乳がん手術は江戸川病院・東京


[管理番号:5354]
性別:女性
年齢:61歳

初めて質問させていただきます。

6月に突然乳がんの告知を受けてから、毎日のようにこちらのサイトを拝見しております。

不安を抱えた質問者に常に寄り添って、真摯にご回答くださる田澤先生のお言葉に励まされ、たくさんの勇気をいただいております。
 本当にありがとうございます。

今日は手術後の病理検査の結果を受けての今後の治療等について、質問させていただきます。

よろしくお願いいたします。

現在、61歳、独身で、○○関係の仕事を続けながら、高齢の母(87歳)を自宅で介護しております。
母のほかに家族はおりません。

30代後半に良性の乳腺腫が複数見つかり、それ以来、同じ大学病院でほぼ年に1回のペースで超音波とマンモグラフィーの検査を20年以上続けてまいりました。

今年の5月後半、いつもの定期検査の超音波検査で担当医から左乳房の乳頭付近に気になるものがあるのでと言われ、そのまま生検を受けました。

生検の結果が出るまでの間にお世話になっている婦人科を受診する機会があり、先生に生検を受けた旨を伝えたところ、もし乳がんであったら懇意にしている乳がんの先生を紹介するからと申し出てくださいました。

2週間後の生検の結果は残念ながら早期の非浸潤がんということで、翌日には大学病院での検査結果と婦人科の先生からの紹介状を持って、現在の主治医のクリニックを初めて受診しました。

その後、何回かの診察・検査を経て、7月半ばに主治医の執刀で左乳房の温存手術をしました。

手術後に主治医から、手術をしてみたら、予想よりだいぶ患部が広がっていたので、当初の予定より広めに患部を切除したことと、手術前に患部が左乳頭直下なので、もしかしたら乳頭および乳輪は残せないかもしれないと言われましたが、なんとかギリギリで残すことができたということを伺いました。

 その後、創部に炎症はあるものの1週間で退院、数日の自宅静養を経て、手術から10日目には職場復帰いたしました。

そして手術から3週間後の8月初旬に病理検査の結果を聞きに主治医のクリニックに出向きましたが、そこで主治医からショックな事実を告げられました。

以下、私の病理組織診断報告書を転記いたします。

病理組織診断報告書

【病理診断】
Breast,partial resection;
Noninvasive ductal carcinoma(DCIS,low grade)
ly(-),v(-),Surgical margin(+) (外側)
(*参考 Nuclear grade1(Nuclear atypical,Mitotic
counts1))
ER(Score3b),PgR(Score3b),(参考値HER2(0),Ki-67
9.1%)
pNO(SLN 0/1)

【総合所見】
35×32×22mm大の乳房部分切除検体。
一部に迅速時の組織欠損あり。

A面に6×5mm大のDCIS集簇病変を認める。
別紙のごとく切り出しました。

組織学的には乳頭状および篩状構造をとって上皮の管内増生を示す入館内病変の集簇を認める。

Comedo形成は明らかには認めない。
浸潤部は標本作成上では認めない。

非浸潤性乳管癌(低異型度のDCIS)と考える。

頭側・外側・表在方向に本体は近接し、頭側および表在皮下組織を追加切除している。

Comedo形成や石灰化は明らかでない。

追加切除された頭側断端と乳頭下表在方向の皮下組織には腫瘍成分は認めない。

迅速時の結果と合わせると外側方向での断端が陽性と考える。

管内病変のため、参考ではあるが核グレード1(核異型1、核分裂1)である。

ER(Score3b),PgR(Score3b),(参考値HER2(0),Ki-67
63/696=9.1%)である。

リンパ節転移は迅速時の評価でSLN(0/1)で転移は認めない。

 

主治医からは検査の結果、手術の際にはわからなかった(取りきれなかった?)がん細胞がまだいくつか残っていると告げられ、病理組織診断報告書の断端陽性という文字を指し示されましたが、それがどういったものなのか具体的なお話はありませんでした。

乳がん告知から2ヶ月、相談できる相手もなく、時に挫けそうになる自分を 『幸いにも早期発見、早期手術でがん細胞をすべて取り切って、
放射線治療をきちんと受ければ、またいままでのように仕事に母の介護に頑張っていける!』 と自分で自分をなんとか奮い立たせてまいりました。

これからまた前を向いて頑張って行こう! と気持ちも新たに決意した、その矢先に取り切ったはずのがんがまだ私の体内に残っていたという現実をすぐには受け止めることができなくて、頭が真っ白になってしまい、その場では何ひとつ先生に質問することもできないまま、次の受診日が今月末とまだずいぶん先であることもあって、悶々とした日々を送っておりました。

あの日から2週間が経ち、まだ冷静さを取り戻すまでには至りませんが、少しずつ気持ちも落ち着いてきて、今後の治療のことを真剣に考えたいと思い始めましたので、先生にいくつか質問をさせていただければと存じます。

上記の少ない情報だけで申し訳ございませんが、ご回答いただければ幸いです。

① 私のがんはどういった種類のものでしょうか。

主治医は私のがんのことを 『おとなしくて静かながん』 と形容されていますが、私の病理組織診断報告書にはこちらのサイトでおとなしいがんとしてよく記載がある Luminal Aのような具体的な名称が書かれていないので、何もわからず不安に思っております。

私のがんが 『おとなしいがん』として、先生のサイトにもある 『顔つきの悪いがん』 と比べた場合、どういう違いがあるのでしょうか。

進行が遅い、放射線治療等が有効かつ効果が高い…等でしょうか。

② 病理検査の結果をお聞きした日に レトロゾール錠2..5mg「EE」 が処方され、服用を開始しましたが、このホルモン療法と9月に開始予定の放射線治療で放射線を照射することで私のがんは撲滅できるのでしょうか。

実際はがんの増殖、進行を遅らせる・・・という表現が適切なのかもし
れませんが、私の心情としては撲滅したい!根治したい!という思いしかないので、あえて撲滅と書かせていただきました。

③ 主治医のクリニックには手術室や放射線の設備はなく、手術は先生ご指定の病院で行いましたが、放射線治療は手術とはまた別の病院に通院することになります。

手術からすでに40日が経過しておりますが、放射線治療科の混み具合によっては治療開始がずいぶん先になる可能性があるようです。

主治医は私のがんの状態を考慮されて、治療の開始が多少遅れても問題なしと考えておられるのかもしれませんが、私の素人考えでは一刻も早く治療を始めなくて大丈夫なのか?と考えてしまい、手術した左乳房に鈍痛やらピリピリ感が走るたび、不安に押し潰されそうになってしまいます。

お忙しい中、本当に申し訳ございませんが、ご回答をお待ちいたしております。

どうぞよろしくお願いいたします。

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

ショックを受けている気持は解りますが、実際は「低異型度の非浸潤癌」10年生存率は(限り無く)100%です。
このQandAの場で、時に深刻な状況を心配している方達と(比較する事は無意味とはいえ)次元が異なる状況にいることは(冷静になって)認識することが必要です。

「① 私のがんはどういった種類のものでしょうか。」
⇒非浸潤癌に「サブタイプ」は存在しません。

 参考として検索されている『ER(Score3b),PgR(Score3b),(参考値HER2
(0),Ki-67 9.1%)』からすれば、ルミナールA相当となります。(重ねて言いますが、非浸潤癌にサブタイプはありません)

「主治医は私のがんのことを 『おとなしくて静かながん』 と形容」
⇒その通りです。

 Low grade(低異型度)非浸潤癌は「まさに、そう言う事」です。

「どういう違いがあるのでしょうか。進行が遅い、放射線治療等が有効かつ効果が高い…等でしょうか。」
⇒単純に考えてください。

 非浸潤癌は(浸潤癌とは異なり)「乳腺以外に悪さはしない=転移しない=命を奪わない」のです。
 まず、(浸潤癌との違いという観点から)非浸潤癌を理解しなくてはいけません。

 ☆では非浸潤癌でhigh grade(高異型)とlow grade(低異型)の違いは何を意味するのか?
 ⇒答えは明白です。
  それは、「浸潤癌への成り易さ(どの位の猶予期間があるのか?)」ということになります。

  質問者のような「低異型」非浸潤癌は「浸潤癌になるまでに(通常)数年以上はかかる」と言われているのです。
  ♯逆にいうと「高異型」非浸潤癌は(浸潤癌に移行し易いので)「手術をしてみると、すでに浸潤部分(微小浸潤など)を伴っていた」ということが多々あるのです。

「このホルモン療法と9月に開始予定の放射線治療で放射線を照射することで私のがんは撲滅できるのでしょうか。」
⇒これは「乳房内再発が起こるのか?」という理解に(質問者の頭を)変えてください。

 「断端陽性」は「乳房内再発のリスク因子とはなる」ことは間違いありませんが、その(断端陽性がどの程度なのか?)程度が様々なので断定することは不可能です。
 ♯ただ、(断端の有無にかかわらず)一般的に「乳房内再発は(照射をしても)5-10%程度はある」と言われています。

「主治医は私のがんの状態を考慮されて、治療の開始が多少遅れても問題なしと考えておられるのかもしれません」
⇒これも、その通りです。

 あくまでも「予防照射」です(断端陽性と言えども)
 通常は5カ月以内に開始すればいいのです。





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