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術後療法について

[管理番号:5929]
性別:女性
年齢:41歳
こんにちわ。
昨年11月乳癌と診断されて以来、こちらのサイトで勉強させていただいてます。
告知から、これからどうなるんだろうと精神的にどん底に落ちましたが田澤先生の皆さんへのわかりやすく丁寧な回答を読ませていただきながら、私自身も救われる思いでおりました。
早速ですが、質問よろしくお願いします。
昨年10月(上旬)日、自己触診で右乳房外側上にしこりを自覚し、近くの乳腺外科クリニックに受診。
マンモ、エコーにて7~8ミリの腫瘍を確認。
組織診を希望し、11月(上旬)日浸潤癌と告知を受けました。
12月(上旬)日に右乳房温存術とセンチネルリンパ節生検。
12月末に病理結果が出ましたが、術前針生検との結果の違いに戸惑い、
術後療法を悩んでいます。
(病理のコピーはくれませんでしたので、暗記
とメモ程度ですみません)
術後病理結果
浸潤性乳管癌
腫瘍径9×6ミリ
センチネルリンパ節(0/4)
断端陰性
組織学的グレード1
脈管浸潤ly(ー) v(+)
ER50%以上
PRG50%以上
HER2 2+ FISH中
ki67 25%
造影CTにて遠隔転移なし。
術前組織診では、トリネガだったと術後に知らされました。
ただ、術後病理ではホルモン受容体が陽性になったのでホルモン療法と放射線療法をすすめられ、HER2陽性になれば抗HER2療法も追加。
ただ主治医は、おそらくHER2は陰性と出る可能性の方が高いと。
その場合、ki67の値からルミナールBとなるので、ケモの適応もある、やるならTC、強くは勧められてはいませんが、自分で決めてと言われました。
オンコタイプDXをするには、金額的にも大きいですし、中間リスクとでたら、結局自分で決めなきゃならないと思うので、オンコタイプはせずHER2陰性なら、ホルモン療法単独にしようと考えています。
その場合、私の生存率、再発率はどうなりますか?
ケモの上乗せはどの位になりますか?
あと、針生検ではトリネガだったと言われたのが気になって、以前田澤先生が他の方の質問で、サブタイプは術前組織診の結果で決め、ki67だけは術後の病理全体で見ると回答されているのを拝見しましたので、本当は私はトリネガで術後療法はケモしかないのでは?と悩みます。
年末年始を挟み、FISH結果も遅れていて、毎日悶々と悩む日を過ごしております。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
まず重要なことは完璧な早期癌であるということです。
余計な情報に振り回されずに「早期であることは最大の武器」であることを自覚しましょう。
「ただ主治医は、おそらくHER2は陰性と出る可能性の方が高い」
⇒HER2 2+ではFISHで陰性となる確率が75%ほどになります。
「その場合、ki67の値からルミナールBとなるので、ケモの適応もある」
⇒誤りです。
 グレーゾーンであり、私の経験からは『今週のコラム101のグラフを参照のこと』、Ki67が30以下は低リスクが多いのです。
「HER2陰性なら、ホルモン療法単独にしようと考えています。その場合、私の生存率、再発率はどうなりますか?ケモの上乗せはどの位になりますか?」
⇒このQ and Aを良く見ればわかりますが…
 ルミナールAなのかBなのか解らない以上、これらの数値は不明です。(ケモの上乗せはAなら少ないし、Bなら多いのです)
 もしも知りたいのであれば「OncotypeDX」するしかありません。
 上記の理由より、私は「ルミナールタイプ」でのそれらの値についてはコメントしないようにしています。
「本当は私はトリネガで術後療法はケモしかないのでは?と悩みます。」
⇒これは違います。
 「陰性なのに陽性と出る」ことは決してありません。
 ★これが「術前針生検でルミナール」だったのに「術後標本でトリネガ」であれば、「術前針生検の方が正しい(術後標本では標本の取り扱が悪く、染色性が失われたのでは?)」となります。