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病理結果

[管理番号:5232]
性別:女性
年齢:53歳
いつも、勉強させて頂いております。
腫瘍径1.3cm ER 80%  PRG 60%  センチネルリンパ節 0/3
HER2 0 断端陰性 ly1 v0  核異型度1 核分裂像1 硬癌
温存術  50歳以上で、アロマターゼ5年予定と言われております。
病理の結果で疑問がありましたので、質問させて頂きます。
ly1で、リンパ管に癌が入っていたとの事ですが、これに関して
「リンパ管に入った癌が最初にたどりつくであろうセンチネルリンパ節」というのを何かでみました。
ということは、リンパ節転移0という事は、センチネルに届いてなくリンパ管の中で留まっていたと考えてよろしいのでしょうか?
そして、それは術後放射線治療をしたことで癌が死滅するということでしょうか?
それとも、センチネルリンパ節以外のリンパ節にたどりついて、そこからリンパ性転移する可能性はあるのでしょうか?
それと、ki67は調べていないとの事から、多少不安があります。
調べる部分によって数値がバラバラなので、信憑性が確定されたものではなくても、相関としては結構当たっていそうなので。
これは、一つの意見としてお伺いしたいのですが、
私のような大人しいタイプの癌でも、ki67が高い数値が出ることは普通に考えられる事でしょうか? 
グレード1とki67の数値は別物と考えた方がいいのでしょうか?(漠然とした質問で申し訳ないです。)
それと薬についてですが、新たな癌細胞を増やさないというのはわかるのですが、
今体内にあるかもしれない癌細胞を抑制する力はアロマターゼ阻害薬にはあるのでしょうか?
薬の副作用が強く、5年飲み続ける自信等全然ないのですが、無治療というのも・・・。
ちなみに私のような場合、無治療とホルモン剤飲んだ場合の再発率はどの位違うのでしょうか?
調べようとしてみたのですが、出来ませんでしたので教えて頂ければ助かります。
遺伝的なもので、血液検査の肝臓関連の数値が高く脂質異常もあります。
乳がんも心配ですが、将来的には循環器も意識していかなければと悩ましく感じております。
ある程度の期間で一度中断したいと考えておりますが、その期間をどこまで引っ張るか決めかねております。
リスクのバランスを考えることは本当に難しいことですね。
沢山、質問してしまいましたが、宜しくお願い致します。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「そして、それは術後放射線治療をしたことで癌が死滅するということでしょうか?」
⇒質問者は「大きな勘違い」をしています。
 「ly」とは「摘出した標本内のリンパ管」を調べているだけです。
 それは摘出したものであり、今は無いのですよ??
「私のような大人しいタイプの癌でも、ki67が高い数値が出ることは普通に考えられる事でしょうか? 」
⇒あまりありません。
「新たな癌細胞を増やさないというのはわかるのですが、今体内にあるかもしれない癌細胞を抑制する力はアロマターゼ阻害薬にはあるのでしょうか?」
⇒これも全くの勘違いです。
 そもそも術後補助療法は(ホルモン療法であれ、抗癌剤であれ)「現に有る癌細胞に対しての効果」なのです。
  当然(程度の差こそあれ)ホルモン療法にも抗がん剤にも「現に有る癌細胞に対して効果がある」ということです。
 ☆再発「予防」となっていますが、実際には「現に癌細胞が有った場合に効果が有る治療」なのです。決してターゲットは「新たな癌細胞ではありません」
「無治療とホルモン剤飲んだ場合の再発率はどの位違うのでしょうか?」
⇒6%です。