乳がんプラザ|乳がんの手術は江戸川病院・東京


[管理番号:5311]
性別:女性
年齢:37歳

はじめまして。
乳がん術後、補助療法中の者です。

37歳、独身、子供なし(卵子凍結済)女性。

術前抗がん剤の治療成績が思わしくなく、補助療法が現行のままで良いのか、先生のご意見を頂きたいです。

病気を受け入れることや不安は消えませんが、前を向いて頑張りたいと思っています。
宜しくお願いします。

【臨床経過】
2007年右乳房腫瘤指摘(乳腺繊維線種)
2016年10月と11月に乳頭より赤い分泌物あり、かかりつけ産婦人科に相談し、受診を勧められる。

RtEBD T1c(14.6mm)N0M0
IDC、HG:2(2+2+2)
ER(1+1)、PgR(0)、HER2(3+)、p53(+)、MIB-1=40.4%
採卵施行
2017/1/(下旬) SLNB(0/1)
2017/1/(下旬) ddAC*2でSD~PD気味
※ddACを4回の予定を、悪化の為2回で中止しました。
SD~PDと、カルテに記載されていますが、術前の主治医の説明では「石灰化増大、しこりの大きさ1.5cmに増大、皮膚に癒着しつつある。
との説明ありでした。

また、腫瘍マーカーCA15-3は12月(上旬)日時点で28.3(正常値0-25)であったのに
3月(下旬)日に54.3と急上昇し、5月(下旬)日の時点でも38.9です。

CEAは正常範囲です。

※抗がん剤開始直前から卵巣保護目的で、毎月リュープリン注射。

2017/3/(上旬)~HER+DTXでPR
2017/6/(上旬) Bt+エキスパンダー挿入を行いました。

【臨床診断】
右乳房中央部乳癌

【組織診断結果】
「病理診断」
Breast cancer,post therapied phase,right,total resection.
Invasive ductal carcinoma,Papillotubular carcinoma.
The result of treatment. Grade 1a
「病理所見」右乳房全摘除術
肉眼的には乳頭尾側のBD領域に渡り境界不明瞭な硬化した病変を認めます。

組織学的には、核小体明瞭な類円形畏型核と弱好酸性の豊富な細胞質をもつ腫瘍細胞が、小型腺管構造を形成しながら胞巣状~索状を呈して浸潤増殖しています。
範囲は#7では4×3mm #12では5×3mmに見られます。

浸潤性乳管癌(乳頭腺管癌)の像です。
#7の浸潤巣周囲には非浸潤性乳管癌の像も確認されます。

      
 浸潤径:1.5×0.5×0.4cm
 全体の広がり:1.5×1.0×5cm
 波及度f-,pT1c ,ductal spread(+),ly(-),v(-),
SBR分類:管腔形成(2)+核異型度(2)+核分裂像(2)=Grade2
 免疫組織学(Allred score=PS+IS)
 MIB-1 41%、ER(0)、PgR(0)、HER2(3+)、p53(+)

【治療効果判定】
残存する腫瘍細胞には、核の濃縮や細胞質好酸性の増強などの軽度な変化がみられ、
病巣周囲には炎症細胞浸潤や繊維化等も確認されるため、Grade1aと診断します。

質問は5つです。

1、術後のホルモン治療を、しなくて良いのか?

ホルモンER(1+1)から術前抗がん剤の後に、ER(0)へ変化。

※8段階中の2でぎりぎり陰性とのこと。

主治医は、ホルモン治療はしないとの判断でした。

ホルモン受容体をもつ癌が、ケモによって、「消えた」のか「一時的に抑えられたのか」それはわからないとのこと。

私としては、ホルモン受容体を元来持っており、それがほんの少しの再発予防の上乗せであっても、ホルモン治療を受けたいと思うのですが、やはり、ホルモン治療は効果ないのでしょうか?

2、p53(+)の意味を教えてください。

主治医は「がん抑制遺伝子」とだけ言い、その意味を尋ねると「まだ、確定したものではないから」と話を打ち切られてしまいました。

P53(+)とは、私の遺伝子に異常があるのだろうか?不安です。

3、1.5cmのステージ1といわれましたが広がりの最大5cmが気になります。
そんな広範囲に癌があってもステージ1なのですか?

4、リンパへの転移の不安。

化学療法中に悪化し、腫瘍マーカーが増加しました。

リンパ転移を確認したのは、術前の(化学療法前の)センチネル生検のみで、術時に確認することはありませんでした。

現在リンパに転移していることは、ないと考えてよいのでしょうか?

5、私の場合の、(術後療法を完遂した場合の)10年無再発率を教えてください。

AC療法が効かない人を、主治医は初めて見たと言いました。

術前化学療法奏功がグレード1aという結果を得て、不安です。

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

質問者には申し訳ありませんが、「何故、術前化学療法をしたのか?」が全く理解できません。
「HER2陽性だから…」みたいな適当な理由で術前化学療法を勧める医師が多い事は大変残念なことです。

○質問者も(過ぎてしまったことですが)普通に「手術」⇒術後補助化学療法(抗HER2療法)を行っていれば、今回の様な「余計な心配」をすることも無かったわけです。

「1、術後のホルモン治療を、しなくて良いのか?」
⇒不要だと思います。

 それよりも「(化学療法中の)卵巣保護の目的でリュープリンを用いている」ようですが、エビデンスが低く本来は不要な治療だと思います。

「p53(+)の意味を教えてください。」
⇒主治医の言う通りです。

 そもそもがん抑制遺伝子であり、これが変異すると癌化を促進するため「p53蛋白の発現=変異型p53の出現」として「病理学的予後因子か?」と期待された時期もありましたが…
 どうも、「あまり意味がなさそう」に落ち着いています。

「そんな広範囲に癌があってもステージ1なのですか?」
⇒「腫瘍径=浸潤径」となります。
 非浸潤癌の拡がりは無関係なのです。

「腫瘍マーカーが増加」
⇒これは無関係です。

 そもそも「(質問者程度の)腫瘍量」で腫瘍マーカーが上がる事はありません。
(そもそも有意ではありません)

「化学療法中に悪化し、現在リンパに転移していることは、ないと考えてよいのでしょうか?」
⇒ここが「術前化学療法の問題点」であることは間違いありません。

 「抗癌剤が効くとは限らない」という認識を持たないと、そのような可能性があることは明白です。
 ただ、通常の「リンパ節転移へのメインルートは(化学療法前のセンチネルリンパ節生検の際に)断ちきられている筈」なので、(画像上、リンパ節腫大等の所見が無ければ)実際は問題ないでしょう。

○私は(術前化学療法をする際でも)化学療法前にセンチネルリンパ節生検をすることは決してありません。
 センチネルリンパ節生検は(術前化学療法をする場合でも)普通に手術時に(同時に)行えばいいだけの話なのです。

「5、私の場合の、(術後療法を完遂した場合の)10年無再発率を教えてください。」
⇒Adjuvant.comのHER2陽性に対しての抗HER2療法による再発率は「3年」しかありません。(術後補助療法としての抗HER2療法の歴史は浅いのです)

 3年無再発率:92%

「AC療法が効かない人を、主治医は初めて見たと言いました。」
⇒それは経験不足です。
 術前化学療法が効かないケース(悪化するケース)は3-6%程度と言われています。

「術前化学療法奏功がグレード1aという結果を得て、不安です。」
⇒原発巣に対する治療効果と再発予防効果は全く別物です。
 ご安心ください。(そもそも、予防すべき「遠隔転移の種」など無い可能性の方がよっぽど高いのです)





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