乳がんプラザ|乳がんの手術は江戸川病院・東京


[管理番号:3810]
性別:女性
年齢:59歳

温存手術後9年経過します。
Er,pgr陽性、her2陰性、核異型度1、リンパ節転移1、原発巣1.6cm でした。
3年後に肺多発転移でノルバデックスから
フェマーラにそして、昨年1月に腸骨転移が見つかりフェマーラからアフィニトールとアロマシン併用になりました。
アフィニトールの副作用の口内炎が酷く、量を半分にして8月まで続けました。
その間発熱などで休薬することもありましたが、減少、縮小、が見られ、効果があると思われました。
8月末のCT検査で、肺に増悪がみられ9月に医師に抗がん剤を勧められました。
今でもそうですが痛みや苦しさなど特に症状もなくこれまで日常生活普通に過ごしてきました。
腫瘍マーカーも当初からほぼ横ばいでマイナスで、CTを見ないと自分が癌であることを忘れるような状態です。
いつかはという思いは常にありましたが、副作用の伴う抗がん剤治療なので自分で納得して、受けたいと思います。

ただ、機序の違うフェソロデックスはまだ使えるのではないかと思う自分もいます。
主治医にはゼローダを勧められました。
フェソロはもう使うことはできないでしょうか。
抗がん剤もいろいろ使い方があると聞きました。
初め強い薬でいい状態まで持って行ってから、弱い薬を使う場合や副作用の少ない薬から使う場合など。
私はできるだけqolを保ち続けていく治療選択を希望しますが、迷っています。
要領得ない文章で申し訳ありませんが、先生のご意見をどうぞお聞かせください。

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

術後3年で再発、その後6年間(4年間ホルモン療法単独、そして2年近くアフィニトール+アロマシン)抗癌剤を使わずに維持されたわけですね。
1度も抗ガン剤を使用していないことから、かなりの効果が期待できます。

「肺に増悪がみられ」ということからは、(ここで、薬剤選択を誤ると)「QOL低下が避けられない」状況となります。
(私の考える)治療戦略は、あくまでも「病状に余裕の有る状態をキープする」ということになります。
ホルモン療法だけで「病状に余裕の有る状態がキープできた」ことは大変幸いだったと思いますが、(タイミングを誤り)「一度、後戻りできない状況となってしまう」と、(病状に余裕が無くなり)「QOLを改善できぬまま、打つ手がなくなる」状況になりかねません。

「主治医にはゼローダを勧められました。フェソロはもう使うことはできないでしょうか。」
⇒考え方です。

 「ゼローダもフェソロデックスもある程度の効果は期待できる」とは思いますが…
 「肺に増悪」が見られる状態で、「じり貧」になってしまうリスクがあります。

 「きちんと効果があるアンスラもしくはタキサン」を用いて『まずは、病勢を立て直して』から、それらの薬剤(経口抗がん剤やフェソロデックス)で維持を図る方が安心感があります。

「抗がん剤もいろいろ使い方があると聞きました。初め強い薬でいい状態まで持って行ってから、弱い薬を使う場合や副作用の少ない薬から使う場合など。」
⇒まさに、その通りです。医師によって「かなり考え方が異なる」領域と言えます。
(厳密なガイドラインは存在しません。患者さん個々の状況や意思が異なるからです)

 ただ、様々な再発医療を経験してきた私の出した結論は
 『最強で最良(副作用が少ない)の抗ガン剤であるbevacizumab + paclitaxelで、まずは高い位置に立つ』⇒(そして、その後)「そのいい状態を(経口抗がん剤やホルモン療法で)維持する」というものです。
 
 ここで順番を誤り、「ホルモン療法で引っ張り過ぎる」ことにより、「病勢がある一定以上に進行」してしまうと、その時点で慌てて抗ガン剤を使用しても「病勢を立て直す事ができず、QOLの低い状態で過ごす事になる」リスクがあるのです。

「私はできるだけqolを保ち続けていく治療選択を希望します」
⇒「QOLを保ち続ける」ためには、「きちんとした抗ガン剤で、一度病勢を立て直す」ことをお勧めします。





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