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今週のコラム 132回目 腺葉系は、十数個が重なり合っているので、そのうち1つを摘出しても変形しないのです。

今週のコラム 132回目

 

金正恩(キム・ジョンウン)

ん?

政治色が極めて希薄な私でも、彼には注目せざるを得ません。

 

金正日、死去」 2011/12月 号外を今でも思い出します。

後継者問題で揺れた暴走国家。

その後の動きに、世界が震撼しました。

 

若干、20代だった彼が後継者となった当初、(世界から真面目には相手にされなかった)あの国が、アメリカを交渉の場に引っ張り出すとは! 誰が今日(こんにち)の状況を予想できたでしょうか?

6月12日に決まった、歴史的な「米朝首脳会談」

「刈り上げボーイ(人のことは言えませんが…)」と「我儘(アメリカファースト)おやじ」 (まるで、アメリカンジョークです)

○後世の歴史家は、(知的とは言い兼ねる)このミスキャストをどう見るのだろうか?(本当に世界は「この二人」に、将来を預けられるのか…)

 

 

乳管腺葉区域切除

今回は乳管腺葉区域切除について取り上げます。

「えっ?また?」

そんな声も聞こえてきそうですが…

 

今回は(以前のような)「単孔性乳頭分泌こそが大事!」を啓蒙するためではありません。

きっかけは…

患者さんからの「それ(乳管腺葉区域切除)って、術後に胸の形変わっちゃうの?」

 

「癌を前提」とした手術では無いから(術後、半分が癌の診断とはなりますが、あくまでも「良性」を前提とした手術なのです)、形を気にする患者さんが居ても当然といえます。

 

と、いうことで…

そのような主旨(実際の術後写真などもお見せして)で解説します。

 

○乳管造影

下方向への乳管に「陰影欠損(左図)」があり、その部分に「乳管内病変(右図)」の存在が疑われます。

 

 

 

 

 

○皮膚切開

その方向(このcaseでは下方向)の乳輪に沿った(弧状の)皮膚切開となる

 

 

 

 

 

 

 

○摘出

図のように、皮切より中枢方向(乳頭の裏側)まで追いかけ先端で切離~そのまま末梢まで切除

♯つまりこの乳管の「腺葉区域」を完全切除するのです。

 

 

 

 

 

 

今までは、「ここまで」で終わりでした。

ここまでだと、まるで「乳管だけ」摘出しているように勘違いするかもしれません。

 

☆その先

しかし、実際には「乳管」だけではなく「乳管腺葉」の摘出なのです。

「はて? 腺葉区域?」 皆さんは疑問に思うかもしれません。

ここから説明します。

○腺葉

乳管腺葉区域切除というと、まるで「乳管だけ」をとってくるように思われたかもしれません。

実際は全く違います。

「乳管」は、milkを運ぶパイプなのです。

そして、そのミルクを作るのが「腺葉(milkを製造する組織)」なのです。

つまり、実際の切除は「乳管+腺葉」となるのです。

 

 

○腺葉区域

実際の手術では、この「乳管」の先端で、切離し、この「腺葉区域(周りの脂肪ごと)」を周囲に(他に)「十数個」ある腺葉区域から剥がして摘出するのです。

ひとつひとつの腺葉区域は「ブドウの房」のようなイメージを持つといいでしょう。

そのブドウの房が「重なり合う様にして」十数個も乳腺内にあるのです。(そして、その「ヘタ」の部分は乳頭に集まってきます)

 

 

 

 

 

○乳腺内の「腺葉区域」

十数個が集まっています。

「腺葉区域」は、互いに重なり合っていています。

横から見た図

 

 

 

実際の標本

「乳管区域切除」とは「乳管を裸のまま」切除するのではなく、「腺葉と周辺の脂肪」も含んだ切除だということがわかります。

☆ 手術時にご家族にお見せするのですが、

必ず反応は「(想像していたより)大きい! こんなに取って(変形は)大丈夫?」というものです。

私はいつも

『(実際は腺葉系は重なっているので)volume lossは思っている程ではないです。後で見れば解りますよ。』

 

 

 

(上記標本を摘出した)実際の症例

術直後の、実際の写真

[caption id=”attachment_36121″ align=”alignleft” width=”300″] DSC_0319[/caption]

DSC_0319

 

創は乳輪に沿って下縁にあります。

乳腺全体の変形は目立ちません

大事なことは、『腺葉系は、十数個が重なり合っているので、そのうち1つを摘出しても変形しない』のです。