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浸潤性乳管癌部分切除後の病理結果と治療について

[管理番号:4373]
性別:女性
年齢:42歳
はじめまして、こんにちは。
乳がんと診断されてから、見させていただいております。
昨年12月に左浸潤性乳管癌と診断され、1月中旬に温存にて部分切除手術をしました。
先日、病理の結果がでましたが、手術前の病理結果より悪く、今後の治療に悩んでおります。
病理結果は下記になります。
腫瘍径(浸潤がん) 1.3×1.0cm
腫瘍径(管内成分含む) 2.5×2.2×0.8cm
浸潤性乳管癌(乳頭腺管癌)
g+、f-、s-
ly-、v-(cd34)
核グレード3(核異型2、核分裂像3、11個/10HPF)
ER=8 pgr=8
HER2 0
Ki-67 32%
Sentinel:H156118(0/1)
pT1cNOMx Stage1
所見一部…異型乳管上皮細胞が不規則大小不同の胞巣を形成し、間質、脂肪組織へ進展しています。
核分裂像(クロマチンの不規則な凝集を含めています)は11/10HPF
腫瘍は乳管内へも進展し、充実性に増殖し、乳管は大小に拡張し、小葉への進展も認めます。
腫瘍は12時方向の浸潤部から乳頭側に向かい管内進展している。
断端は陰性ですが、検体の中央部あるいはやや12時よりでは、乳管内腫瘍が約0.2mmの距離をもち、
深部断端に接しています。
水平断端からは最短5mmの距離があります
以上が病理診断結果と所見抜粋になります。
術前検査では、硬癌でグレード1でした。
kiはでていませんでした。
術前と術後では検査機関が違い、術前はCNBでしたが有名な検査機関のようでした。
こんなにも変わってしまうのか?と思って不安になってしまいます
今後の治療に関しては、
グレード及びki67が高値なので、オンコタイプDXをすすめられましたが、今後の治療を考えると高額なため検査はできそうにありません。
主治医の先生からは、
①抗がん剤をやるのであればEC4回に放射線、タモキシフェン10年
②抗がん剤やらないのであれば放射線、タモキシフェン10年にゾラデックス等を5年
先生はからは検査するか抗がん剤をやったほうがいいといわれています一応、1週間で回答をすることになっており、どうしたらよいものか答えがと出せずにとても悩んでいます。
抗がん剤にもたくさんの種類があるようで、副作用の少ないTCもあるようですが、主治医の先生からはECと言われています。
副作用も心配で、やるのであればTCでもよいのでは?とも考えてしまいます。
お忙しいところ恐れ入りますが、先生の見解を伺いたく質問させていただきました。
長文にて申し訳ありませんが、ご回答のほどよろしくお願い致します。
 
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「グレード及びki67が高値なので、オンコタイプDXをすすめられましたが、今後の治療を考えると高額なため検査はできそうにありません」
⇒OncotypeDXをしないのであれば、「ルミナールAとする根拠がない」ので化学療法をせざるをえないと思います。
「抗がん剤にもたくさんの種類があるようで、副作用の少ないTCもあるようですが、主治医の先生からはECと言われています」
⇒私であればTCを選択します。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

こんにちは。
先生、お忙しい中、前回の回答ありがとうございました。
術後の治療からになりますが、先生に診てもらうことは可能でしょう
か?
手術してもらった病院は大学病院で地元では有名な病院で、
担当の先生も信頼していないわけではないのですが、常に説明が足りず不安になります。
入院中も担当の先生が来たのは1度だけでした。
今後、長くつきあっていかねばならない病気です。
今の病院は近いので今後を考えるとよいのですが、距離よりも、やはり
私自身が信頼できる先生に診てもらいたいと思いました。
また、診ていただけると仮定した場合ですが。
1月中旬に手術をしています。
今の担当医からは2ヵ月後くらいから術後の治療を始めると聞いています。
そうなると3月中旬頃からスタートしたほうがよいとのことだと思うのですが、遅くともいつくらいまでにスタートすれば大丈夫でしょうか?
先生に診てもらってからでも抗がん剤使用を開始するのは遅くないかどうかも併せて確認できたらと思います。
お忙しい中、度重なる質問とお願い申し訳ありませんが、どうぞよろしくお願いいたします。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
「術後の治療からになりますが、先生に診てもらうことは可能でしょうか?」
⇒可能です。
 ただし、申し訳ありませんが、もしもご本人がその「大学病院で地元では有名な病院」という価値観であるならば、期待には添えないかもしれません。
 その大学病院では、きちんと「担当医自身が自分でエコーしていますか?」
 ○温存手術をしている訳ですが、まさか「部分切除のマーキングも人任せ」ではないでしょうね???
 自分でエコーしない乳腺外科医を私が認めることは決してありません。
 それでよろしければ、問題ありません。
「遅くともいつくらいまでにスタートすれば大丈夫でしょうか?
先生に診てもらってからでも抗がん剤使用を開始するのは遅くないかどうかも併せて確認できたらと思います」

⇒特に、決まりはありませんが…
 3カ月以内が一般的でしょう。
 
 

 

質問者様から 【質問3】

田澤先生、こんにちは。
ありがとうございます!
こちらのQ&Aを拝見し、またコラムを読ませていただき、先生にお任
せしたいと強く思いました。
病院ではなく先生なんだと。
自分自身がどれだけ信じ託せるかが大切だとも感じたので是非今後の治
療を先生にお願いしたいです!
ちなみに、エコーはもちろんマーキングも・・・でした。
どのように予約したらよいか、宜しくお願いいたします。
的確丁寧な回答をいつもありがとうございます。
どうぞよろしくお願いいたします。
 

田澤先生から 【回答3】

こんにちは。田澤です。
了解しました。
「温存手術なのに、執刀医がマーキングしない」など、私の想像を遥かに超えています。
正直な話、そのような出鱈目な医療が当然として(特に首都圏を中心とした)大学病院やどこかの海沿いの大病院に蔓延している事実には戦慄を覚えています。
この場で「愚痴をこぼす」ことは適切ではないと考えますが…
少々言わせてください。
おそらく、我々の世代(乳癌がまだ少なく、一般外科の隅っこで細々と治療されていた時代を知っている乳腺外科医)は、必ず若いころには「自分で超音波をして自分で治療する」ことが(さすがに首都圏の大学であっても)当然とされていた筈です。
それが、「乳がん患者数の急増」に対応できなくなり、(マンモは放射線科技師が行っているのだから)「超音波も技師にやらせるべきだ、それがチーム医療だ。別に自分が楽したいからではないぞ」ということになっていったのでしょう。
そうして、我々の下の世代では(最初から)「乳腺のエコーは技師が行うもの」として疑わない環境で育ち、現在の「この体たらく」に至ったのでしょう。
♯私のように仙台で鍛えられた者には、まさかそのような愚行が蔓延していることに(ここ江戸川に3年前に来るまで)全く気付きませんでした。(要は、田舎者だったということでしょうか?)
○ある(首都圏の)大学病院では「超音波」は当然技師が行い、「細胞診や針生検」は(乳腺外科医でなく)「放射線科医」が行っていると聞いた時には、さすがに「私も歳だ。老眼だけではなく、耳も遠くなったのか?」と思ったものです。(乳腺外科医は何をするのだろう??)
ここまで、愚痴を聞いていただいてありがとうございます。
それでは本題
「どのように予約したらよいか、宜しくお願いいたします。」
⇒秘書メールしてください。
 その状況(化学療法を当院で行うのか?行うとしたら、いつ頃までに行った方がいいのか?)を確認させてもらった上で、案内しましょう。

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