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全身療法について

[管理番号:4526]
性別:女性
年齢:38歳
初めまして。
38歳、二児の母です。
一週間前 乳がん検診の超音波エコーで、凸凹した歪な影が見つかり 
ほかの良性と思われる影(境界が丸く鮮明なもの)と明らかに違って ボコボコしてるでしょ?と言われ その場で医師から恐らく精密検査が必要になるだろうと言われました。
後で確認したのですが エコー検査をしてくれたのは研修医と、異変に気が付き交代した先輩医師だったようです。
まだ結果も届かず精密検査もしていないうちに心配しすぎだと思いなが
らも 少しでも良い選択をしたくて、、こちらのサイトを見つけ 心の支えにしながら勉強させてもらっていました。
昨日 検査結果が待ちきれず 検診を受けた病院に見つかった影について電話で聞いてみました。
複数の医師で画像確定するので正式な知らせ
には まだ数日かかるとは言われたのですが 今わかる範囲でということで教えてもらいました。
 
当日 エコーで見えたいびつな形の影は、大きさが(5.1mm×4mm
×4.7mmのものでカテゴリー3 乳腺腫瘤の疑い)となっているそうです。
流れとしては今週末にも正式な結果が届き そこから、外科に予約を取って精密検査の流れになると言われました。
ただ検診を受けた総合病院には乳腺専門医は居なく、外科で手術を行うことになるので 私としては正式な検診結果が出る前にも 別の専門としているクリニックで再検査と生研をするべきでは、、とも思っています。
そこで教えていただきたいのですが、 この先もし乳がんであったとして 術後の全身療法は必ずついてくるものでしょうか?。
私には5歳と2歳の娘がいるのですが、二人とも妊娠中 重度の悪阻で長期入院をしました。
悪阻が落ち着いてからは切迫早産で薬を服用、その後 薬だけでは難しく 出産まで長期入院し点滴治療を受けたのち 二人とも帝王切開をしております。
 正直、赤ちゃんに会えるという一心で耐えれましたが 思い出すだけでどの場面も苦しく今でも震えそうになります。
 たぶん、薬の副作用も出やすく 精神的にも過剰に反応してしまうのだと思います。
妊娠中はどちらも、地元の両親に頼り切りになり これからは恩返しをしたいと思っていたのに、、また迷惑をかけると思うと今回乳がんだったとして 抗がん剤治療だとしてもホルモン療法だったとしても副作用が怖くて仕方ありません。
体力的にも虚弱体質のため 精神的なものと
合わせて耐えきれるのだろうか、、子育てを通常通りこなせるんだろうか、、と不安ばかりが募ります。
いろんな状況の方が居て治療についても最適な選択肢は違うと思うのですが 先生の患者さんの中にも私のような理由で 治療方針を考慮するといった例はありましたでしょうか?  こちらの質問コーナーを読ませていただき 今後 自分が直面する選択に ぜひ田澤先生に相談に乗って頂き 冷静に判断したいと心から思っています。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「5.1mm×4mm×4.7mmのものでカテゴリー3 乳腺腫瘤の疑い」で(乳癌の診断でさえないのに)、術後の「全身療法を心配」するのは流石に早すぎると思いますが…
大事な事は「早期発見」です。
この程度なら「局所療法がかなりのウエイトを占める」ことは間違いありません。
○必ず「確定診断」することです。(曖昧な経過観察ではなく)それであれば、
「5mm程度のもの」であれば殆どの全身療法の回避は許容できるでしょう。
「この先もし乳がんであったとして 術後の全身療法は必ずついてくるものでしょうか?。」
⇒違います。
 非浸潤癌であれば、局所療法のみだし、「浸潤径が5mm以下」であれば化学療法の適応はないし、ホルモン療法はご本人が嫌なら避けることも許されます。
「先生の患者さんの中にも私のような理由で 治療方針を考慮するといった例はありましたでしょうか?」
⇒それは当然です。
 まず重要なのは「治療」と「(再発)予防」を明確に分けることです。
 手術して(目に見える癌が取り去られることは)治療です。 その後の「全身療法」はあくまでも「(再発)予防」という位置づけとなります。 
  ♯治療には妥協は(原則)許されませんが、予防は妥協(というか、QOLを重視すべき)ものなのです。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

田澤先生、先日は質問にお答え頂き 有難うございました。
おかげで 怖いばかりだった気持ちが薄れ、心を強く持てるようになりました。
大事なことは早期発見だと自分に言い聞かせて
実家のある○○県で 有名な乳腺専門クリニックに再検査してもらいました。
医師から言われた内容を伝え、改めて胸のレントゲン、マンモグラフィー、超音波検査(断象撮影法)をし直しました。
最後に触診と診察をしてくれたのはベテランの院長先生でした。
覚悟していたのですが、「はっきり言って 全く問題ない。
 このようなものを気にする乳腺専門医は1人もいない。
経過観察も必要ない。
 
あなた次の検診 40歳になってからでいいよ」と言われました。
 
ほっとしたものの、「でも、検診をした先生からは エコーにうつる画像が凸凹していて 良性のものとは全然違うとまで言われたのですが、、。
 腫瘤自体はあるのでしょうか?針生研はしなくて良いのでしょうか?」と聞くと 「あるにはあるよ。でも こんなの全然気にしなくていい。
検査も全く必要ない」「検診で脅すなよな~   もしそちらの病院と連絡するなら、うちの病院の名前と私の名前を出してくれて構わない。
全く問題ないって言われたって言いなさい」とまで言われました。
あまり聞き取れなかったのですが これは乳腺にたまったもの、、という風にも言っていました。
(ほとんど出ていませんが 寝るときだけは
2歳の娘に授乳をしています)
その時は、嬉しさでいっぱいになり そのまま病院を後にしたのですが、本当にこれで終わりにして良いのだろうか、、とまだ心配になっています。
結局 最初の病院で二人の医師がエコーをして 精密検査を必要とした所見はなんだったのか?
次の病院で 本当に確定診断をしなくて良かったのだろうか。。
その後 最初の病院から所見の連絡が来たため、この経緯を話し もう一度 内容を詳しく聞きたいと問い合わせましたが
診察が込み合っており、外科医も一人 移動になったので、早くても来月の中旬でないと
医師と話すことは出来ないと言われました。
超音波エコーの画像は頂きましたが 素人目には何も分かりません。
検診で疑いを言われた日から ただ待っていたなら、こんなにも時間がかかったんだな、、と思うと思い切って 地元のクリニックに再診に行ったことは 良かったと思います。
ただ 確定診断も経過観察も必要ないという医師の言葉を鵜?みにしていいのか、、と思ってしまいます。
最初の病院は対応も遅いため、もう一つ 信頼できる病院を探すべきか、、それは心配しすぎなのか、、
再診してくれた乳腺専門医の診察を信じていればいいのか、、自分でもどうしたらいいのか分からなくなってしまっています。
問題ないと言ってくれた理由はなんだったのか、、もっと根拠を聞くべきだった、、とも思います。
もし 電話で再度 問い合わせるとしたら この部分を聞いておいた方が良いといったポイントはありますでしょうか?
ぜひ助言を頂きたいです。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
今回のメール内容、完全に理解しました。
まず重要なのは今回のベテラン院長なる医師が「自分で超音波しているのか?」という点です。
もしも、(技師さんが行った)「エコーの写真だけでの判定」であれば、「自分でエコーする医師」を探す方が(もしも本気で安心したいなら)得策です。
○エコーは「どんなに怪しそう」にも「怪しく無さそう」にも、「検査を実際にする者」により左右されるのです。
 自分で「あらゆる角度」でエコーして診断をうけるべきです。
「結局 最初の病院で二人の医師がエコーをして 精密検査を必要とした所見はなんだったのか?」
⇒それを知りたいなら(それが本当に必須なのかは不明ですが)その病院の外来を受診して説明を受けましょう。
「次の病院で 本当に確定診断をしなくて良かったのだろうか。」
⇒それは「実際にエコーした者だけが判断できる」ものです。
「最初の病院は対応も遅いため、もう一つ 信頼できる病院を探すべきか、、それは心配しすぎなのか、、再診してくれた乳腺専門医の診察を信じていればいいのか、、
自分でも どうしたらいいのか分からなくなってしまっています。」

⇒質問者がするべきことは
1.最初の病院で「どの程度の所見なのか?」詳しく聞く
2.自分で超音波をする医師に「確実な診断」を仰ぐ
 
 

 

質問者様から 【質問3】

田澤先生、いつもアドバイスを有難うございます。
前回の質問で
 
1.最初の病院で「どの程度の所見なのか?」詳しく聞く
2.自分で超音波をする医師に「確実な診断」を仰ぐ
と助言を頂き、現段階で 1を終えたのですが、ぜひ相談に乗ってください。
最初に検診を受けた総合病院の医師から 検査結果の詳細を受け取りました。
2時方向 M 腫瘤(充実性病変) 腫瘤のサイズ 長径5.1×短径4.0×
高さ4.7mm
腫瘤性状
形状(円形) 内部エコー(低) 境界部(粗ぞう) halo(-)境界
断裂(-)
後方エコー(減弱) 縦横比(高)
今回 見つかった充実性病変から少し離れたところに のう胞もあると図に書かれてあります。
医師の説明では
「うちで言えるのは このような所見が見つかりましたということだけです。
 二次検査を地元のクリニックで受けられたのであれば それを信じて良いのでは?
もし 不安であるということなら、うちでもマンモを行い 細胞診することもできます。
でも細胞診は 出血もするしリスクもありますけどね。」
私の方から このまま経過観察をするとしたら、次回の検査は念のため
 マンモと超音波をするのが良いのでしょうか?と聞くと
「まずは マンモが第一なんです。
 マンモで見えないということであ
れば、超音波はいらないかもしれませんね」
「超音波エコーは 死亡率の低下につながるとは認められていません。
 今回の所見とは言いませんが ひっかけすぎるところもありますしね。」
以上のような説明を受けて 帰ってきました。
今回 初めて、腫瘤性状が分かったので、再診を受けた地元のクリニックでも 同じ項目のデータが聞けるかもしれないと思い念のため電話で問い合わせてみました。
全く心配ないと言ってくれたベテラン医師からは
「あなたのはね、多発性嚢胞といって 1センチ以内のがたくさんあるのよ。
 どれも問題ない。」
「腫瘤性状と言っても 玄人はそういう読みかたはしない。
素人だとね、ジャッズ(確かこのように言ってました)といってそういう見方をするけどね。
まぁ とにかく 何も心配ないですから。」ということでした。
正直なところ、やはり心から安心できると思えない自分がいます。
超音波を自分で行う医師は 松山に居られるみたいなのですが 問い合わせると、高松のその病院なら心配いらないでしょう。
と言われました。
田澤先生、以上のような経過から どのような印象を持たれますでしょうか?
最初の病院での超音波エコーの所見が 仮に信頼できるものだったとした場合、
形状(円形) 内部エコー(低) 境界部(粗ぞう) halo(-)境界
断裂(-)
後方エコー(減弱) 縦横比(高)
これらの性状の中に やはり乳がんを疑う要素は多いのでしょうか?
 

田澤先生から 【回答3】

こんにちは。田澤です。
「でも細胞診は 出血もするしリスクもありますけどね。」
⇒「細胞診でリスク」などと言っている様では「早期発見は夢のまた夢」となります。
 やはり自信を持って診療をする医師に(検査は)してもらうべきです。
「まずは マンモが第一なんです。 マンモで見えないということであれば、超音波はいらないかもしれませんね」「「超音波エコーは 死亡率の低下につながるとは認められていません。」「 今回の所見とは言いませんが ひっかけすぎるところもありますしね。」
⇒これは「大きな誤り」です。
 「マンモで見えるまで待つ」などとしていたら早期乳癌を発見することはできません。
 
 ○検診では「マンモの有効性は証明」されているが「エコーの有効性は証明されていない」(但しJ-STARTでエコー併用により発見率が1.5倍だったというデータはあります。 マンモ単独vs マンモ+エコー)
  それは確かに事実ですが…
  以上は、『あくまでも検診レベルでの話』なのです。
  ★実際の診療現場では「エコーが圧倒的に検出率が高い(エコーで見えるがマンモで見えない癌など珍しくも何ともない)ことは、「まともな診療をしている乳腺外科医にとっては常識」です。
「田澤先生、以上のような経過から どのような印象を持たれますでしょうか?」
⇒「最初の病院の医師」のいうことは「問題外」です。
 どうやら、「嚢胞(濃縮嚢胞:内部が固まって腫瘍のようにも見える)」なのか
(嚢胞に見えるが)「実は腫瘍」なのか?という問題のようです。
 最初の病院でのエコー所見では「嚢胞(濃縮嚢胞も含む)とは言い切れない」と思います。
「最初の病院での超音波エコーの所見が 仮に信頼できるものだったとした場合、これらの性状の中に やはり乳がんを疑う要素は多いのでしょうか?」
⇒「円型」からは「ベテラン医師」が疑っている様にただの「嚢胞(濃縮嚢胞)」の可能性は十分にありそうです。
 ただ「境界部粗ぞう」と「縦横比(高)」からは「癌も完全には否定できない」ので、「決着をつけたほうが安全」だとは思います。
 
 

 

質問者様から 【質問4】

田澤先生、いつも丁寧に回答して頂き、本当に有難うございます。
最初の病院での医師の発言を「問題外」とはっきり言っていただいて気持ちの整理がつきました。
ベテラン医師の方は 全く問題ないと言ってくれたものの、詳しいことが分からず不安だったんですが、、。
 
今回の田澤先生に頂いた回答から、多発性嚢胞の中に濃縮嚢胞もあって それも明らかに問題ないのに 最初の病院で精密検査要と指摘されたとベテラン医師は考えているかな、、と推測しています。
ただ、「境界部粗ぞう」と「縦横比(高)」との所見が最初に出ている限り 後悔のないようにしようと思います。
それで ご相談なのですが、主人とも話し合い 出来ることなら 信頼している田澤先生に最終的な診断をお願いしたいと考えています。
乳がんを自分のこととして認識してから 今日まで、乳がんプラザのHPに勉強させてもらい
たくさんの方が前向きに戦っていることも知って、自分の身は自分で守らなければ、、と強く思うようになりました。
お忙しい中 恐縮ではありますが、、、田澤先生の診察を希望した場合、どのようにすれば良いか教えていただきたいです。
※遠方のため 一泊二日で予定したいとは考えていますが、前もって診察の予約を取らせてもらうことは可能でしょうか?
(私の場合、急を要するわけではない(と考えています)ので 数か月先になっても大丈夫です。)
お返事をよろしくお願いします。
 

田澤先生から 【回答4】

こんにちは。田澤です。
「多発性嚢胞の中に濃縮嚢胞もあって それも明らかに問題ないのに 最初の病院で精密検査要と指摘されたとベテラン医師は考えているかな、、と推測しています。」
⇒おそらくそうでしょう。
「お忙しい中 恐縮ではありますが、、、田澤先生の診察を希望した場合、どのようにすれば良いか教えていただきたいです。※遠方のため 一泊二日で予定したいとは考えていますが、前もって診察の予約を取らせてもらうことは可能でしょうか?(私の場合、急を要するわけではない(と考えています)ので 数か月先になっても大丈夫です。]
⇒秘書メールしてもらえば、「予約案内」します。
○案ずるより産むが易し
 正に、その言葉がぴったりくるような内容です。
 (変に心配しているよりは)「当院でMMTEして確定診断」つければ「何でこんな事で心配していたのだろう?」という程「あっけないもの」です。

秘書室へメールは、
各ページの右上にある 「秘書室へメール」からご相談ください。
もしくは、こちらのリンクをクリックしてください。

 
 
 
 

 

質問者様から 【感想5】

5月30日に、田澤先生に診察をして頂いた者です。
(ID 3○○○○6)
その節はお世話になりました。
乳がん検診がきっかけで こちらのサイトを見つけ
その後 先生のQ and Aに支えてもらい、、
主人とも 「どうしても不安なら 江戸川に飛ぼう」と話していたのですが本当に四国から 出向いて行ったんだと思うと、感慨深いです。
田澤先生に超音波エコーをして頂き、気になっていた所見が乳腺の拡張であったこと、
診察までに 二つの病院で言われたことも、先生からの詳しい説明でやっと 繋がり これが腑に落ちるってことなんだなぁと思いました。
もし不安に苛まれるようなら、、、とMMTEの確定診断も選択肢に入れて下さり、、。
ただ信頼できる田澤先生に診察してもらったことで納得でき  そこまでの必要はないと判断したこと
今は 心残りもなく、すっきりとした日々を過ごしています。
これも全て先生のおかげです。
どうしても 感謝の気持ちをお伝えしたく 質問ではなく恐縮ですが、、投稿させてもらいました。
田澤先生、どうか これからも、多くの患者さんの支えとなってください。
(実は たまたま 診察帰りに、外を歩く先生をお見かけしたのですが
 
そのスピードの速さと、颯爽とした後ろ姿からの並々ならぬパワーに感動しました!)
私自身はいろいろと自分に甘くなる人間なので、今後は健康や考え方にも気を付け
いつか田澤先生のように 聡明で力強い人間に少しでも近づいてみたいです。
先の試練は 誰もが予測できることではないですが
今回のご縁に感謝し 学んだことを生かしていきたいと思っています。
HPは今後も 勉強のため読み続けさせてもらいます。
お忙しい毎日だと思いますので 先生もお体には十分、気を付けてくださいね。
本当に有難うございました。