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術後瘢痕について

[管理番号:4365]
性別:女性
年齢:46歳
 
 

質問者様の別の質問

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管理番号:1902「不安です

 
 
先生、お世話になります。
おかげさまで術後治療が完了し、現在は経過観察に入っております。
いろいろと相談にのっていただき、先生には本当に感謝しております。
先日来、また悩んでいることがあり相談させていただきます。
過日健康診断を受けられる機会ががあったので婦人科検診も一緒に受けました。
乳がん検診は触診と超音波でした。
その超音波の検査でいきなり、女性の技師さんなのか先生なのかばたばたしだし、出たり入ったり、超音波も何回もされるので、何か問題があるのかお聞きしたところ、「できるだけ早く主治医に診てもらってください」と言われました。
再発かもしれない、5ミリ以上はあります、とのことでした。
(紹介状には1×1×1のような記載でした)その後、別の先生?のところへ行かされたのですが、画像を見て「手術をした先生でなければわかりませんね。
FAX送るので診てもらってください」でした。
不安でどうやって帰ったのか覚えていません。
それが後日、主治医のところに行ったところ、一言、「術後の変化です」と言われました。
私は再発とばかり思っていたので、ほんとにそうなのか、組織の検査をしなくてもいいのかお聞きしたら、「必要ないです」とのこと。
先生、そんなことってあるのでしょうか? 
主治医は「術後には、こういうことがあるからあまりよそでは超音波しないほうがいい」といわれました。
あれから何日も経つのですが、私はまだショックと不安で、ほんとに大丈夫だったのだろうか、あの何日かは何だったのだろうか、何が問題でだったのだろうか、という気持ちを持ちながら過ごしております。
①それで、今週、田澤先生のところで診察を受ける予定にしているのですが、私は気にしすぎでしょうか?
②検診は、ほんとうに健康な人でないが異常を見つけるのに適していて、私のように乳がんになった人が受けるのは不向きなのでしょうか。
③また検診の先生?は術後の変化と腫瘍はそんなに見分けるのは難しいのですか?
治療が終わり、元の生活に戻りつつあった矢先のことで、なかなか立ち直れずにいます。
お忙しいところ申し訳ありませんがよろしくお願いします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「できるだけ早く主治医に診てもらってください」
「再発かもしれない、5ミリ以上はあります」
「手術をした先生でなければわかりませんね。」
「術後の変化です」
「術後には、こういうことがあるからあまりよそでは超音波しないほうがいい」

⇒これは、良くあることです。
 私自身の患者さんも、似たようなケースはしばしばあります。
 ①(質問者のように)術後の変化を超音波で捉えられるケース
 ②(術後ではなく)マンモトーム後で「引きつれ」を「マンモグラフィー検診」で指摘されるケース
 ③(やはり、術後ではなく)「エコー検診」で指摘されるケース
「①それで、今週、田澤先生のところで診察を受ける予定にしているのですが、私は気にしすぎでしょうか?」
⇒執刀医が判断しているのだから大丈夫そうです。
「②検診は、ほんとうに健康な人でないが異常を見つけるのに適していて、私のように乳がんになった人が受けるのは不向きなのでしょうか。」
⇒原則的にはそうですが…
 しかし実際は、「自治体検診で無料に受けられる」場合や「会社の検診で必須だから」という場合など、受けても何ら差し支えありません。
 ただし、今回のような「検診結果で怖い事を言われる可能性」があることは承知しておく必要があります。
「③また検診の先生?は術後の変化と腫瘍はそんなに見分けるのは難しいのですか?」
⇒これは当然です。
 術後の変化は、「そのようなケースを数多く」診ていると「(腫瘍としては不自然な)独特のパターン」があるので、殆ど解るようになります。
 例えば、私であれば術後の定期通院している患者さんを全て自分でエコーしているので「術後瘢痕のパターン」が「いつか見たことがある像」として頭の中に蓄積されていき安心して診ていられます。
 その私でも、たまに「術後の変化だとは思うが…」と確信が持てずに「組織診」することがあります。
  ♯そのようなケースでは、患者さんには(結果が出るまで)余計な不安を与えることとなるのですが、結局殆どが、「術後瘢痕」という結果で一件落着となります。
(私にとっては貴重な経験です)
 
 ○術後の患者さんをエコーしていない「検診エコーの技師」や「自分でエコーしない乳腺外科医」が「自信を持って見分けるのはかなり困難」なのです。