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術後補助治療について

[管理番号:6428]
性別:女性
年齢:54歳
告知されてからの不安な気持ちを、「乳がんプラザ」に支えていただいております。
本当にありがとうございます。
2月末に乳がんの告知をされ、生検の結果her2乳癌とわかりました。
術前化学療法を勧められましたが、温存が必ずできるわけでもないと聞いたことと、
こちらで先生のご回答「術前化学療法は小さくして温存、あるいはそのままでは手術不能な場合」を読ませていただいた結果、全摘で手術を先にしてもらうことに決め、5月に乳房切除手術を受けました。
先日病理結果が出たので、術後補助療法についてお伺いしたく質問させていただきました。
組織型
浸潤性乳管癌(特殊型・アポクリン癌)
浸潤癌の部分 1.5cm×0.5cm×0.5cm
非浸潤部(浸潤癌でない部分の大きさ、全体の広がり) 3.5cm×1.8cm×1.2cm
切除断片の状態 陰性
リンパ節転移 無し 1個切除、うち転移は1個も無し
リンパ管侵襲 無し
静脈侵襲  無し
波及度 乳腺・脂肪
核、組織の異型度  グレード1
ホルモン感受性 無し  ER 0% PgR 0%
HER2 +3
ki-67 20%
Pt1 N0  M0
HER2タイプ ステージ1 
術後補助療法としてT(タキソテール)C(エンドキサン)×4+ハーセプチン1年を提案されています。
サブタイプがher2なので、抗がん剤+ハーセプチンが標準治療であるということは頭では分かっているのですが、抗がん剤にかなりの抵抗があり、主治医の提案にすぐに首を縦にふることができませんでした。
術前ではないので、抗がん剤が効くかどうかはわからないし、したから再発・転移がないとも限らない。
でも、術後補助療法をしない手はないと言われました。
仕事との両立が可能でないと、治療費だけでなく生活費も捻出できないので、副作用の心配もあります。
もし先生が術後補助療法を勧められるとすると、このような病理結果の患者には、どのようなものをご提案されますか?
また、手術単独の場合どれくらいの再発・転移のリスクがあるか。
術後補助療法を受けると、そのリスクはどのくらいになるか。
について教えていただきたくお願いいたします。
お忙しいときに申し訳ございません。
よろしくお願いいたします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「術前ではないので、抗がん剤が効くかどうかはわからない」
⇒誤り。
 重要なのは「再発抑制に寄与するのか?」であり、「小さくなる≠再発抑制に意義がある」なのです。
 そもそも「再発抑性効果があるのか?」と「(術前に行ったとして)目に見える腫瘍が小さくなるのか?」は全く無関係です。
 ☆術前抗がん剤で縮小したとして、「だから、抗癌剤を行えば再発しないんだ!」ということではないのです。
「手術単独の場合どれくらいの再発・転移のリスクがあるか。」
⇒NewAdjuvant.comが閉鎖中(メンテナンス中)なので不明です。
「術後補助療法を受けると、そのリスクはどのくらいになるか。」
⇒半分です。(つまり、仮に無治療で再発率が20%なら10%に低減し、無治療で40%ならそれを20%に低減します)
 ☆抗HER2療法は「再発率を半分とする」のです。