乳がん手術は江戸川病院・東京


[管理番号:464]
性別:女性
年齢:57歳

はじめまして。
7年半前に乳癌を発症しました。
10mmの腫瘍でグレード2、エストロゲン、プロゲステロン陽性、HER2(-)、リンパ節転移なしで、放射線治療後、5年間ノルバデックスを服用し、現在アリミデックスを服用して2年半になります。

アリミデックスの副作用なのか、骨密度がYAN89%~85%だったのが毎年下がり、今年は78%まで下がってしまいました。
骨粗鬆症の薬を飲むべきでしょうか?それともアリミデックスの服用は止めた方が良いのでしょうか?

最近「10年間のタモキシフェン療法により乳癌再発が減少し、生存期間が改善する」と言うサンアントニオ乳癌シンポジウムの記事を読みました。

私が治療を始めた時はタモキシフェンを5年間服用し、更に5年間アロマターゼ阻害剤の服用が標準治療だったのですが・・・。

私はノルバデックスの副作用はありませんでしたし、ノルバデックスは骨粗鬆症の予防にも効果があります。

またノルバデックスに戻す事は不可能なのでしょうか?

乳癌の治療は日進月歩で次々新たな薬や治療法が変わってゆきます。

出来れば骨粗鬆症の薬を服用するのでは、再びノルバデックスに変える事が出来れば・・・と思うのですが、ご意見頂けたらと思います。

よろしくお願い致します。

 

田澤先生からの回答

 こんにちは。田澤です。
 術後内分泌療法についてですね。
 タモキシフェン5年投与後、アロマターゼインヒビターへの変更がいいのか。タモキシフェン継続でいいのか。2015 St. Gallen でも議論となっています。

回答

「骨密度がYAN89%~85%だったのが毎年下がり、今年は78%まで下がってしまいました。骨粗鬆症の薬を飲むべきでしょうか?それともアリミデックスの服用は止めた方が良いのでしょうか?」
⇒骨粗鬆症の薬剤も検討していいとは思いますが…
 アリミデックスの服用は継続した方がいいと思います。

 YAM(Young Adult Mean)78%は決して低すぎる値ではないので、食生活などの努力でまずは様子を見てもいいと思います。
 

「私が治療を始めた時はタモキシフェンを5年間服用し、更に5年間アロマターゼ阻害剤の服用が標準治療だった」
⇒(厳密にいうと)ここは、まだ「標準治療」とまでは言えない(議論のあるところ)で推奨度はBとなっています。

タモキシフェン⇒アロマターゼインヒビター(計5年投与)は推奨Aとなっていますが、
タモキシフェン(5年)⇒アロマターゼインヒビター(5年)は「無再発生存は改善するが、生存率は改善しない」ので「効果と副作用のバランスを説明の上、推奨される」推奨度Bとなるのです。
 

『「10年間のタモキシフェン療法により乳癌再発が減少し、生存期間が改善する」』
⇒これはATLAS試験の結果、明らかとなったもので、「これからのタモキシフェン投与期間」に大きな影響を与える事はたしかです。

 しかし、タモキシフェン10年投与が「タモキシフェン5年⇒アロマターゼインヒビター5年」より優れていると言えるかと言えば、比較はできません。
 それぞれの「臨床試験の対象患者が異なっている」からです。
 

◎それでは現在、どのように考えられているか?というと
 St. Gallen 2015という権威のある国際会議では「(タモキシフェン5年投与後として)2/3以上がタモキシフェン継続よりもアロマターゼインヒビターへの変更を支持」しています。
 まだ、結論はでていない(直接比較がない)のですが、趨勢は「アロマターゼインヒビターへの変更」と言えます。
 

「再びノルバデックスに変える事が出来れば」
⇒現時点では「アロマターゼインヒビター」の方が推奨されている事を理解された上で、『骨密度低下を危惧して』「タモキシフェンへ変更」する選択はありでしょう。

 ただし、タモキシフェンには「子宮体癌」という問題があり(子宮体癌は閉経後に多いようです)、「アロマターゼインヒビターの有効性も考慮」すると、安易に勧めるつもりはありません。
◎骨密度YAM 78%は許容範囲と思います。





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