Site Overlay

今週のコラム 122回目 基本的に(HER2陰性で行う)bevacizumabやeriblinのレジメンも非常に強力です

平昌 オリンピック 終わりましたね。

一気に東京五輪が近くなった気がしますね。

それにしても気になるのは「喫煙に対する東京のだらしなさ」

世界的に「受動喫煙」に対して厳しく規制されてきているのに、この体たらく!

「レストラン全面禁煙」にするなら…  今でしょ!

 

前回の続き…

3.サブタイプ

「再発症例12症例」の内訳

皆さんの中に根強く(?)ある「トリプルネガティブ(TN)悪者説?」が、どうなのか?

ルミナール(HER2陰性) 9症例

TN            1症例

HER2陽性        2症例

これをみると…

♯再発症例について…

決してTNとかHER2陽性で再発が多いわけではない事が見て取れます。

ルミナールタイプの割合が高いのは「もともと乳癌の7割以上はルミナールである(つまり母数が多い)」ことと、(ルミナールは大人しいので)「長期間のケモ継続」となりやすいという理由がありそうです。

 

 

「術後補助療法31症例」の内訳

ルミナール(HER2陰性) 7症例

TN            5症例

HER2陽性        19症例

♯術後補助療法について…

HER2陽性(の割合)が多いのは、(抗HER2療法が)1年間と長いから。ですね。

TCの3カ月と比べ(それだけで)4倍分となります。

 

 

「ステージⅣまたは、手術不能7症例」の内訳

ルミナール(HER2陰性) 2症例

TN            2症例

HER2陽性        2症例

不明            1症例

 

 

 

4.レジメン

所謂「術前術後レジメン(アンスラータキサン、TCを含む)」と「進行再発レジメン」に分けて考えなくてはなりません。

「術前術後レジメン」

EC-taxane (所謂アンスラータキサン)  8症例

TC                        4症例

HER単独(H+P:6, TC+HER:5, EC⇒H+D:4)15症例

HER+PTX                1症例

HER+DTX (EC⇒H+D)          1症例

HER+TC                  1症例

EC(EC⇒H+D)            1症例

♯サブタイプ別に分析します。

ルミナールタイプ(7症例)

ルミナールB TC 4症例

ルミナールA EC-taxane 3症例

○ルミナールAで抗癌剤する場合は、「リンパ節転移が多いから」という理由です。

抗癌剤が(Bに比べ)効きにくいであろうAでのレジメンはEC-taxaneです。

 

TN(5症例)

全てEC-taxaneです。

 

HER2陽性(19症例)

HER単独となっていた方が15/19と圧倒的に多かったですが、これを基のレジメンとすると、

♯術後抗HER2療法のレジメン

①ECx4⇒HER+DTXx4⇒HERx14 6症例

②TC+HERx4⇒HERx14         6症例

③wPTX+HERx12⇒HERx14     7症例

意外?にも当院で行っている3レジメンがほぼ均等となってます。

①が所謂スタンダードレジメンですが、「ステージを考慮」して選択しています。

②と③は「通院か? 副作用か?」が基準となります。

 

 

「進行再発レジメン」

 

EC                     2症例

Bevacizumab-PTX    8症例

Eriblin               6症例

HER+pertuzumab+DTX 2症例

HER+pertuzumab+eriblin 1症例

♯ HER+pertuzumabレジメン(3症例)は非常に強力に効いてますし、

基本的に(HER2陰性で行う)bevacizumabやeriblinのレジメンも非常に強力です。

 

 

ここまでで当科での化学療法「2018年2月」のデータでした。

次回は、具体的な効果について数例紹介します。