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B型肝炎と化学治療

[管理番号:6269]
性別:女性
年齢:61歳
お忙しい中、お手間を取らせて恐縮ですがぜひ先生のご見解を頂ければと思います。
どうぞ宜しくお願い致します。
経過
  3/4  左乳房全摘
データ(分かる範囲)
  ステージ    Ⅰ期 硬がん 浸潤径 1.2cm
  しこりの数   2個 (内1個は極微小 0.02cm?)
グレード    1
  ER  陽性
  PgR      陰性
  HER2     陰性
  Ki67     35
  リンパ節転移 なし
  多臓器転移  なし
主治医からの治療計画
  抗がん剤 TC6回  ドセタキセル 250ml
  エンドキサン 250ml
  アリデミックス 1mg 5年服用
4/(上旬)  第1回目の化学治療の朝、「B型肝炎キャリア」であることが判明したので、治療は延期して血液検査を追加。
「血中に出ているか調べる(抗体有無の検査?)」との連絡
が主治医からありました。
血液検査の結果にかかわらず、化学治療は4/17に予約が入ったまま帰宅して今日に至っています。
そこで先生にお尋ねしたいことは、
 1,B型肝炎発症そして重症化リスクは抗ウイルス薬でコントロールは本当に可能ででょうか?
 2,抗がん剤投与は6回を提案されていますが、4回では不十分でしょうか?
私データから結果にどの程度の期待差異が生まれますか?
 3,そもそも私の場合、ステージⅠ、グレード1、リンパ節転移なし、Ki35,そしてB型肝炎キャリア等を総合的に考慮しても、抗がん剤は有効かつ期待値が高い選択でしょうか?
 4,術後の傷がピリピリとした知覚過敏な状態にあることを主治医に訴えると、
「ずっと続くので気にしないことが幸せへの道。
腕は挙がるでしょう?日常生活に何らか影響はないはず。」とのお返事でした。
また「化学療法による手足の痺れも終了後、軽度残る。」とのこと。
本当に今後一生付き合っていかなければならない後遺症なのでしょうか?
それを思うと化学療法を受けるメリットに自信がないまま2週間後に突入することに不安を覚えます。
先生のご見解を伺えれば、必要な抗がん剤でしたら心を決めて臨めます。
ご多忙中、本当に申し訳ありませんがどうかお返事を頂けますよう、宜しくお願い致します。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「 1,B型肝炎発症そして重症化リスクは抗ウイルス薬でコントロールは本当に可能ででょうか?」
⇒絶対保証は誰にもできないと思いますが、十分期待できます。
「 2,抗がん剤投与は6回を提案されていますが、4回では不十分でしょうか?
私データから結果にどの程度の期待差異が生まれますか?」

⇒「差異」は解りませんが…
 4回でいいでしょう。(何故6回なのか不明)
「 3,そもそも私の場合、ステージⅠ、グレード1、リンパ節転移なし、Ki35,そしてB型肝炎キャリア等を総合的に考慮しても、抗がん剤は有効かつ期待値が高い選択でしょうか?」
⇒本当に質問者にとって「上乗せ」があるのかはOncotypeDXでもしない限り解りません。
 ただ、「もしも質問者が実際にルミナールBならば」 (B型キャリアーだとしても)十分価値が有ると思います。
「本当に今後一生付き合っていかなければならない後遺症なのでしょうか?」
⇒その内、気にならなくなります。
 
 

 

質問者様から 【質問2 】

B型肝炎と化学治療
性別:女性
年齢:61歳
お返事を頂き本当にありがとうございました。
もう少し追加の質問をさせて頂いてもよろしいでしょうか?
 1、主治医からは「B型肝炎が活性化する確率は1%未満だから」と何の予防的処置もせず、来週から化学療法が始まります。
これでいいでしょうか?
 2、主治医がTC6回を勧める理由は「それが標準治療だから。最低4回、推奨6回」です。
先生の「4回でいいです。」のお言葉は必要かつ十分な回数と受け止めてよろしいでしょうか?
 3、主治医がルミナルBと判断した根拠は、Ki67 35%の数値で「カットオフ値は20%だから。」との説明です。
オンコタイプDXは高額で躊躇します。
オンコタイプDX検査なしで先生が私を判断すれば、やはりルミナルB→化学療法 でしょうか?(「Ki67〈25%でルミナルBと判断します。」と他の患者さんにコメントされていました。)
 「ルミナルBであれば、たとえB型肝炎キャリアでも化学療法をやる意義はある。」とおっしゃってくださったので、その言葉を支えに化学療法に臨もうと思っています。
 くどくどと先生のお返事を重複するような内容になって申し訳ありませんが、お返事を頂ければ心強い限りです。
宜しくお願い致します。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
「1、主治医からは「B型肝炎が活性化する確率は1%未満だから」と何の予防的処置もせず、来週から化学療法が始まります。これでいいでしょうか?」
⇒本当にキャリアー(HBs抗原陽性)ならば…
 肝臓専門医にコンサルトすべきです。
 ただし、用語的に誤り(キャリアーではない=HBs抗原陰性)で、既往感染(HBs抗体陽性)の場合にはウイルス量(HBV-DNA)定量をして、「検出感度以下」ならば、核酸アナログは不要です。
 ★実際は質問者は「キャリアー=HBs抗原陽性」ではなく、「既往感染=HBs抗体陽性」ではないのでしょうか?(主治医に確認が必要です)
「十分な回数と受け止めてよろしいでしょうか?」
⇒その通りです。
「 3、主治医がルミナルBと判断した根拠は、Ki67 35%の数値で「カットオフ値は20%だから。」
⇒誤り。
 グレーゾーンです。
「オンコタイプDX検査なしで先生が私を判断すれば、やはりルミナルB→化学療法でしょうか?」
⇒グレーゾーンです。
「くどくどと先生のお返事を重複するような内容になって申し訳ありません」
⇒同じ質問を繰り返す質問者が最近増えていますが…
 今後は、気をつけてください。