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化学治療を行うかどうか

[管理番号:6057]
性別:女性
年齢:40歳
田澤先生、初めまして、こんにちは
お忙しい中、恐縮ですが、お答えいただければ幸いです。
現在、乳がんの左乳房C領域を部分切除し、
術後治療の段階に入っております。
病理所見は以下の通りです。
病変の占拠部位:左C領域
Mucinous carcinoma,
pT2 (2.2×1.5cm) f,,ly0,0
Tubular formation 1, Nuclear polymorphism 2, Mitotic counts 1
組織学的悪性度:Nottingham grade 1, Nuclear grade 1
所属リンパ節生検:n(0/1)[Sentinel LN(0/1)]
TIL:0%
UICC;pT2,pN0(SN),M0
免疫染色(切片#16で施行)
ER :100% Allred score TS8=PS5+IS3
PgR:100% Allred score TS8=PS5+IS3
HER2:陰性(score 0)
MIB-1 index:40%程度
CK5/6 陰性
浸潤癌は連続8割面(4cm)相当:E-Lで存在し、軽度から中等度異型を示す上皮が、粘液内に管腔形成や乳頭状構造を呈する胞巣状に浮遊し、増殖している。
粘液癌と診断。
やや大型の腫瘍胞巣もみられるが、概ね小型の胞巣よりなる腫瘍で
通常型の浸潤性乳管癌成分はみられない
腋窩リンパ節の凍結検体戻し標本で再検討したが診断変更はなし
お聞きしたいのは以下の3点です。
Q1.抗がん剤治療を実施する必要があるか?
Q2.AC療法かTC療法のどちらがよいか?
Q3.抗がん剤治療を実施することでどのくらい、再発率が下がるのか?
施術した病院のお医者様からは、
抗がん剤治療はやったほうがよいと思うが効果の程はわからない
TC治療のが効果がでるが副作用が強いのでAC治療も検討したほうがよいと助言をいただいております。
よろしくお願いいたします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
ポイントは
1.「早期癌」であること。
2.(治療法はステージでは無く)「サブタイプ」により決まると言う事。
「Q1.抗がん剤治療を実施する必要があるか?」
⇒上記2で示した様に…
 質問者は早期(2期とはいえ、浸潤径22mmでは殆ど1期と言えます。)ですが、サブタイプはKi67=40%だけで判断すれば「ルミナールB」となります。
 ルミナールBは「ホルモン療法+化学療法」となるのです。
 ★もしも質問者が「私は本当にルミナールBなのか? Ki67だけで決めていいものなのか?」と疑問があるのであれば(実際は、私にとっても疑問があります)OncotypeDXすべきです。
  ルミナールAとBを分ける役目を「Ki67だけ」とするのは実際は問題があるのです。
ただ「保険適応でない」以上「45万円くらいの出費が必要」となるのが現状です。
「Q2.AC療法かTC療法のどちらがよいか?」
⇒TCです。
 TC>ACの結論は2007SABCSで出ています。
「Q3.抗がん剤治療を実施することでどのくらい、再発率が下がるのか?」
⇒これは再三、このQandAで回答していますが…
 実際に質問者がルミナールAなのか、Bなのかで全く異なるので回答を差し控えています。(つまりルミナールタイプでは回答していません)
 もしも、それが知りたいのであれば、OncotypeDXすべきなのです。