくらい再発率が違うか」
⇒2%程度だと思います。

「最近は、より効果的と分かってきている薬の組み合わせがあるのでしょうか?」

⇒組み合わせではなく…
 「dose dence」のことだと思いますが…(アンスラサイクリン:ECやACなどを3週に1回ではなく、2週に1回投与など)
 「新しい薬剤」や「毎週投与」などはないようです。(製薬会社などにも確認してみました)

「田澤先生なら母にはどのような抗がん剤をお選びになりますか?ご意見」

⇒普通にアンスラタキサンです。(ECx4⇒wPTXx12)
「抗がん剤の開始は手術後急がなくてよいと他の質問者の方に先生はお答えなさっておられましたが投与はどれくらいまでに開始した方がいいのでしょうか?」
⇒3カ月が一つの目安だとは思いますが…
 半年以内にしましょう。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

トリプルネガティブ乳がんの抗がん剤の選択
性別:女性
年齢:59歳
田澤先生多忙にも関わらず、ご返信下さり感謝いたします。
睡眠時間を削っでご返信してくださってると考えるととても胸が痛むと同時に先生の偉大さに言葉が見つかりません。
感謝しかありません。
私も含めて先生を頼りにしている患者が全国にドレほど沢山いることでしょうか。
そんなご多忙な先生に再度質問させて頂く事お許しください。
そして、よろしくお願い致します。
今回は二回めの質問です。
(前回の管理番号5487)
dose dence(2週間に1回)とパクリタキセル(1週間に1回)ではなく、田澤ドクターのお考えは母にはEC3週間に1回とパクリタキセル一週間に1回でしょうか?
dosedenceの方が副作用が強いものの、より効果があるのでしょうか?(先生のQ&Aで拝見したホルモン感受性陰性に対して有効というのはトリプルネガティブの母には、有効という意味でしょうか?)
dose denceが、普通のアンスラタキサンより効果があるとしたら、どれくらい再発率に違いが出てくるのでしょうか?
田澤先生はdose denceより普通のアンスラタキサンを母にお勧めするのは、何故でしょうか?
もしdose denceを取り入れてない病院の
場合、紹介状を書いてもらい転院して投与
を行うような手順になるのでしょうか?
それとも自分でdose denceを取り入れている病院を探して、自らその病院に連絡し投与を受けたい旨を伝えればよいのでしょうか?
10/(上旬)から入院し投開始のため前回の質問からあまり日数たっていないにも関わらず再度ご質問させて頂いた事お許しください。
急いで書きましたので文面が少しおかしいかもしれませんが、、どうぞよろしくお願い致します。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
術後補助化学療法は(有効性もさることながら)「安全性が重要」であることをご確認ください。
(現に病変があり)「治療しなくては生命を脅かす再発治療」と(病変の残存は勿論証明されず)ただ「再発予防としての位置づけである術後補助療法」では全く異なります。
 ●「術後補助療法で生命をリスクに曝す」ことは本末転倒と言えます。
 このことを理解すれば、「Dose-denseに有効性のエビデンスがあっても、直ちには標準治療とはないえない」ことは理解いただけるでしょう。(乳癌学会ガイドラインではBです)
「田澤先生はdose denceより普通のアンスラタキサンを母にお勧めするのは、何故でしょうか?」
⇒早期乳癌で「敢えて、リスクを冒す」必要はないからです。
「それとも自分でdose denceを取り入れている病院を探して、自らその病院に連絡し投与を受けたい旨を伝えればよいのでしょうか?」
⇒それこそ、セカンドオピニオンです。
 ご自分のご希望の治療をしている施設を探したら、実際にその治療(この倍にはDose-dense)が自分に適応してくれるのか「意見を求める」ということです。
 
 

 

質問者様から 【質問3】

抗がん剤の投与量
性別:女性
年齢:59歳
田澤先生前回は、的確なアドバイスを頂きましたおかげで母の抗がん剤の選択をする事が出来ました。
母の命を左右する大切な抗がん剤の選択に不安ばかりでしたが本当にありがとうございました。
今は、10/(上旬)にECの1回目の投与を無事終えたところです。
そして、今回1つ先生に質問があります。
それは、母の1回目のECの投与量についてです。
母は、152センチ、体重は54.5~55キロくらいです。
1回目の投与量は、体表面積あたり?エピルビシン135㎎、シクロホスファミド900㎎です。
これは、先生がこの質問コーナーでよくおっしゃられているエビテンスにかなった母に最適な最大の量なのでしょうか?
減薬などすると効果が下がるとこの質問コーナーで読みましたので母の投与量は大丈夫か不安になりました。
お忙しい所、度々の質問で大変恐縮ですが、どうぞよろしくお願い致します。

*****
↓再質問管理番号の入力がありません。内容から管理番号5487としています。
*****

再質問管理番号:
再質問タイトル:トリプルネガティブ乳がんの抗がん剤の選択
 

田澤先生から 【回答3】

こんにちは。田澤です。
「152センチ、体重は54.5~55キロくらい」
⇒体表面積は1.506となります。
 E(90mg/㎡)=90x1.506=135.55mg
 C(600mg/㎡)=600x1.506=903・67mg
  以上となります。
「1回目の投与量は、体表面積あたり?エピルビシン135㎎、シクロホスファミド900㎎」
⇒上記で示した様に、「全く正しい量」と言えます。
 ちなみに
  体表面積あたり、(E:90gm C:600mg)となり、
  実際の投与量(/bodyと表現します)が、(E:135mg C:900mg)となります。
「母に最適な最大の量なのでしょうか?」
⇒まさにその通りです。
 
 

 

質問者様から 【質問4 】

トリプルネガティブ乳がんの抗がん剤の選択
性別:女性
年齢:60歳
田澤先生、ご無沙汰いたしております。

ちらの質問フォームではこの度3回目の質問となります。
(初回の管理番号5487トリプルネガティブ乳がんの抗がん剤の選択)
お忙しい中毎回迅速にご返信下さり本当にありがとうございます。
お礼をお伝えしたかったのですが、毎回質問出来る人数も限られているため、他の急ぎで質問されたい方に質問枠を譲った方がいいのではないかと思い今日に至っています。
先生がこのような場を設けてくださったお陰で乳がんについての知識もつき、最初は本人も家族も不安で押しつぶされそうでしたが今は本人含め心穏やかに過ごさせて頂いております。
それも、田澤先生がこのような場をも受けて下さり沢山の情報の発信や多忙な中での返信を下さるお陰だと思っております。
田澤先生が居なかったらまだ今頃でも
心穏やかではなかったのではないかと思います。
本当にありがとうございます。
そして、3度目の質問はECの投与終了後の
タキサンの薬を決定するにあたりご相談です。
この度もお忙しい中恐縮ですがどうぞ宜しくお願い致します。
トリプルネガティブ乳がんである母のECの抗がん剤投与が間もなく無事に終わり、次は12/(下旬)から次のタキサン系の抗がん剤の投与が始まります。
先生は前回質問させていただいた際には、パクリタキセル一週間に1回が1番効果があり副作用も少ないとお答え下さりましたが、それは今でも世の研究結果の最新情報としては変わらないのでしょうか?
主治医に、タキサンのドセタキセル(3週間に1回)かパクリタキセル(1週間に1回)どちらが効果があるか3週間程前に伺った所、『パクリタキセルの方が効果が高いとされた研究結果も出たが、その後に行われた別の研究ではどちらも効果に変わりがないと結果が出たのでどちらも効果は同じです』と言われました。
そうなのでしょうか?
ドセタキセルかパクリタキセルどちらにするか迷っておりますので、先生の現時点でのご意見をもう一度伺えればと思い投稿させていただきました。
出来れば、現時点で1番効果があると実証されている薬でタキサン系を始めたいと家族で考えてみればおります。
話は少し変わりますが、母はEC投与3回目辺りから血管痛が少しあり、ドセタキセルも血管への刺激が強いと看護婦さんから聞きました。
このままドセタキセルをしたら、血管痛が酷くなるのでは、、と心配しております血管痛も時間とともに治るのでしょうか?
副作用はドセタキセルとパクリタキセルでは、やはりパクリタキセル(一週間に1回)
が弱いのでしょうか?パクリタキセル(1週間に1回)は、しびれが結構出るので辛いような事を主治医から言われました。
結論的には、どちらの抗がん剤が母にはよいのかご教授願えればと思います。
後は、母は身長152セン体重か55キロくらいだと、ドセタキセルとパクリタキセル(一週間に1回)だとそれぞれ1回の最大限効果のある投与量も教えていただけませんでしょうか。
どうか宜しく宜しくお願い致します。
急いで打ったので乱文お許しください。
 

田澤先生から 【回答4】

こんにちは。田澤です。
「こちらの質問フォームではこの度3回目の質問となります。」
⇒4回目の間違いです。
「先生は前回質問させていただいた際には、パクリタキセル一週間に1回が1番効果があり副作用も少ないとお答え」
⇒その通り。
 変更はありません。
「血管痛も時間とともに治るのでしょうか?」
⇒その通りです。
「結論的には、どちらの抗がん剤が母にはよいのかご教授願えればと思います。」
⇒前回と変更ありません。
「ドセタキセルとパクリタキセル(一週間に1回)だとそれぞれ1回の最大限効果のある投与量も教えていただけませんでしょうか。」
⇒それは主治医を信用してあげてください。
 
 

 

質問者様から 【質問5 抗癌剤後の定期検診】

性別:女性
年齢:60歳
田澤先生、ご無沙汰いたしております。
こちらの質問フォームではこの度5回目の質問となります。
(初回の管理番号5487トリプルネガティブ乳がんの抗がん剤の選択)
日々、お忙しくされておられると存じますが、どうぞ宜しくお願い致します。
田澤ドクターのご助言があり、2018/3/(中旬)に母は、最後の抗癌剤の投与を無事終えました。
本当に先生なしでは、ここまで心を
落ち着かせた状態で手術や抗がん剤投与まで望む事は出来なかったと思います。
本当にありがとうございます。
抗がん剤は、EC3ヶ月とパクリタキセルを3ヶ月しました。
母は、最初の質問にも書きましたが乳頭腺管癌、浸潤ガン、トリプルネガティブ乳がん、腫瘍9ミリ、リンパ節転移なし
(0/1)、リンパ管侵襲なし、血管侵襲なし、大部分で腺管構造形成が見られ(score1)、核異型は中等度(score2)、
核分裂像は少数(score1)、そして組織学的異型度はグレード1です。
腫瘍の辺縁部では乳管内進展を認めます。
追加でわかった事はki-67は5%~20%という事です。
そして、今回の先生への質問なのですが主治医は手術からちょうど1年後の今年の8月に抗癌剤終了後の定期検診として採血、マンモ、造影剤を使い全身のctを撮るとおっしゃいました。
(手術から抗癌剤投与終了まで腫瘍マーカー検査ではない血液検査は度々行いましたがそれ以外の転移してるかなどの検診は一度もしておらず、今度の8月が初めてです)この検査項目は抗癌剤後の定期検診として母にとっては妥当なのでしょうか?全身ctというのがひっかかっており被爆するのではと母も私も心配しているのです。
母は過去にも色々とあり何度かctの検査をした事がありさらなるctというのは、大丈夫なのかなと不安になりました。
こちらのフォームで田澤ドクターが「ctやPETはもう止めましょう。
腫瘍マーカーによって定期的な画像診断(←超音波検査の事でしょうか?)よりも早期に再発を検出できる事が証明されています」と、どなたかにお答えになっておられるのを目にした記憶があるのですが、母の場合も同じ事が言えるのでしょうか?
全身のctが母にとって必要な事で母のためになる事なのであれば素直に受けるべきだなとも思っています。
しかし、私にはその判断が知識もなく出来ません。。
先生のお考えをお聞かせ願えませんでしょうか?
再発や転移を見つけるにはctをするのが1番よいのでしょうか?
そして、主治医は定期検査は1年に1回でいいとおっしゃったのですが母の場合では、
そんなに検査の間隔を空けてしまっても良いのでしょうか?母の癌はあまり増殖のスピードが早くないタイプ?なので一年に1回でいいのでしょうか?抗癌剤後の初回の定期検診が8月ですが、それだと手術から1年経ってしまうのですが、もっと早く検診した方がよいのでしょうか?その後の定期検診も1年に1回でいいのでしょうか?
まとまりのない文章で申し訳ありません。
お忙しい中度々お返事をお願いするのは恐縮なのですが、、どうぞどうぞ宜しくお願い致します。
私達家族を始め、先生を頼りに希望にしておられる方は日本中に沢山おられると思います。
本当にこのような場を作ってくださった事、家族一同で感謝しております。
先生もお体ご自愛ください。
 

田澤先生から 【回答5】

こんにちは。田澤です。
術後の定期検査については、度々このQandAをにぎわせている話題と言えます。
要点は
1.定期的CTは勧めません。
 おそらく担当医は自分自身がエコーしたりする習慣がないので、「検査と言えばCT]的な発想があるのでしょう。(自分自身で集中力を要するエコーするよりも、出来上がったCT画像を見る方が圧倒的に楽なのです)
 
2.(今後は)無治療とはいえ、非浸潤癌ではないのだから「半年に1回程度の診察+採血腫瘍マーカー」がいいと思います。(CTを1年に1回撮影するよりも、半年に1回の腫瘍マーカーの方が鋭敏であることは間違いありません)
 
 

 

質問者様から 【質問6 抗癌剤後の定期検診】

性別:女性
年齢:60歳
田澤ドクターさま
度重なる質問に対して丁寧にご返信頂き本当にありがとうございます。
こちらの質問フォームではこの度6回目の質問となります。
(初回の管理番号5487トリプルネガティブ乳がんの抗がん剤の選択)
田澤ドクターは、CTは被爆のマイナス要素があるため(私も出来れば母の体に負担の無い検査方法があるならその方がいいなと思っております)に腫瘍マーカー検査を
お勧めするとの事で、その事を母に話すと
腫瘍マーカー検査はあまり精度が高くないと本で読んだけど
本当にCT検査でなくて腫瘍マーカー検査でよいのか?と言われてしまいました。
最近の腫瘍マーカー検査は一年半前(腫瘍マーカーは精度管理あまり高くないと書いてあった本の出版日)に比べて精度はあがっているのでしょうか?
田澤ドクターが腫瘍マーカー検査は早期に再発を検出出来る事は証明されているとこのQ&Aでおっしゃられているのでそうなのだと思うのですが、母を納得させるために腫瘍マーカーの精度についてお聞きしたいと思いこの度再びご質問させて頂きました。
腫瘍マーカー検査の精度があまり高くない場合でも全身CT検査ではなくやはり腫瘍マーカーを信頼する田澤ドクターがお勧めするという理由はどんな事からでしょうか?
後、母が乳がんになったので娘の私自身も乳がんに普通の人よりなりやすいと思うのですが、私は乳腺が少ないようなので一年に1回超音波検査を受ける程度で検診はいいのでしょうか?マンモは被爆すると聞いたので超音波検査を毎年するのが体への負担もなくいいのでしょうか?
田澤ドクターは、全ての患者さんに親身になり対応して下さり本当に乳がん患者やその家族の拠り所です。
ただでさえ、患者本人や家族は癌になった事でのストレスはとても多いのですが救われています。
いつもありがとうございます。
お忙しい中お返事をいただく事、恐縮はですが、どうぞ宜しくお願い致します。
 

田澤先生から 【回答6】

こんにちは。田澤です。
「腫瘍マーカー検査はあまり精度が高くないと本で読んだ」
⇒どんな本に記載されているのか(私には)解りませんが…
 おそらく、それを書いた人間よりも私の方が患者さんを多く診ているでしょう。
 簡単に言えば、「腫瘍マーカーが遠隔転移再発の発見に有用」であることは、私自身が肌で感じている事です。
★腫瘍マーカーとCTを比較するとしたら…
 どんなCT好きの医師でも、まさか「半年に1回とか3カ月に1回CTを撮影しよう」ということにはならないでしょう。
 それに対して採血腫瘍マーカーは(リスクが高いと感じるのであれば)「3カ月に1回」とっても何ら違和感がありません。(通常は半年に1回で十分だと思いますが)
 たとえば・
 1年に1回CTを撮影するとして、(1年経つ前に)採血は「3カ月に1回であれば、その間に2回」「半年に1回であれば、その間に1回」見る事ができるのです。
 この差が全てなのです。(つまりCTで1年後に見つけるよりは、その前にマーカーで感知できるということです)