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全摘か温存か

[管理番号:5883]
性別:女性
年齢:45歳
お世話になります。
先生のサイトで勉強をさせていただいています。
11月に左胸にしこりを見つけて乳腺外科にかかりました。
マンモ、エコー、針生検、MRIを実施し、2.5cm程度のしこりが非浸潤がんである術前診断を受けました。
さらに、広がりは大きくないことから温存で手術しましょう、との提案を受けました。
しかし、私は大変な怖がりで、局所再発が怖く、全摘を希望しようとしています。
医師は年明けの診察時に相談に乗ってくれる予定で、医師自身の意見はまだ聞けていません。
一方、私の夫と、乳がんを10年前に経験し温存を選択した私の母は、「やりすぎではないか」という意見です。
夫は、温存後局所再発する確率、それが浸潤癌である確率、さらにそれが転移し、死に至る確率は極小(1%未満)であるのを私が過大評価している、と感じているようです。
全摘は体への負担も大きいのではないか、とも考えています。
これまで、私の年齢で20年後の一般死亡確率が2%あることを気にせず生きてきたのに、病がもたらす1%未満であろう事象を気にしている、と自覚しているので、私は気にしすぎなのだと頭では理解しています。
しかし、恐怖を頭で抑え込めるのか、心配です。
母は、(貧乳とはいえ)左右の乳腺量や重さのバランスが崩れて慢性の体調不良の引き金となることを危惧しており、可能であるならばバランスの崩れが小さい温存が良いのでは、と考えています。
これは、更年期や老化を肌で感じる母ならではの意見だと感じていますが、どこまで重視すべきか悩んでいます。
全摘の体への負担、全摘のバランス崩れによる体調不良、どちらも情報がありません。
そこで、多くの患者様を見てきた先生のご経験をお伺いしたいと思うに至りました。
質問1.全摘手術の体への負担は、温存よりも大きいのでしょうか。
入院期間や、退院後の回復に差が見られるのでしょうか。
質問2.全摘を選択された、あるいは全摘しか選択できなかった患者様が、全摘後に、体の左右バランスの崩れなど、全摘に起因する体調不良を経験された、というお話を聞かれたことはあるでしょうか。
一定数いるようであれば、神経質な私にもあり得るだろうと感じています。
お忙しい中恐縮ですが、よろしくお願いします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
物事はシンプルに考えましょう。
「全摘で問題になるのは見た目だけ」です。
この「見た目だけ」という重さが人によって異なります。
☆自分にとって「見た目が、どの程度の重みを持つのか?」シンプルに考えましょう。
「質問1.全摘手術の体への負担は、温存よりも大きいのでしょうか。」
⇒手術自体に負担はありません。(変わりません)
「入院期間や、退院後の回復に差が見られるのでしょうか。」
⇒当院では「2泊3日(温存)」と「3泊4日(全摘)」と「1日だけ」差をつけていますが(実際は50歳以下は全摘でも2泊3日を選択してもらっています)
 ドレーンを入れる病院では「もう少し」差は出そうです。
「全摘後に、体の左右バランスの崩れなど、全摘に起因する体調不良を経験されたというお話を聞かれたことはあるでしょうか。」
⇒ありません。
☆シンプルに「形を残したいかどうか?」自分自身に問いかけましょう。