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肺転移

[管理番号:6390]
性別:女性
年齢:48歳
 
田澤先生おはようございます。
お忙しい中いつも有難うございます。
毎日読まさせていただいております。
 
先週、転移発覚後2回目のCT検査の結果を聞いてきました。
1月上旬CTにて転移発覚後、ドセタキセル単剤で治療を行いました。
点滴の量と間隔ですが、1回目100% 副作用が凄すぎて2回目3週後80% 3回目4週間後60% 4回目4週間後60% CT検査
 
  
その後、点滴1週間後から帯状疱疹にかかり CTは造影剤を使わずに行いました。
その検査結果ですが、1月初旬と比較して、両肺に多発した転移巣は一回り増大している。
肝臓6Sにみられた淡い低吸収結節は一回り増大している。
(前回 5mmで転移の疑いとのコメント)
右鼠径部には腫大したリンパ節が描出されているが、これは経過観察が必要です。
との結果でした。
 
肺転移の腫瘍は小さくなっているなり、せめて大きさが変わらなければ
いいと思っていましたが、かなり落ち込みました。
 
質問ですが、
① これはドセタキセルが全く効かなかったのか、或いは薬剤の量なの
 か、それとも効いているけどスピードが速いからこういう結果なの
 か、田澤先生でしたらどのように考えますか?
 
② 肝臓はやはり転移ですか?
 
③ 右鼠径部リンパ節腫大は転移ですか?
  この付近に帯状疱疹ができていて、だいぶカサブタにはなった状態
 ですがまだ湿疹の後は残っています。
  (ほかのリンパ節には問題はなさそうです、自分としては帯状疱疹
 のせいと考えたいですが) 
 
④ 私の場合、腫瘍マーカーは正常値でこの約3年弱の間で数値はほと
 んど変わりません。
 腫瘍マーカーが上がらないタイプもあるのですか?
 
⑤ ドセタキセルはやめて他の薬剤に変更した方が良いですよね?
 CT画像をざっと見て 右の肺に小さいのを含めて13個、左の肺に7個
 転移巣があるとの事。
 担当医も他の部分の癌ではないか画像を見ていました。
 
⑥ この感じはスピードが速いように思われますか?
  HbA1Cも食事を気を付け、おやつ系を断ちメトグルコもきちんと服
 薬し、1月の7.6から6.4までに下がりました。
 なのにかなりショックと焦りが出てきました。
 
⑦ 今度2週間後に薬剤の相談で受診します。
 最後の投与から6週後になりますがその間にまた癌が大きくなってしまう事はありますか?
 
⑧ 先生の今週のコラム123回目の方の治療の間隔(1クール=例えば2 週投与
 週投与の1週休薬等)と何クール投与しどの位休薬して どの位の間隔
 で検査をしていてどの位の月日を経ている等を教えていただけません
 か?(私はトリプルネガティブだし、もちろん自分が同じ様にいくと
 は思っていません)
今週のコラム 123回目 QOLを保ったまま(胸部Xpも正常だし、無症状)、副作用も問題なく継続できる。

 
⑨ これだけの内容しかありませんが、田澤先生の経験として、増殖ス
 ピードは速すぎる方ですか?
 
⑩ 今後の治療ですが、エリブリンを行ったとして効かなかった場合で
 も、まだまだ治療法はありますか?
 
質問が多くなってしまいましたが、すみませんが宜しくお願いします。
 
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
 
トリプルネガティブで再発後にDTXによる治療を開始したということは、術後補助療法はアンスラサイクリン(EC, AC, FEC など)⇒タキサン(wPTX)ということだと思います。
再発ファーストラインとしてはanother taxaneとしてDTXは妥当ですが、効果が無い場合にはeriblinもしくは(PTXを術後補助療法として用いているとしても)
bevacizumab + paclitaxelとなります。
 
「① これはドセタキセルが全く効かなかったのか、或いは薬剤の量なの か、それとも効いているけどスピードが速いからこういう結果なの か、田澤先生でしたらどのように考えますか?」
⇒ドセタキセルの効きが悪いと考えます。
 
「② 肝臓はやはり転移ですか?」
⇒「大きくなった」ことからは、そう考えた方が妥当です。
 
「③ 右鼠径部リンパ節腫大は転移ですか?」
⇒それは違うでしょう。(鼠頸部リンパ節に転移することは殆どありません)
 
「腫瘍マーカーが上がらないタイプもあるのですか?」
⇒あります。
 
「⑤ ドセタキセルはやめて他の薬剤に変更した方が良いですよね?」
⇒そう思います。
 
「⑥ この感じはスピードが速いように思われますか?」
⇒特にそんなことはありまえsん。
 
「最後の投与から6週後になりますがその間にまた癌が大きくなってしまう事はありますか?」
⇒急速なことはないでしょう。
 
「⑧ 先生の今週のコラム123回目の方の治療の間隔(1クール=例えば2 週投与 週投与の1週休薬等)と何クール投与しどの位休薬して どの位の間隔 で検査をしていてどの位の月日を経ている等を教えていただけません 」
⇒最初は(レジメン通り)2投1休でしたが、途中から隔週投与
 3カ月間投薬して休薬
 検査はマーカーを月に1回 胸部レントゲンは3カ月に1回程度(CTやPETはしていません)
 投与開始して(記載しているように)26カ月+2カ月
 
「田澤先生の経験として、増殖スピードは速すぎる方ですか?」
⇒普通だと思います。
 
「⑩ 今後の治療ですが、エリブリンを行ったとして効かなかった場合でも、まだまだ治療法はありますか?」
⇒bevacizumab + paclitaxel(wPTXを術後に行っていたとしても、効果が無くてやめているわけではありません)

 
 

 

質問者様から 【質問2 肺転移 肝転移】

性別:女性
年齢:48歳
病名:トリプルネガティブ 肺転移 肝転移
症状:

6390

田澤先生おはようございます。
いつも有難うございます。

宜しくお願いします。

2015年8月トリプルネガティブ右乳房温存手術をしました。

2018年1月肺転移・肝転移が見つかりました。

2015年の時は、EC抗がん剤を一度行いましたが副作用もきつく。
ステージ1bだったので1回行っただけでやめました。

転移が見つかり2月よりドセタキセルが始まりました。

冊子に書いてない副作用も出たり、とにかく副作用が凄すぎて
点滴の量と間隔ですが、1回目100% 2回目3週後80% 3回目4週間後60% 4回目4週間後60% で行いましたが、それでも帯状疱疹も出たりもしました。

やはり効果はなく4月のCTの結果は1回り大きくなってるとの事で薬剤が変更になりました。

副作用も考慮しゼロータ3週飲み1週休みで行いました。

手足症候群の為2クール目は早めに休薬、3クール目から1錠減らしの服薬で4クール後の9月上旬 CTを撮りましたが、肝転移も大きくなり、
肺転移も大きくなり新たな転移巣も多数出現との結果でした。

もともと子宮筋腫があるのですが、ドセタキセルで閉経しました。
しかしゼロータの4クール途中から大量出血があり、一度出て止まり、またドバっと出るといった感じです。

婦人科では、ホルモン値的には閉経の数値なので生理ではないでしょうとの事。

出血が凄すぎて1週間輸血入院しました。
10単位の輸血後ヘモグロビン値は9.1。

ゼロータ休止から2週間経っています。

出血はほんの少量まだありますが、主治医の先生は出血が止まらないと抗がん剤はできないとの事で来週受診し、今後を考える事になると思います。
(4~5週空いても大丈夫ですか?)

質問です。

①今後、抗がん剤が始まってから大量出血した場合でも輸血等をすれば乗り切れますか?

②白血球が一番下がっている時期でも止血剤など効きますか?
もしその時期に大量出血があった場合、子宮摘出の手術はできますか?

③今回の出血で免疫力等が落ち、癌細胞の急激な増殖という事は考えられますか?

④今後の薬剤ですが、主治医はもともとパクリタキセルを考えているようですが、ECの残りをまずやるというのはどうでしょうか?

⑤パクリタキセルの投与間隔はどういったやり方ですか?
毎週通院は夫(会社員)の付き添いが必要な為難しい。

3週ごとの投与方法もあるのですか?
2月から治療を行い効果が見られず、途中尿閉がありバルーン生活したり、手足のしびれと聴覚の障害(今の所少しですが)視力低下だけが残りり、かなり絶望的な気持ちでいます。

⑥時々肋骨の辺りが痛い時があります。

朝起きたときは、上側だったり背中側だったり、日中は部分的に。

これは癌の痛みでしょうか?

⑦田澤先生でしたら、抗がん剤の投与開始時期と今後の薬剤、どのように進めていかれますか?

⑧癌細胞は熱に弱いとありましたが、温熱療法についてはいかが思われますか?(抗がん剤と併用)

⑨抗がん剤で色々と副作用が凄すぎるのですが、何か少しでも軽減できる事はありませんか?

長くなり申し訳ありませんが宜しくお願いします。

 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。

物事は整理して考えましょう。

まず出血ですが、子宮からですね?
(輸血するほどの出血があるのであれば)「子宮摘出を考えるべき」では?

また化学療法ですが
私がカペシタビンを使うことは全くありません。(効果と副作用のバランスを欠いているから:今週のコラム138回目を参照のこと)

今週のコラム 138回目 効果と副作用のバランスがとれた抗がん剤で「いい状態を維持」するやり方があることを知ってもらいたいのです。

(まだpaclitaxelを用いていないなら)bevacizumab + paclitaxelを用いるべきです。(そもそも、アンスラサイクリンを1回で終了するくらい副作用が強い体質なら、DTXを使うことには?です)

 
 

 

質問者様から 【質問3 肺転移】

性別:女性
年齢:48歳
病名:乳がん 肺転移 肝転移
症状:

田澤先生 いつもお忙しい中有難うございます。

先日、転移後の薬剤について質問させていただきましたが、それについて教えてください。

先生でしたら bevacizumab + paclitaxelを使うとの事でした
が、bevacizumab は分子標的薬? トリプルネガティブでも保険適用で使えるのですが?

この組み合わせは paclitaxel 単剤よりも副作用が出にくくて効果がある組み合わせですか?

毎週投与になりますか?

パンフレットを見ると、ドセタキセルよりも手足のしびれが出やすいという事と、難聴というのが気になります。

ドセタキセルでも1回目からしびれが始まり、耳の聴こえ・音が変わりました。
ゼロータでさらに耳鳴り等も悪化し、雨の降る前から頭痛等も含めて調子が悪くて仕方がないです。

手先も使いにくくなってしまい、どうしてもイライラしてしまいます。

先生の患者さんで耳のトラブルが出た方はいらっしゃいますか?

一般的に、再発・転移の場合の抗がん剤は生活の質を、なんて書かれていますが、実際はこのバランスが難しいですね。

結果、副作用は大いに残っているけど効果に乏しくて。

paclitaxel単剤よりも bevacizumab + paclitaxelの方が効果と副作用のバランスがいいんですよね?

再度、ドセタキセルを今度は減量なく使うという選択肢はありますか?
一度使ってしまったのでもう効きませんか?

もしも先生の所にセカンドオピニオンで受診した場合、今後の薬剤等について提案していただけるのですか?
 
色々質問すみません。
宜しくお願いします。

 

田澤先生から 【回答3】

こんにちは。田澤です。

この回答は全て『今週のコラム 138回目 効果と副作用のバランスがとれた抗がん剤で「いい状態を維持」するやり方があることを知ってもらいたいのです。』に全て書いてあります。

私からみれば「ドセタキセル」は(副作用が強すぎて)「効果と副作用のバランスが悪い」
「ゼローダ(カペシタビン)」は、そもそも論外(私が使うことはほぼ皆無)
難聴になった人は見たことがありません。