乳がん手術は江戸川病院・東京


[管理番号:297]
性別:女性
年齢:40歳

12年前にしこりを見つけ、大学病院の乳腺外科を受診しました。

触診、エコーの検査の結果、触れ方とエコーでのしこりのいびつな形で担当医は乳がんを疑い、マンモ、細胞診、針生検をしました。

マンモは写らず、細胞診、針生検は問題なしで、今後は毎年マンモとエコーで経過を見ることになり、途中で引っ越しのため病院を変えましたが検査を受け続けて今に至っています。

今回、また引越しのため病院を変えたところ、エコーの画像をみた担当医が、まずこれは悪いものではないという前提で経過を見てきたのですか?と聞かれました。やはりエコーの画像が乳癌のような写り方だからです。
(マンモでは写っていませんが)
その担当医は12年前の検査の精度にも不安があるし、大きさは1cm大きくなった程度だから問題ないと思うけど、何より画像の形が気になるということで、針生検を進められました。

針生検受けるべきでしょうか?
やはり乳癌だったというこもあるのでしょうか?

 

田澤先生からの回答

 おはようございます。田澤です。
 「12年前針生検を受けて良性?」そして12年物間、大事に至らず。
 今になって、(新たな病院での医師から)「12年前の針生検の精度と(気になるからと)針生検の再検(12年ぶり!)」との事だと思います。

 「12年も(殆ど)変化無かったのだから癌ではないだろう」まず私の第1印象です。
 ただ、「他院の針生検や細胞診で良性」と言われても「自分の目で見て(本当に良性?)と思うもの」は(他院の医師の技術を完全には信頼できず)自分で「確実にしたい」と思う事は、日常的にしばしば遭遇します。

回答

「12年前の検査の精度にも不安」
⇒私も不安です。

 (今回の担当医は12年も前だから…というニュアンスの様ですが)私が不安を持っているのは「大学病院の医師の技術」です。
 「12年前は私は既に(大学病院医局を)でていましたが」 15年位前となると「丁度、針生検が広まり始めた頃で(私も当時、東北大学病院所属の若手医師でしたが)針生検をやっていました」
 正直、(その当時の医局の医師達、私も含めて)はお世辞にも「針生検」などの技術は(今考えると、大変)稚拙なものでした。

※大学病院のそのような状況は「15年経った今でも」変わりません。
 そもそも「大学病院」は若い医師が多すぎて「その割に症例数が少ない」ので「経験不足の上に症例不足」となり「診断技術の精度」にかなり問題があります。
 

 「針生検は問題なし」という記述がどうにも不安を感じます。
※本来、針生検で「きちんとした組織採取ができていれば」『線維腺腫』とか『乳管内乳頭腫』とか、しっかりした『組織診断名』が明らかとなる筈です。
 それであれば、今回の質問者も12年前に『問題なし』では無く『線維腺腫』などの診断名を言われ、それを覚えている筈だからです。
 

「針生検受けるべきでしょうか?」
⇒是非受けてください。

 私が当事者であれば、間違い無く同じ提案をします。(私の場合は『超音波ガイド下マンモトーム生検』にすると思いますが)
 

「やはり乳癌だったというこもあるのでしょうか?」
⇒(冒頭にも記載しましたが)12年も(殆ど破綻もせず)それほど変わらないものであれば、(乳腺外科の常識として)「癌ではない」と思います。

可能性のあるものを考えてみましたが、

  1. 乳管内乳頭腫:これは結構「形が歪」なものもあります。
  2. 線維腺腫:(質問者の12年前の年齢28歳を考えると)これも候補となります。線維腺腫も「かなり歪」なものもあります。
  3. 乳腺線維症、乳腺症:これらは「どんな形状でも」ありえます。

※(コントロール不良の糖尿病でもあれば)糖尿病性乳腺症も「画像上、癌にみえる」のですが、「質問者には当てはまらないようです。年齢を考慮して)
 葉状腫瘍は12年も「大きさが1cm程度しか変わらない」事はないでしょう。
 

◎12年の経過を考えると、「いくら、エコー所見があやしくても」癌では無いと思いますが、上記理由により針生検しておいた方がいいとおもいます。
 (針生検をしてもらう前に)担当医にこのように確認してください。
 「今度は、確定診断(病理診断)が判明するのですね。」と。(『異常なし』とかではなくて、きちんと『線維腺腫』や『乳頭腫』みたいな診断名が知りたいのです。と)

 
 

 

質問者様から 【質問2】

丁寧な回答ありがとうございます。

今日、針生検受けてきました。前回の診察時に針生検の予約をしたものの、検査前日に不安になり質問させていただきました。

帰宅後先生の回答を読んで、二つほど心配なことがあります。

1.受けた検査は「乳腺エコー下針生検」でした。
先生がお勧めする「超音波ガイド下マンモトーム生検」じゃなかったこと。

田澤先生が言われていたのと同じく、担当医も「乳頭腫」を口にし、いずれにしても今回針生検をすることで診断名がつきますと。

2.乳管内乳頭腫を調べてみると、そのものが癌化することはないが、将来乳癌を発症するリスクが高い病変と書いてありました。
これは乳頭腫ができる体質や状態は=乳癌も出来やすいという意味ですか?

乳癌ではないと確実な診断が出るのが一番嬉しいですが、「乳管内乳頭腫」と診断がついたら、それはそれで安心できないと不安になり質問させていただきました。

 

田澤先生から 【回答2】

 おはようございます。田澤です。
 「針生検をされた」との事、ご苦労様でした。
 担当医も「乳腺腫」を念頭においているとの事、「その超音波像が目に浮かぶようです」
 それでは回答します。

回答

「1.受けた検査は「乳腺エコー下針生検」でした。「超音波ガイド下マンモトーム生検」じゃなかったこと。」
⇒通常は針生検でも十分、「正確な診断」はできるので大丈夫ですが…

 私は「超音波ガイド下マンモトーム生検」が大変いい検査だと知っている(体感している)ので、私であれば「100%間違いの無い検査」として積極的に「超音波ガイド下マンモトーム生検」を行うようにしています。
 特に「乳頭腫」は(細胞診では必ずクラスⅢ鑑別困難が出る位に)癌との鑑別が困難な場合があります。
最終的に「摘出生検(外科的生検)」が必要となるケースもあるので、私であれば「より採取組織量が豊富で診断能力に秀でている」マンモトーム生検を最初から選びます。

※ただ、マンモトーム生検は「ステレオガイド下のものであれ、超音波ガイド下のものであれ」できる施設が限られています。
 「やりたくてもやれない」という事情もあるかもしれません。
 

「乳管内乳頭腫を調べてみると、そのものが癌化することはないが、将来乳癌を発症するリスクが高い病変と書いてありました。」
⇒その通りです。

 「乳管(腺葉)区域切除術」というのは、「分泌のある乳管を(乳頭直下から、完全に末梢まで)摘出する手術」の事です。
 これは、「乳頭分泌」が有り、更に「乳管造影を行い」乳管内に「陰影欠損=腫瘍」を認めた場合に行います。
      ↓
 (この手術をすると解るのですが)
 摘出した乳管の中には、「乳管内乳頭腫」の他に、多数の「小さな乳頭腫」を認め、時々その中に(1mmも無いような)非浸潤性乳管癌が見つかります。
※この頻度ですが、(正確な数値ではなく、あくまでも私自身の経験からの印象ですが)「血性分泌でこの手術を行った際には」2/3位と結構な頻度となります。
 「血性分泌で無い場合で行うと」そこまでは高くありません。
 

◎何故「乳管内乳頭腫があると、将来的に癌のリスクが高い理由」がおわかりでしょうか?
(上記のように)乳管内乳頭腫のできた乳管には腫瘍ができやすいのです。それは「良性=乳頭腫」の事もあるし、「乳癌」のこともあるのです。
 

「乳頭腫ができる体質や状態は=乳癌も出来やすいという意味ですか?」
⇒(上記で述べたように)こういう意味ではありません。

たんに、「乳頭腫のできた」乳管に「乳癌ができることがある」という意味であり、質問者が「乳癌になり易い=遺伝性乳癌など」という意味ではないのです。
 

「乳管内乳頭腫」と診断がついたら、それはそれで安心できないと不安になり質問させていただきました。」
⇒たしかに(上記で述べたような)リスク病変ということになります。

 ◎質問者に「乳頭分泌(血性に限らず)」は無いのでしょうか?(メールに記載が無いので無いとは思いますが…)
 もし「乳頭分泌」が有る場合(もしくは、今後出る場合)には先ほど記載した「乳管(腺葉)区域切除術」をすることをお勧めします。

 そうでなければ、1年に1回のチェックで十分です。(但し、超音波技術のしっかりとした)医師に超音波をしてもらってください。

 
 

 

質問者様から 
【質問3 針生検結果「adenosis」アデノーシスについて】

乳管内乳頭腫についてのご説明ありがとうございました。とてもわかり易くよく理解する事ができました。

今回針生検の結果は「adenosis」でした。
↓担当医とのやり取りです。

アデノーシス、初めて聞くのでよくわからないのですが・・
乳腺の組織が増殖して塊りになったもの。
更にに検査して調べる必要はありますか?
これが確定診断ですか?
今後は経過を見ていく必要はあるか?
更に検査の必要はなく、確定診断です。
年に1度マンモとエコーで経過を見ます。
経過を診る中でどんな変化があったら針生検などする必要があるのですか?
それは私が判断します。
adenosisがあるということは今後乳癌も含めて腫瘍ができる可能性が高いということすか?
乳癌の前の状態がなんなのか・・あまり解明されていないのでわかりません。
adenosisというのは珍しいのですか?
そうですね。おそらく日本語名もついていないと思います。ネットで調べてもよくわからないと思いますよ。
の検査結果をコピーでもらえますか?
せないです。

診断がでてもすっきりしない状態です。
調べるとadenosis=腺症(総称)で、腺症にも種類があり硬化性腺症(sclerosing adenosis)
閉塞性乳腺症(bluntduct adenosis)など他にも幾つかありました。しかし理解できる掲載が見つかりませんでした。

◎担当医は日本名はないと言っていたが
 adenosis=腺症という理解でよいのでしょうか?

◎マンモトーム生検をすれば、○○adenosis と診断名が出るのでしょうか?

◎マンモトーム生検を受ける必要はあると思いますか?

◎受けた方がいいという場合、田澤先生にお願いしたいです。紹介状、今回の画像、病理の結果データを揃えた方がいいですか?

◎乳管乳頭腫のように将来癌を発症するリスクが高い病変なのでしょうか?

12年前ほぼ癌だと言われ、針生検で乳癌の疑いが晴れたことをただ喜び、あまり理解しないまま経過を診つづけていました。今回また針生検が必要となり、色々調べ、不安にもなり知識がなさすぎる自分に反省しました。
今回はきちんと理解したいという思いが強くあります。

お忙しいところたくさんの質問で申し訳ありませんが、回答よろしくお願いいたします。

 

田澤先生から 【回答3】

 こんにちは。田澤です。
 針生検の結果は「adenosis」だったとの事。
 私自身、針生検をした際に「adenosisが含まれた病変」例えば「間質にfibrosisを伴い、乳管過形成やadenosisを認めます。乳腺症として矛盾しません」のような病理像は良く目にしますが、質問者の場合のように「adenosis単独で3.6cmもの腫瘤を形成」するのは比較的珍しいと思います
 

「adenosisというのは珍しいのですか?」
⇒全く珍しくありません。

 質問者の言うとおり「腺症」であり、その『乳管の増殖具合』と『間質の線維化及び上皮の委縮程度』により「blunt duct adenosis」や「florid adenosis」「sclerosing adenosis」などと細分化されます。
 これは(いわゆる)乳腺症の組織像としては一般に見られるものです。
 

「adenosisがあるということは今後乳癌も含めて腫瘍ができる可能性が高いということですか?」
⇒関係ありません。

 乳腺症は乳癌とは関係ありません。
 私が思うに、「乳腺症が乳癌になった」となっている場合には「(最初の段階で)乳癌を乳腺症と誤診していた」だけ。と思います。
 

「 私}今回の検査結果をコピーでもらえますか? 担}出せないです。」
⇒これはおかしいですね。

 何か「隠している事」があるのか?と思われても仕方がありません。
 間違った対応です。
 

「診断がでてもすっきりしない状態です。」
⇒私もそう思います。
 担当医の(病理レポートを渡さない)態度や「説明不足」に不満を持ちます。
 

回答

「◎担当医は日本名はないと言っていたが adenosis=腺症という理解でよいのでしょうか?」
⇒その通りです。
 上記で述べたとおりです。
 

「◎マンモトーム生検をすれば、○○adenosisと診断名が出るのでしょうか?」
⇒(本当に診断名がadenosisだとして)
 病理医の「こだわり」姿第です。Adenosis以外にも「乳管過形成」とかいろいろな所見があると思います。
 『マンモトーム生検をすれば、3.6cmの腫瘍が adenosis一言で終わるということは無い』でしょう。
 

「◎受けた方がいいという場合、田澤先生にお願いしたいです。紹介状、今回の画像、病理の結果データを揃えた方がいいですか?」
⇒是非、私にマンモトームさせてください。(診断は100%です)
 私のマンモトーム症例は(ステレオガイドだけでなく、超音波ガイドも)非常に多く(マンモトーム販売元である)「デビコアジャパン」から近々表彰される予定となっています。

 ※今回、私があらたにマンモトームするのであれば、「紹介状、今回の画像、病理の結果データ」は一切不要です。
 

「◎乳管乳頭腫のように将来癌を発症するリスクが高い病変なのでしょうか?」
⇒adenosisは(通常に良くある病変であり)リスクではありません。
 

★私は今回のメール内容を読んで「是非、マンモトームで決着をつけてあげたい」と思いました。
 (勿論、今までの経緯から「癌の可能性は低い」と思いますが)質問者の『今回はきちんと理解したいという思いが強くあります。』という意思を強く支持します。

 是非、江戸川病院を予約してください。

 私は、『受診した、その日の内に(超音波ガイド下)マンモトームしています(石灰化のステレオガイド下マンモトームは予約性ですが)』

 
 

 

質問者様から 
【質問4 再度針生検するとき前回の針生検の影響は?】

田澤先生、回答ありがとうございました。

何度も読み返し気持ちも決まり、決心できたので5/○に予約を取らせていただきました。

もっと早く取りたかったのですが、先生の病院は、やはり人気があるのですね。
 

申し訳なく迷いましたが質問させてください。

予約の電話の際、簡単なこれまでの経緯とマンモトーム生検を受けい旨を伝えたところ、前回の針生検からまだ経過していないので、とりあえず診察の予約ということになりました。

4/○に他院で針生検を受けています。
前回針生検による内部の出血などが影響して、検査結果が正確に出ない、または画像が診難くなるや紛らわしい写りかたをするなどがあるのでしょうか?

6月に診察や検査した方がベストな状態というなら予約を変更しようと思います。

7月に東南アジアに引っ越す予定もあり、6月中旬以降には延ばせません・・

渡航前に早く落ち着きたい気持ちもありますが、なによりも今回の診察、検査を最大限有効なものにしたいです。すっきりしたいです。

あとマンモ検査の画像は、月経前、後で画像の映りに影響ありますか?

回答よろしくお願いいたします。

 

田澤先生から 【回答4】

 こんにちは。田澤です。
 正確な日付は伏せますが、私が全て承知の上での回答となります。

回答

「4/○に他院で針生検を受けています。前回針生検による内部の出血などが影響して、検査結果が正確に出ない、または画像が診難くなるや紛らわしい写りかたをするなどがあるのでしょうか?」
⇒1カ月以上経っているので大丈夫です。

 5mm以下の病変であれば、「影響が出る可能性」もありますが、「3.6cmの腫瘤」ですので全く問題ありません。
◎「取りあえず診察の予約」というのは看護師だと思いますが、「看護師には、そこまでの判断ができない(またはする権限が無い)だけ」の話です。
 御心配させて、申し訳ありません。
 

「マンモ検査の画像は、月経前、後で画像の映りに影響ありますか?」
⇒全く影響ありません。

 ただご本人にとって「挟まれた際の痛み」には影響あるとは思いますが…
 画像には「何ら問題ありません」

◎間違いなく、「超音波ガイド下マンモトーム」で確定診断をつけますので、「安心」してください。
 もし遠方なら、「結果も郵送」も可能です。

 
 

 

質問者様から 【感想5】

マンモトーム検査は正直少し怖いですが、安心して診察、検査を受けられます。
当日、よろしくお願いいたします。

私の考えすぎによる質問も含めてこれまで丁寧に回答してくださりありがとうございました。





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