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今後の治療法について

[管理番号:4380]
性別:女性
年齢:44歳
田澤先生、こんにちは。
44才、女性です。
2度目の乳がんが発覚してから、こちらのサイトで勉強させていただいてます。
今後の治療法について教えて頂きたいです。
2年前に右乳房温存術
腫瘍 : 5mm
ホルモン受容体 : 陽性
HER2 : 陰性
Ki67 : 低値
リンパ節転移無し
術後、放射線治療 + ホルモン治療(ノルバデックス)
昨年末に定期検査で右乳房に腫瘍が見つかり、1月末、右乳房乳頭乳輪温存乳房切除術を行いました。
ホルモン受容体 : 陽性
HER2 : 陽性3+
Ki67 : 17~22%
リンパ節転移無し
病理結果
腫瘍径10mm大、灰白色・境界明瞭、不整形、弾性硬、充実性結節あり。
同部の乳管内には、充実性胞巣を形成した異型上皮増生がられます。
多くの胞巣内には面泡が見られます。
胞巣は厚い繊維化帯で分けられ、中には中等度の円形細胞浸潤があり、一部には、微小浸潤が見られます。
切除段端部には、癌細胞無し。
Grade 2:7点(A構造sc.3、B核異型sc.2、C核分裂数sc.2)
今後の治療法で、どちらを選択するか迷っております。
*抗がん剤TC(3ヶ月)+ ハーセプチン(1年)+ホルモン療法
*ホルモン療法のみ
ホルモン療法については、これまで使用していたノルバデックスは効果が出てない為、別の薬剤を使用予定。
どの薬が適しているとしていると思われますでしょうか。
2度目の腫瘍が見つかり、今後の再発が心配です。
腫瘍は小さいですが、HER2が陽性なので、抗がん剤を使用するべきか、悩んでおります。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「温存乳房内再発」は「再発」という名前がついていますが『再発とは似て非なるも
の』です。
 つまり
 1.前回温存時の「取り残し」
 2.残存乳腺に(前回の癌とは無関係に)「全く新規に発生した癌」
 1.2のどちらなのです。
「腫瘍径10mm」とありますが…
「乳管内には、充実性胞巣を形成した異型上皮増生が見られます」や「一部には、微小浸潤が見られます」という記載からは、「非浸潤癌主体の微小浸潤癌」という可能性があります。
どのように言われていますか?
「2度目の腫瘍が見つかり、今後の再発が心配」
⇒冒頭でコメントしたように…
 上記1.2のどちらにしても「再発を心配する」要素は特にありません。(遠隔転移再発とは、そもそも無関係なのです)
「腫瘍は小さいですが、HER2が陽性なので、抗がん剤を使用するべきか、悩んでおります。」
⇒これは、はっきりしています。
 浸潤径を確認してください。
 もしも「微小浸潤」なら不要です。(浸潤径≦5mmならば適応はありません)