Site Overlay

全摘後の局所再発

[管理番号:5143]
性別:女性
年齢:46歳
初めて質問させて頂きます。
宜しくお願い致します。
全摘後の局所再発についてです。
約四年前にシコリが2個見つかり、左乳房全摘をしました。
その時の病理は
1.5×1.8×1.2センチ
3×2ミリ
ホルモン陽性 センチネル陰性
HER2 1+ ki67 40%
脈管 陰性 リンパ輸入管 陽性
術後 注射とタモキシフェン服用。
抗がん剤は無し。
そのような治療中のなか、
先月、術側脇の下のライン10センチ下あたり(最初のしこりがあった近く)にシコリがみつかり、局所麻酔で摘出しました。
その病理は、
5×7ミリ ERは強陽性、PGRは陽性
ki67は10%でした。
質問①再発は筋肉近く脂肪幹にあったそうで、目に見えないがん細胞が四年かけて大きくなったんでしょうと医師。
本当にそうでしょうか。
全摘後の局所再発はほとんどないような記述をよく見かけます。
取り残しではないのでしょうか。
納得がいきません。
質問?今後の治療法としてタモキシフェンをトレミフェンに変えて様子を見ることになり、服用開始しました。
最初と病理も変わらないし、大人しいからと。
放射線は乳房が無く肺に到達してしまうので出来ないということです。
本当にこれでいいのでしょうか。
放射線は本当に出来ないのでしょうか。
他の病院や技術で出来ないのかと思っています。
質問は以上になります。
全摘での局所再発にショックだし納得がいかない気持ちです。
しかしながら、カウントダウンは始まった訳ですし、納得して治療していきたいと悩んでいます。
ご意見宜しくお願い致します。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「全摘後の局所再発はほとんどないような記述をよく見かけます。取り残しではないのでしょうか。」
⇒取り残しと考えるべきです。
「質問?今後の治療法としてタモキシフェンをトレミフェンに変えて様子」
⇒そもそも全身療法を変更する必要がありません。
 まるで「ホルモン療法が効かなかったせい」としているように見えますが…
 実際は「ホルモン療法は取り残した癌組織のためにあるわけではない」のです。
 「局所再発は局所治療」でいいのです。
 もしも(摘出した上で)治療を加えるのであれば、質問者のおっしゃるように「放射線照射」となります。
「放射線は乳房が無く肺に到達してしまうので出来ない」
⇒???
 通常、(リンパ節転移4個以上の場合には)「全摘後の胸壁照射」を行っていますよ?
 担当医の行っている意味が解りません。
「放射線は本当に出来ないのでしょうか。」
⇒普通にできます。
 「(無意味に)ホルモン療法を変えるよりは、まともな術後治療」であることだけは、間違いありません。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

先生、先日は回答ありがとうございました。
回答と先生の84回のコラム「「初回手術の取り残しを摘出するだけでよい」と言う事なのです。」をよく読みました。
私が通院しているのは都内の某大学病院です。
全摘したら局所再発はないと全摘しました。
これを機に難しいかもしれませんが、転院を考えようと思います。
ありがとうございました。
もう少し質問させて下さい。
「取り残し」とは単純に医師の手術の腕や認識の問題ですか?そうなると今回の局所摘出の際の再度の「取り残し」が心配でなりません。
実際担当医ではなく同じグループの後輩医師が執刀していました。
担当医はサポート役でした。
やはり放射線が必要不可欠でしょうか。
術後2ヶ月になろうとしていますが、今からでも遅くはないでしょうか。
あと担当医に「次は脇のリンパに出来ると思うから自己検診しっかりしてシコリがあったら連絡してね」って軽い感じで言われました。
私は近いうちにリンパに転移してしまうのでしょうか。
させないために出来る事はないのでしょうか。
タモキシフェンをトレミフェンに変えたのは、先生のおっしゃる通り、タモキシフェンが効かないヤツが増殖した可能性があるから、変えましょうと医師から説明されました。
タモキシフェンに戻した方がいいでしょうか。
先生のご意見を宜しくお願い致します。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
「やはり放射線が必要不可欠でしょうか。 術後2ヶ月になろうとしていますが、今からでも遅くはないでしょうか。」
⇒不可欠ではありません。
 手術に不安があることは解りますが、(それであれば、放射線照射よりも)「きちんと局所の診察(3カ月毎にホルモン療法処方しているわけだから、毎回超音波すればいいのです)をしてもらう」ことでもいいとは思います。
「次は脇のリンパに出来ると思うから自己検診しっかりしてシコリがあったら連絡してね」
⇒ここには2つの大きな誤りがあります。
 1.局所再発は「取り残し」であって「腋窩リンパ節とは無関係」である。
 2.3カ月毎に通院しているのだから、(もしも本当に腋窩リンパ節が不安なら)毎回きちんと責任をもって担当医がエコーすべきです。(リンパ節腫大を自覚するよりも半年以上は早く察知できます)
  ♯「自分の責任で局所再発してしまった。申し訳ない」という姿勢が感じられません(失礼ながら)
「リンパに転移してしまうのでしょうか。」
⇒胸壁に残してしまった癌細胞が増殖したことと、リンパ節転移は全く無関係です。
「先生のおっしゃる通り、タモキシフェンが効かないヤツが増殖した可能性があるから、変えましょうと医師から説明」
⇒「反省ない」ところに「進歩無」です。
 全身療法のせいにするのは止めてもらいたいものです(愚痴でした)
「タモキシフェンに戻した方がいいでしょうか。」
⇒その通りです。
 トレミフェンは閉経後の適応なのです。