乳がんプラザ|乳がんの手術は江戸川病院・東京


[管理番号:5152]
性別:女性
年齢:46歳

 昨年11月下旬に左胸の腫瘍摘出手術をしました。

経過観察中の3ヵ月の間に大きさが倍近く増大し、
(初診時3cm位→6cm位)葉状腫瘍の疑いで摘出手術の方針となりました。

術前に針生検を行い、結果は葉状腫瘍の疑い、再発防止の為、2cmのマージンつけ摘出とのことで手術をしました。

術後の病理組織診断は下記の通りです。

 増生する乳管上皮と間質細胞の増殖からなる病変です。
病変内部の
 乳管構造には上皮2層性が良く保たれています。

 間質細胞の細胞密度は高度というほどではありませんがやや核の腫大があり、免疫組織化学的に高率にp53陽性を示しています。
病変内部の乳管上皮細胞についてはp53陽性細胞はほとんど見られません。
malignant    
 phyllodes tumorが示唆されます。
 

 ERについては、病変内部の乳管上皮細胞のほとんどが陽性を示している反面、間質細胞はER陰性です。

 病変は乳腺辺縁部における断端に接しており、わずかながら表出が示唆されます。

 #3,5,8には長径が最大5㎜程度の線維腺腫が複数観察されます。
  

現在、経過観察中ですが再発、転移はありません。

しかし、不安な点があります。
それは病理組織診断の所見の中の
『病変は乳腺辺縁部における断端に接しており、
わずかながら表出が示唆されます』と書かれている部分です。
主治医に確認していますが腫瘍の境界は明瞭なので大丈夫とのこと。

私の質問の仕方が悪かったか、所見内容をうまく理解していないのか、
この一文にスッキリしない思いがあります。

田澤先生はこの病理診断の所見をどう捉えますか?

また、私には摘出した腫瘍の他に左右どちらにも複数の線維線腫があるようです。
しこりの自覚はありません。

これらの腫瘍が今後、葉状腫瘍だった?ということもあるのでしょうか?

長文、大変申し訳ありません。

宜しくお願い致します。

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

「田澤先生はこの病理診断の所見をどう捉えますか?」
⇒危険と思います。

 6cmの悪性葉状腫瘍は「放射線も効かない」分、(癌以上に)局所には万全を期さなくてはなりません。(局所が全てなのです)
 ○悪性葉状腫瘍の場合には(たとえ、断端陰性でも)手術病理で確定したら「全摘も視野に入れる」位のものなのです。

「これらの腫瘍が今後、葉状腫瘍だった?ということもあるのでしょうか?」
⇒それについては全くわかりません。

 
 

 

質問者様から 【質問2】

再手術について
性別:女性
年齢:46歳

田澤先生、先日は質問に答えて頂きありがとうございました。

全摘しないと危険とのこと、とても恐くなりました。

受診したばかりでしたが
急遽、夫と一緒に主治医の先生にお話しを伺ってきました。

先生の話では、
今後の不安が大きいならば、再手術(全摘)は今からでも間に合う。

再発のリスクも下がります。

私の場合、左胸内側上部に大きい腫瘍(実際は5cmでした)だったので、たくさんのマージンをつけることができなかった部分があったとのこと。

胸筋にもくっついていたが少し削ったくらいで全体の覆っていた膜を壊さず取ることができたとのこと…でした。

術前の検査の中である程度のこと(悪性も疑う)がわかっていたようですが、どうして先生の方から全摘の提案がなかったのか疑問に思う説明でした。

先生の中で、私が全摘を
希望していなかったと捉えていたようでした。

初診時の細胞診で線維腺腫と言われていたので、
手術を希望していなかったのはありますが手術を決めた時点では腫瘍の摘出の説明しかなかったと記憶しています。
(全摘する選択など一度も悩んだことがないのです。)

しかし、今更過去に戻っても仕方ないので
これからどうすれば良いのか考えることにしました。

そこで田澤先生にお聞きしたいことがあります。

①今からでも再手術は十分間に合うのでしょうか?(初回手術は昨年11月下旬です)
本来、どのくらいの間隔で行うものでしょうか?

②再手術したら局所再発防止になると思うのですが遠隔転移のリスクは変わらないものでしょうか?

③乳房再建もできるのでしょうか?(同時再建は可能ですか?)

葉状腫瘍は症例があまりにも少ない為、色々な数字的な統計がないと聞いております。

それでも気になり、ネットで幾つかの術後経過を見ましたが何もなく過ごす方、反対に再発を繰り返し悪い方にいってしまう方、また数年経ってから再発や転移がみつかる方、ほんとに人それぞれなんだと思いました。

そのような情報を見ると、自分はこれからどの方向に向かっていくのか不安になります。
考えると恐くなります。

でも、今は何もなく過ごすことができているのでこれから後悔することなく、できることをやっていきたいのです。

田澤先生、宜しくお願いします。

 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。

「①今からでも再手術は十分間に合うのでしょうか?」
⇒もちろんです。

 現時点で乳腺(局所)が最大のリスク因子であることは間違いありません。

「本来、どのくらいの間隔で行うものでしょうか?」
⇒3カ月以内です。

「②再手術したら局所再発防止になると思うのですが遠隔転移のリスクは変わらないものでしょうか?」
⇒低減すると思います。

 (これから遠隔転移の原因となりうる)「乳腺内に残存しているかもしれない腫瘍細胞」を排除することになるからです。

「③乳房再建もできるのでしょうか?(同時再建は可能ですか?)」
⇒止めるべきです。

 葉状腫瘍の場合には(癌以上に)「局所が問題となる」ので、(万が一、胸壁再発などが有った場合に対応できるように)再建せずにそのままとすべきです。
 再建を考えるのは「術後2年」が目安と思います。

「葉状腫瘍は症例があまりにも少ない」
⇒葉状腫瘍自体は決して少なくはありません。

 ただ「悪性葉状腫瘍」はその通りです。

「これから後悔することなく、できることをやっていきたい」
⇒唯一の「できること」は「局所を完全にすること=全摘」だと思います。

☆このQandAを読んでいる他の方に誤解を与えるといけないので敢えてコメントしますが…

悪性葉状腫瘍が、全て「全摘」しなくてはいけないと言っているわけではありません。
小さな(3cm以下など)悪性葉状腫瘍で「十分なマージン」があれば、部分切除でもいいとは思います。(それでも全摘が間違いではありませんが)

○今回は「6cm」「断端陽性の可能性」ということから「全摘が推奨」と思っているのです。





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