乳がんプラザ|乳がんの手術は江戸川病院・東京


[管理番号:4519]
性別:女性
年齢:39歳

田澤先生、はじめまして。

いつもこちらのQ&Aを拝見しています。

術後の病理検査結果と今後の治療について相談させてください。

昨年12月初旬、左乳頭から単孔性の血性分泌があり、クリニックを受診したところ、
乳がんが見つかりました。

2月初旬に紹介状を持って大学病院を受診し、3月(上旬)日に手術を終えました。

左乳房切除、リンパ節郭清無しです。

先日、術後初めての診察で病理検査結果と
今後の治療について聞いたのですが、術前の結果との間に大きな違いがあり、戸惑っています。

〈術前の病理結果〉
左乳房生検材料;
4本採取されている。

4本すべてでDCIS像が観察される。
DCISは
核異型が高度でComedo necrosisも一部に認め、high gradeである。

1本の一部に浸潤癌成分が見られる。
浸潤
部分は免疫染色の結果、ER:(+,50%)、
PgR:(-)、HER2:(0)、Ki-67 index
70%であった。

組織学的悪性度2

〈術後の病理結果〉
左乳房切除材料;
腫瘍を標本1,3,5-7,9に認める。

腫瘍の大部分はDCISであるが、標本3において浸潤癌成分を認める。
浸潤径は3mmである。

浸潤部分では腫大した核を持つ異型細胞が
小胞巣、索状構造を形成して増殖浸潤する像を認める。
浸潤性乳管癌、硬癌の像である。

脈管侵襲像は認めない。
リンパ節転移は認
めない。

免疫染色の結果、腫瘍はER:(-)、PgR:
(-)、Ki-67 index 30%である。

Sentinel LN 0/1、傍Sentinel LN
0/2
組織学的悪性度2

主治医からは、HER2の結果がまだ出ていないのでサブタイプは不明だが、浸潤径が3ミリであることから、今後は半年毎の経過観察で良いと言われました。

術前の結果ではER陽性であったため、主治医に確認したところ、「術前と術後で結果が変わることもあるし、術後の結果を信頼していいと思いますよ。
それに、もし陽性だったとしても、浸潤径3ミリではホルモン療法もしません。」とのことでした。

それで一旦は納得したものの、田澤先生が
こちらのQ&Aで「NCCNのガイドラインとし
ては、浸潤径5mm以下の場合、ホルモン感受性が陽性ならば、ホルモン療法を考慮と
なっている」と回答されているのを拝見し、3ミリの浸潤でもホルモン感受性が陽性ならばホルモン療法をすべきなのかと迷い始めました。

田澤先生にお聞きしたいのは、
1.術前と術後の病理検査結果がこのように異なるということはあり得るのでしょうか?
ER50%陽性から陰性へ、ki-67 70%から
30%に変わりました。

また、このような場合、術後の結果の方が信頼度が高いのでしょうか?

2.上記のことが起きる原因として、例えば、浸潤部分が2箇所あり、生検で採った組織と術後に見つかった浸潤部分が別のものであるという可能性はあるのでしょうか?
または、同じ浸潤部分だが、生検で一部採取したことによりER陰性の部分だけが残されたという可能性は考えられますか?

3.病理検査のセカンドオピニオンをした場合、ER陽性となる可能性はあるのでしょうか?

4.もしもER陽性だった場合、ホルモン療法をすべきとお考えになりますか?

術前の説明では、浸潤径は最大で2センチ程度、ルミナルBと言われており、ホルモン療法と抗がん剤を行なうのだろうと覚悟していたので、浸潤径が小さくて安心した反面、無治療となったことに不安も感じています。

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

今回のケースで問題となるのは
術前(針生検)の浸潤癌の部分が小さい(1本の一部に浸潤癌成分)というところです。
それと比べれば術後の「3mmの浸潤癌」での結果の方に信頼性をおくのが当然です。
(評価すべき浸潤癌の量が大きいから)
♯これが術前の針生検で「1本の一部」ではなく、「3mmの病変の多くを捉えていた」場合には、「術前のサブタイプの方が正確(組織固定の問題で)」と判断しますが…

「浸潤径が3ミリであることから、今後は半年毎の経過観察で良いと言われました。」
⇒妥当な判断です。

「1.術前と術後の病理検査結果がこのように異なるということはあり得るのでしょうか?」
⇒冒頭に示した様に…

 そもそも「術前の(浸潤癌の)組織量が少ない」事が原因だと思います。(少ないと正確な判断が時に困難)

「このような場合、術後の結果の方が信頼度が高いのでしょうか?」
⇒その通りです。

 その場合には、「その量」が問題なのです。

「例えば、浸潤部分が2箇所あり、生検で採った組織と術後に見つかった浸潤部分が別のものである」
「生検で一部採取したことによりER陰性の部分だけが残された」

⇒どちらも「考え過ぎ」です。

「病理検査のセカンドオピニオンをした場合、ER陽性となる可能性はあるのでしょうか?」
⇒陰性だと思います。

「4.もしもER陽性だった場合、ホルモン療法をすべきとお考えになりますか?」
⇒無治療でいいと思います。





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