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非浸潤性乳管癌と言われました。

[管理番号:4311]
性別:女性
年齢:44歳
田澤先生、よろしくお願いいたします。
自覚症状はなく、健診のエコーで8.9ミリのしこりがあり血流がないので経過観察と言われましたが気になったので、その後乳腺クリニックで診ていただき、マンモグラフィーでは特に写っておらずエコーではしこりが確認できました(血流があると言われました)。
触診では触れる感じはないと言われました。
細胞診はクラス3でしたので針生検をして、非浸潤性乳管癌・非面疱型と言われました。
初期の段階であり、今の状態であれば手術の後は放射線とホルモン治療と言われました。
近々MRIを撮ります。
自覚症状もなく突然すぎてとまどいましまが、きちんと向き合っていこうとは思っているのですが、診断書を見て自分なりに調べてもわからないこともあるので、以下頂いた紙に書いてあった診断の意味を教えて頂けたらと思います。
手術は4月くらいになると言われました。
『切片の乳腺組織では、乳管ないし小葉内に
限局して、充実型/篩型/微小乳頭型を示して
増殖、進展する腫瘍組織を認める。
腫瘍組織は大型、多角形で核はクロマチンの粗造な疑集を伴う。
腫瘍細胞の多形性は中程度で、
centralnecrosisを伴う。
これらの所見は
非面疱型、非浸潤性乳管癌の像に一致する』
お忙しい所申し訳ありません。
よろしくお願いいたします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
質問者は「検診のエコーで経過観察となるところ」を自らの手で、「早期発見を勝ち取った」
まずは、それだけで「治療の90%以上の勝利を勝ち取った」と言えます。(決して大げさな表現ではありません)
あとは「きちんとした治療」がされることを願います。
質問者に行っても仕方がないことですが、(結果として癌だったのに)「細胞診でクラス3しか出せない」ことは、その医師の診断技術そのものです。(猛省を促したい)
「診断の意味を教えて頂けたらと思います。」
⇒(非コメド型)非浸潤癌だということです。
 マンモグラフィーでも(壊死型)石灰化を認めなかったこともそれを指示します。
「腫瘍細胞の多形性は中程度で、centralnecrosisを伴う」
⇒(central necrosisとは中心壊死のことで、)乳管内に腫瘍細胞が増殖して中心が壊死を起こしているの所見があるので、これ以上、この変化が進めば「コメド型」となりマンモグラフィーで「壊死型」石灰化を認めることとなります。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

田澤先生、再質問ですがよろしくお願いいたします。
前回の診断からMRI、PETCTを経て、7×10×14㎜の濃染腫瘤を認め辺縁鋸歯状の形態で胸壁や皮膚への浸潤像は見られず、
腋、傍胸骨部、鎖骨、縦隔に有意なリンパ節腫大を認めませんと言う結果で、
左乳房は内視鏡手術もしくは(私が今のところ希望している)全摘どちらでも選択肢がありますと言われました。
3月半ばに手術が決まりました。
その診断書に
右乳腺EA領域の乳頭下10㎜の部位には、長径5㎜の濃染腫瘤を認めます。
辺縁は平滑です
が、散強像で軽度高信号、造影後はrapid-washotパターンを呈しています。
乳がんの除外が望まれます。
とありました。
また、
両側乳腺に5㎜に満たない濃染域を散見しますが、質的診断には至りませんでした。
とありました。
乳がんのある左乳房は再発の不安を抱えたくないので全摘を考えています。
右乳房はこの文面より乳がんの可能性があるということでしょうか。
以上
よろしくお願いいたします。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
質問者には大変、悪いのですが…
「非浸潤癌」という診断なのにPETを撮影しているとは…
 
「右乳腺EA領域の乳頭下10㎜の部位には、長径5㎜の濃染腫瘤」
「右乳房はこの文面より乳がんの可能性があるということでしょうか」

⇒これは(造影)MRIの(time intensity curveの)所見ですね。
 「造影後はrapid-washotパターン」というのは、乳癌の可能性を考えなくてはならない所見ですが…
 実際は例外も多いので、必ず超音波で確認し(良性との確信がなければ)「手術前までに組織診」するべきです。