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原発肝転移について

[管理番号:4482]
性別:女性
年齢:52歳
初めまして。
よろしくお願いします。
昨年のガン検診で10月に要精検となり、左乳房に23ミリのガン、温存手術可能との診断でしたが、その後のCTで肝臓に20ミリのガンがみつかり、いきなりステージ4手術不適応となりました。
ルミナールBです。
骨シンチとPETでも、肝臓の一つ以外に確認できるガンはなく、大変珍しいといわれました。
2年に1度のガン検診で、前回は異常無しだったのに、たった2年でいきなりステージ4とは「どうして?」とつらかったです。
国の指針で2年に1度だとはわかっていますが、隣の市では毎年の検診なので、隣の市に住んでいればこんな事にならなかったのだろうかと思ってしまいました。
でも悔いてばかりいても仕方ないので、地元の総合病院でホルモン療法(リュープリンとタモキシフェン)を始めてすぐに、乳腺外科のある総合病院に転院しました。
3か月経過後のCTで、左乳房のガンは少し小さくなり
さくなり、肝臓のガンは変化なしと言われ、ホルモン療法継続中です。
手術も抗がん剤もしていないので、家族と兄弟以外は、私がガンだと全く気づかないほど元気です。
でもいつ悪化して他にも転移するかと怖いです。
そこで治療についてですが、前の病院では、生活の質を落とさないため、ホルモン療法を使い切ってから抗がん剤との説明でしたが、今の先生は、今の薬の効果がなくなったら、その時点で抗がん剤とのお話で、
詳しい説明はまだです。
過去の先生のQ&Aで「早めに抗がん剤を使って、ガンを小さくしてからホルモン療法で維持する」というのをみつけましたが、私もそれに当てはまるのでしょうか
てはまるのでしょうか? それともまた別の方法がありますか?
知識がないので、ステージ4だとホルモン療法→エンドレスの抗がん剤かと想像していたので、もし早めの抗がん剤でガンが小さくなって、少しでも長く生きられる可能性があるなら、前向きに抗がん剤を受けたいと思います。
そして、もしそうなら、抗がん剤のタイミングは、今の薬が効かなくなったらすぐでしょうか? 今の薬がどのくらいの期間効果があって続けられるのか想像できないので、とりあえず今のうちに、体力作りをしたり、歯科に行ったり、旅行もしたいと考えているのですが、どうでしょうか?
ご回答、よろしくお願いいたします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
23ミリの癌で本当に肝転移?という疑問がありますが、それは担当医がだした結論なのでしょう。
用語ですが…
「原発」というのは「転移性でないもの」を指しますので、この場合は「原発」はつきません。
「原発性肝癌」とは(どこかからの転移ではなく)「肝から発生」したもので代表的なものが「肝細胞癌」です。
「抗がん剤のタイミングは、今の薬が効かなくなったらすぐでしょうか?」
⇒これは決まったやり方はありません。
 各施設、各医師によるものと考えてください。
あくまでも私の考えですが…
そもそも、局所療法(手術や放射線)も治療の選択肢の中に入ってきます。
薬物療法(私であれば、最初に抗ガン剤しますが)で奏功していることを確認したら、(この場合には)「手術」を行います。(乳癌手術の侵襲は「抗ガン剤より、むしろ軽い」と考えます)
♯この場合の手術は「volume reductionと(将来的に)QOLを損なわないため」という位置づけです。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

田澤先生、回答いただき、ありがとうございました。
タイトルのことですが、「再発でない」というつもりで「原発」と書いてしまいました。
申し訳ありませんでした。
私も「本当に肝転移? 全く別の肝臓がんでは?」と病院で質問しまし
たが、検査データをご覧になった複数の先生が「乳がんからの転移と考えるのがえるのが自然です」とおっしゃったので、そうなのだと思います。
前回書き忘れましたが、リンパ節への転移はあります。
「手術や放射線も治療の選択肢の中に入る」という先生の回答を読ませていただいて、治療の選択肢があることは、私にとって希望です。
たとえ完治のための治療でなくても、ガンを抑え込んで長く付き合っていけるなら、受けたいです。
そこで、また質問させてください。
現在のホルモン治療を中断して、抗がん剤治療を受けることも選択できますか? その場合のメリット・デメリットについても教えてください。
抗がん剤治療後 手術可能となった場合、それは乳房のみの手術ですか? 
肝臓の転移については、手術あるいは放射線治療できるのでしょうか?
よろしくお願いいたします。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
「現在のホルモン治療を中断して、抗がん剤治療を受けることも選択できますか?」
⇒できます。
 更に言えば…
 そもそも、抗ガン剤とホルモン療法は併用しても全く問題ありません。
「その場合のメリット・デメリットについても教えてください。」
⇒メリットは癌への治療効果が高い(より強い縮小効果が期待できる)
 ♯より積極的な治療と言えます。
 デメリットは副作用が強い
「抗がん剤治療後 手術可能となった場合、それは乳房のみの手術ですか? 」
⇒基本的には、「乳房のみ(腋窩リンパ節も含む)の手術」です。
 ちなみに「手術可能となった場合」とありますが、(診察しているわけではありませんが、メール内容からして)「現時点でも手術可能ではないかと思いますが?」
「肝臓の転移については、手術あるいは放射線治療できるのでしょうか?」
⇒肝転移で手術を行うのは「大腸がん」くらいでしょう。
 乳癌の場合には「多発」することが多いので(画像上、単発に見えても、後日別の部位から発生しやすい)手術の適応となることはまずありません。
 局所療法としてはむしろ「放射線照射」の方が現実的です。(昔と違って、今では呼吸性移動も考慮した照射技術があります)
 ただし、「数年間、全く変化がない、もしくは単発のまま」の場合には(外科医によっては)「手術を引き受けてくれる」かもしれません。