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悪性葉状腫瘍であったと手術後に言われました。

[管理番号:362]
性別:女性
年齢:22歳
22歳になる娘のことです。
良性腫瘍と診断されていた切除手術(7センチ)を行ったあとに、切除部の検査結果で、「悪性葉状腫瘍であった」と説明を受けCT等で転移有無の検査をしたところ異常は確認されませんでした。
その結果、経過観察をし、4ヶ月後に再検査をすることとなってます。
早いうちに全切除を行ったほうが良いのでしょうか。
 

田澤先生からの回答

 こんにちは。田澤です。
 「良性腫瘍(線維腺腫?)と診断されていて、(摘出してみたら)実は悪性葉状腫瘍だった」と言う事ですね。
 術前に「針生検など組織検査はされていなかったのでしょうか?」
 通常7cmであれば、大きさから「葉状腫瘍」も疑われ、葉状腫瘍の場合には「悪性度(良性~境界悪性~悪性)」によって、手術方式(どの程度、大きめに摘出しなくてはならないか?)が異なるので、「術前針生検が原則だと思いますが…」

回答

「CT等で転移有無の検査をしたところ異常は確認されませんでした。その結果、経過観察」
⇒CTで異常が無いのは「当たり前」の事です。
 やるべき事は、そこではなく、「追加切除」の検討の筈です。
 「CTで異常が無いから、経過観察」⇒これは大変な誤りです。『どういう手術をしたのか? ⇒ だから、どのような追加手術が必要なのか?または不要なのか?』が検討されるべきです。
◎術前に「良性」と思っていたのに、「悪性葉状腫瘍でも大丈夫な手術をしていた」とは、とても信じられません。
 
★一番問題なのは(術前に)「良性腫瘍だと思っていた」手術で、『どの程度のマージン(安全域)を取った手術をしているのか?』です。
 ここを「担当医に確認すべき」です。
 
 『悪性葉状腫瘍』であれば、「乳癌なみ」のマージンを取った手術が必要です。
 『完全切除』こそが重要なことなのです。
 ここで「誤れば」後で大変な後悔をする事となります。
 
「早いうちに全切除を行ったほうが良いのでしょうか」
⇒(治療の面からは)最善である事は間違いありません。
 ただ、22歳という年齢からは、「全切除が受け入れられるか?」という問題はあるでしょう。
 そこは十分話し合う必要があります。 (例えば、全切除する替わりに「十分な追加切除」+「厳密な経過観察」とする。とか)