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全摘か温存か検討中

[管理番号:4838]
性別:女性
年齢:50歳
2/(下旬)に受けた人間ドックで要精密検査となり、その後4月に総合病院で針生検の結果、左乳がん(浸潤性入管癌)だと判りました。
大きさ10mm
リンパ節転移(画像上)認めない
核グレード1
ホルモン受容体、エストロゲン・プロゲステロン共に90%以上
HER2 陰性
ki67 10%以下
しこりは私も先生もどこにあるのかわからないぐらいです。
その後のCT検査後、転移なし。
今はタモキシフェンでホルモン治療中
で、6月の中頃に手術を受ける予定です。
ホルモン治療は効いているようで現在7mmほどになっています。
初めは全摘で同時再建(シリコン)にするつもりでしたが、自分でガイドラインやネットで調べているうちに、今のところ穏やかで小さな腫瘍のようなので、とりあえず温存して再発したら全摘でもよいのではと迷ってきました。
再建の痛みやシリコンへの不安もあり、気持ちは温存に傾いています。
先生への質問は、
①私のようなケースの患者さんは、温存の方が多いのでしょうか?
②放射線治療後の再発→切除→再建は自家再建を勧められましたが、シリコンではやはり難しいのでしょうか?
③温存後の再発はどれぐらいの割合でしょうか。
術後に放射線とホルモン治療をする予定です。
④腫瘍の位置は乳頭より脇の方へ5cmぐらい上なのですが、部分切除と放射線を当てた場合、乳頭の位置も切って調整しないといけませんか?
乳頭の位置や向きの事も気になりますが、血流が悪くなるとか壊死の可能性もあると聞き心配です。
以上、よろしくお願いします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「10mmの大きさ」であれば、当然「温存ができるのでは?」からがスタートとなります。
ただ、今回MRIの所見が見当たりませんが、「拡がり診断としてはMRIで確認が望ましい」と思います。
「①私のようなケースの患者さんは、温存の方が多いのでしょうか?」
⇒「大きさ」だけで見れば「温存が一般的」と思います。
 逆に言えば「10mmで温存が適応外」であれば、「温存の適応となる症例が無くなってしまう」ことになるでしょう。
 ♯但し、冒頭でコメントしたように「MRIでの拡がり診断」すべきです。
「②放射線治療後の再発→切除→再建は自家再建を勧められましたが、シリコンではやはり難しいのでしょうか?」
⇒照射後は「皮膚の伸び」の問題でシリコンだと、美容的に不利となります。
「③温存後の再発はどれぐらいの割合でしょうか。」
⇒一般的に
 照射無しで10-15%(照射をすると、これを1/3にします)
「④腫瘍の位置は乳頭より脇の方へ5cmぐらい上なのですが、部分切除と放射線を当てた場合、乳頭の位置も切って調整しないといけませんか?」
⇒不要です。
「血流が悪くなるとか壊死の可能性もあると聞き心配です。」
⇒通常はありません。