乳がん手術は江戸川病院・東京

[管理番号:6226]
性別:女性
年齢:76歳

お忙しいところよろしくお願いいたします。

皆さんのように細かな情報が無く大変申し訳ありませんが、
先生の見解をお聞かせいただきたくこちらへ質問させていただきました。

76歳になる母についての相談です。

術後の病理の結果
・リンパ節転移 転移あり
・多臓器転移 なし(手術前検査)
・HER2 3+
・しこりの大きさ 2cm

先週右胸の全摘手術を受け、センチネルリンパ節生検でもリンパへの転移は無いとのことで無事先日退院いたしましたが、
本日手術後初めての診察でセンチネルリンパ節生検で摘出したリンパ節に1.5ミリの癌が見つかったとお話しがありました。

今後の治療方針として、抗がん剤を3週間に一度×4回
ハーセプチンを1年間 ホルモン療法を5年間 と提示を受けましたが
高齢のため、抗がん剤での治療は患者本人の意思次第だと言われました。

母親は心臓があまり強い方ではなく、またその他の副作用諸々を考えると抗がん剤での治療はためらわれます。

手術後の病理検査の結果はまだ出ておりませんが、今回脇のリンパ節への転移が見付かったことで
抗がん剤使用も含めて予後について不安と心配いっぱいでです。
(遠隔転移など)

今回の医療方針の件とは別ですが、OncotypeDX検査についてはHER2陽性の場合は検査対象外ということでよろしいでしょうか。

先生のご意見を頂ければと思います。
どうかよろしくお願いいたします。

色々と勉強不足で申し訳ございません。

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

物事は整理してシンプルに考えなくてはなりません。
論点は3つ

1.センチネルリンパ節に微小転移が見つかったことと、抗癌剤(この場合には抗HER2療法)とは無関係(リンパ節転移があったから抗癌剤をしましょうは、古い考え方です。そもそも微小転移と予後に相関なし)
2.76歳と言う年齢(70歳以上での術後抗がん剤の有効性は確認されていない)
3.抗HER2療法をやる場合には絶対にハーセプチン単独はしてはいけない。(やるのであれば、抗癌剤との併用が必須)

「手術後の病理検査の結果はまだ出ておりませんが、今回脇のリンパ節への転移が見付かったことで 抗がん剤使用も含めて予後について不安と心配いっぱい」
⇒ここは無関係

 リンパ節転移は術後の抗癌剤と結び付ける必要はなし。(しかも微小転移)

「(遠隔転移など)」
⇒リンパ節転移と遠隔転移を結び付けるのは止めましょう。

「今回の医療方針の件とは別ですが、OncotypeDX検査についてはHER2陽性の場合は検査対象外ということでよろしいでしょうか。」
⇒その通りです。
 あくまでもHER2陰性のルミナールタイプでの適応です。

★お解りでしょうか?
まず「リンパ節転移うんぬん」は、綺麗さっぱり「忘れてしまう」ことです。
そして「抗HER2療法をすべきか?」ですが…

年齢からして「必須」ではありません。
ただ、お元気なのであれば(勿論)行った方が安心だとは思います。
○やるのであれば(絶対にハーセプチン単独とはせずに)必ず「抗癌剤との併用」とすべきであり、私であれば

 weeklyPTX+HERを勧めます。
 ♯weeklyPTXは12回が原則ですが、まずは6回を目標としましょう。
(ハーセプチン単独は絶対に避けるべきです)

 
 

 

質問者様から 【質問2 術後の治療について】

性別:女性
年齢:76歳

この度もお世話になります。

次回診察が近いため、前の質問から1週間を空けず投稿させていただきましたこと、どうかご容赦ください。

先日は当方のつたない質問文に分かりやすくお答えいただきありがとうございました。

先生のお言葉で母親共々本当に救われました。
感謝の気持ちでいっぱいでございます。

先生にご提案いただきました治療方針を次回の診察時、主治医へお話してみようと思います。

そこで何点かお伺いしたく、どうぞよろしくお願いいたします。

①weeklyPTX+HERとは、タキソールまたはアブラキサンとハーセプチンの同日投与を毎週行う という理解でよろしいでしょうか。

(まずは6回の投与をクリアできたら、続けて規定回数の12回を目指す)

②weeklyPTX+HERの投与が規定回数より少ない場合でもある程度の効果は見込めますか?

③weeklyPTX+HERでは抗がん剤の副作用の辛さに他の抗がん剤治療と程度の差はございますか。

(副作用の程度は人それぞれだとは思いますが、比較的楽であるとか。。)

④weeklyPTX+HERの投与終了後のハーセプチン単独の投与について、weeklyPTX+HER投与が規定回数未満時では投与回数に増減はございますか?

⑤術後の治療について主治医からはホルモン療法のみと説明を受けておりました。

しかし脇のリンパ節に転移があったことでホルモン療法に加えて抗がん剤+ハーセプチンの投与を提案されましたが
田澤先生に『リンパ節転移は術後の抗癌剤と結び付ける必要はなし。

(しかも微小転移)』とのお言葉をいただき抗がん剤での治療は必要なく、当初の通りホルモン療法のみでも治療的には大丈夫では?思うのですが、いかがでしょうか。

(ホルモン療法のみでもHART2陽性乳がんの再発や転移はある程度おさえられますか?)

⑥抗HAR2療法を行なわずホルモン療法のみを選択した場合、再発の確率と生存率にはどれぐらいの差があるのでしょうか。

(HART2陽性の場合、ハーセプチンの治療をしたかどうかでやはり予後に大きな違いがあるのでしょうか)

⑦先生にご提案いただいた治療方針を主治医に伝える時、どのように切り出したらよいでしょうか。

このような事を田澤先生へお聞きしてもよいのか悩んだのですが、まだまだ不勉強な素人が専門家である医師に上手く提案できる自信がありません。

ご教示いただけると幸いでございます。

お忙しい中大変恐れ入りますが、どうぞよろしくお願いいたします。

 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。

メール全体を読んでみて、理解に必要な内容を以下に示します。
良く読んで理解されるといいでしょう。

1.術後の補助療法
 発想として「リスクが高いから抗癌剤する」とか「リスクが低いからホルモン療法でいい(十分)」みたいな発想は止めましょう(その主治医には、その発想があるようですが…)

 シンプルに「効くものを行う」ということです。

2.weeklyPTX+HER
 PTXとは「パクリタキセル(商品名:タキソール)のことです。
 ①アブラキサンは本来術後の補助療法で使うべきではありません。(違反している医師も多いですが)
 ②最も副作用が弱い
 ③いきなり初回から副作用が出る事はなく、「回数が重なる」につれて蓄積された副作用を感じるようになります。(6回くらいなら、問題ないでしょう)
 
3.HER
 ハーセプチンは1年間なのです。(組み合わせる抗癌剤の期間が3カ月であろうと、半年であろうと)
 例) ハーセプチン+抗癌剤が6ヵ月なら、その後のハーセプチン単独は6ヵ月
    ハーセプチン+抗癌剤が3カ月なら、その後のハーセプチン単独は9カ月

4.抗HER2療法は(それをすることで)「再発率を半分にする」





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