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今後の治療について

[管理番号:5207]
性別:女性
年齢:37歳
いつも 参考にさせていただいております。
今月はじめに手術しました。
術前診断では 非浸潤がんでしたが、術後は一部浸潤かみられ浸潤癌となってしまいました。
右 部分切除
温存
センチネル生検 転移なし
t1b n0 m0 ステージ1
浸潤径 6ミリ×4ミリ
乳管内伸展 コメド EIC+
乳頭腺管癌
波及度 g乳腺
リンパ管侵襲 ly1
血管侵襲 v0
切除断片 陽性 顕微鏡で確認したところ 追加切除ではなく放射線五回追
加で大丈夫とのこと
悪性度 核グレード2
ER 陽性80パーセント
PgR 陽性80パーセント
ki67 16.6パーセント
リンパ節転移 なし
内分泌反応性 高度
再発リスク 低
ルミナールB HER2という診断でした。
治療としては まず CMFとハーセプチンをということで、その後、放射線30回と生理の状況によりホルモン治療になるようです。
最近はCMFをされていない人が多いようで CMFでいいのか不安です。
子供がたくさんいるため QOLがいいのは助かりますが、再発リスクや生存率が下がらないか不安です。
先生でしたら、どのような治療を提案されますか?
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
本当にHER2陽性ですか?(HER2の具体的な値が無いので念のため)
ちなみにHER2は
 HER2 0,1+ 陰性
 HER2 2+   FISHで確認
 HER2 3+   陽性
 ☆Ki67=16.6%とかなり大人しいので、「本当にHER2陽性なのか?」気になりました。
「先生でしたら、どのような治療を提案されますか?」
⇒6mmですよね??
 たしかに「浸潤径5mm<」であれば「抗HER2療法を考慮する(必須ではない)」とはなりますが…
 ○私の患者さんであれば、6mmでは「抗HER2療法を強くは勧めない」ことは間違いありません。(特にホルモン陽性なので尚更)
 ご本人が希望すれば…
 weeklyPTX+HER、TC+HERなどにします。(CMFは行いません)
 
 
 

 

質問者様から 【質問2】

今後の治療方法について
性別:女性
年齢:37歳
お忙しい中 ご回答ありがとうございます。
今週末 抗ガン剤とハーセプチンの一回目の予定すが、先生のおかげで他にも治療方法の選択肢があることを知ることができ、しっかり自分で治療方法を把握し 自分できちんと治療方法を決めたいと思い 開始予定日まで日にちがないため取り急ぎ 再度メールさせていただきました。
申し訳ありません。
記載漏れしてしまいました。
HER2は3+です。
非浸潤癌は大きく広がっていたようで、一部の浸潤部分が6ミリ×4ミリだったようです。
今回の私のような場合、 抗HER2療法を強くは勧めないとのことですが、術後の療法としては、放射線とホルモン療法だけでも大丈夫ということでしょうか?主治医の提案が一択だったので 他の治療法がわかりません。
先生が勧める術後療法をぜひ教えてください。
また、CMFを使用しないのはウィークリーパクリタキセルなどより劣り期間も長いからでしょうか?
今回の病理検査の結果の場合ですと、抗HER2療法+ホルモン療法+放射線治療を行なった場合と、ホルモン療法+放射線治療のみの場合 さほど生存率や再発リスクは変わらないのでしょうか?そうならば 後者の治療方法を選択したいと思います。
お忙しい中 大変申し訳ありません。
どうぞ よろしくお願い致します。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
「術後の療法としては、放射線とホルモン療法だけでも大丈夫ということでしょうか?」
⇒前回の回答を良く読んでますか??
 浸潤径5mm以下なら「抗HER2療法は適応外」なのです。
 6mmでは(適応で有る以上、勧めはしますが)「たった1mmで本当に必要か?」そういうことです。
「先生が勧める術後療法をぜひ教えてください。」
⇒前回の回答をコピペします。
 ○私の患者さんであれば、6mmでは「抗HER2療法を強くは勧めない」ことは間違いありません。(特にホルモン陽性なので尚更)
 ご本人が希望すれば…
 weeklyPTX+HER、TC+HERなどにします。(CMFは行いません)
「また、CMFを使用しないのはウィークリーパクリタキセルなどより劣り期間も長いからでしょうか?」
⇒CMFは、そもそも(アンスラサイクリン登場により標準療法の場から駆逐された)古い治療です。
 抗HER2療法としてのレジメンは通常ありません。
「さほど生存率や再発リスクは変わらないのでしょうか?」
⇒そう考えるから、「強くは勧めない」のです。
 ガイドラインに有る以上「お話はしなくてはならない」ことと、「本当にそうした方がいいと考えている」こととは別なのです。