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全摘術後にあるしこり

[管理番号:310]
性別:女性
年齢:48歳
2014年4月に右胸にしこりを発見し、6ヶ月の抗がん剤後同年12月9日に右胸全摘手術をしました。
2015年2月中ごろより放射線25回終了後、現在は3週間に1回のハープチン4週間に1回のホルモン注射、寝る前ノルバデックスを1錠服用しています。
気になる部分は、センチネルリンパ節生検の上3センチ上辺りに約2センチ程度の楕円形のしこりが皮膚に癒着していることです。
皮膚をよったら窪みが出来ます。
先月の検診の際、担当医にその事を告げ診察してもらったら、脂肪の塊と言われました。
ホッとしていたのですが、最近その場所と下の部分の骨がチクチク痛くなり夜中にも痛みで目が覚めます。術前のステージはⅢaトリプルポジティブです。
ベテランの医師なので再度聞きにくく悩んでいます。
これは脂肪の塊なのでしょうか?それともあらたな癌なのでしょうか?
(2015年4月の質問)
 

田澤先生からの回答

 おはようございます。田澤です。
「ステージⅢA,トリプルポジティブ(正確にはluminal B like HER2陽性タイプ)」
 術前化学療法後、術後放射線、ハーセプチン、内分泌療法(閉経前のフルコース)と、全ての治療を完璧に行っていますね。御苦労さまです。

回答

 「約2センチ程度の楕円形のしこりが皮膚に癒着」「これは脂肪の塊なのでしょうか?それともあらたな癌なのでしょうか?」
⇒担当医が「脂肪の塊」と言っているのは「きちんとした診察(超音波検査)」をした上での診断なのでしょうか?
 きちんと「超音波で確認」した上での診断であれば大丈夫です。(超音波で見誤る事は考えられません)
 
◎ただ、私が不安に思うのは、質問者が「ステージⅢA」でありながら「センチネルリンパ節生検」をしている事です。
 
 ステージⅢAと言う事は、(化学療法前評価では)リンパ節の評価がN1かN2(N1:明らかなリンパ節転移陽性、N2:リンパ節転移高度)の筈です。
 (術前化学療法で画像上N0となったとしても)通常なら(ガイドライン上は)「(化学療法前の評価で)N1以上はセンチネルリンパ節生検は勧められません」つまり偽陰性(リンパ節転移が残っているのに、センチネルリンパ節は陰性となる)の可能性があります。
 もし、質問者が「センチネルリンパ節生検をされた上で、転移なしとして腋窩郭清を省略されていたとしたら」腋窩再発の可能性も考えなくてはなりません。(術後フルコースの補助療法を行っているので可能性は低いとは思いますが…)
 
★もし今回「脂肪の塊」との診断が「超音波での診断」でなかったら、是非超音波で確認してもらってください。