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前癌病変について

[管理番号:1027]
性別:女性
年齢:42歳
 
 

質問者様の別の質問

質問が新たな内容のため、別の管理番号としました。
質問者様の別の質問は下記をクリックしてください。
管理番号:1110「ST-MMTでflat epithelial atypiaと出る意味

 
 
田澤先生、はじめまして。
以前から右胸に痛みを伴うしこりのような物があり、6月にマンモグラフィーで検査をしたところ、カテゴリー3で再検査となり、総合病院を紹介され、マンモグラフィー、エコー、MRI、マンモトーム生検の検査を行いました。結果、前癌病変と言われ、3~5年後くらいに癌になる可能性があると言われました。
それまでは年に一度マンモグラフィーを受けて経過観察と言われました。
前癌病変とは、癌になる可能性が高い細胞という事で、癌にならずに終わる事もあるという事でしょうか?本当に年に一度のマンモグラフィー検査を受けるしか、出来る事はないのでしょうか?外科的生検検査は必要ないのでしょうか?
癌にならない為の食生活や生活習慣改善などもしていきたいと考えています。
今、出来る事をしていきたいです。是非、田澤先生のご意見をお聞かせ下さい。お忙しいと思いますが、よろしくお願い致します。
 

田澤先生からの回答

 こんにちは。田澤です。
 「前癌病変」とは「かなり曖昧な表現」です。 病理レポートを渡されていないのでしょうか?
 「具体的な病理診断」を言われていないのでしょうか?
 疑っては申し訳ありませんが、「担当医の理解不足の可能性」についても十分考えなくてはなりません。
 勿論、以上の事は実際に「質問者の画像所見も見ておらず」「病理レポートの詳細も確認していない」現状でのコメントですので、「どうしても」歯切れが悪くなります。

回答

「前癌病変と言われ、3~5年後くらいに癌になる可能性があると言われました」
⇒ADH(異型乳管過形成)もしくはflat epithelial atypiaかもしれません。
 それらであれば「外科的生検すべき」と思います。
 Columnar cell hyperplasiaなどのhyperplasia(過形成)であれば「経過観察でいい」のですが、その場合には「前癌病変とは言わず、リスク病変」という位置づけです。
 担当医が、どの程度の理解で「診療を行っていのか、全く不明」なので、
 ★是非「病理レポートを手にいれて、診断名を確認」してください。
 ADHは「癌の可能性がかなり高い、実際は小範囲の癌と言えます」しflat epithelial atypiaなど「異型」病変であれば、「そこまで確率は高くはない」ですが、「外科的生検すべき」です。
 
 

 

質問者様から 【質問2 外科的生検について】

田澤先生、先日はお忙しい中、質問に答えて下さり、ありがとうございました。
主治医から病理レポートはもらっておらず、診断名すら聞いていない次第です。
本日、詳しい診断結果を知りたいと病院に電話をしたところ、診察予約は一番早くて一週間後との事でした。その時に病理レポートが欲しいと言ってみます。
もし、いただく事が出来ない場合は、病理の診断名を聞いてきます。
そこで、質問なのですが、外科的生検はマンモトームと同様、局所麻酔で行うのでしょうか?マンモトームとの違いは、怪しいと思われる部分を多く切りとり、判断の確実性が増すということだけなのですか?
やはり結果がわかるのは10日程かかるのでしょうか?それとも、切ってみて、良性か悪性かわかるものなのでしょうか?
田澤先生のこのQ&Aを毎日読ませていただき、質問させていただく場をいただき、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございます。
 

田澤先生から 【回答2】

 こんにちは。田澤です。
 「病理レポートを貰っていなかった」のですね。
 「前癌病変」と言う『非常に気になる』表現を使っておきながら「詳しい説明が無かった」とすれば、心配になるのは当然と思います。

回答

「外科的生検はマンモトームと同様、局所麻酔で行うのでしょうか?」
⇒局所麻酔と全身麻酔、どちらでも行います。
 局所麻酔で「病変部だけを」摘出するか、
 全身麻酔で「ある程度大きめに摘出して、癌であっても(追加で取らなくても)済むように」摘出するか。
 
 ♯質問者の場合は、(石灰化ではなく)「しこりがはっきりしていた」ようなので(私の推測ですが)、「局所麻酔」で十分だと思います。
 
「マンモトームとの違いは、怪しいと思われる部分を多く切りとり、判断の確実性が増すということだけなのですか?」
⇒怪しい部分を「多く」ではなく、「(認識できる部分)全部」摘出することです。
 それに比べて「針生検やマンモトーム生検」などは「病変部のボーリング調査」でサンプリングすることなのです。
 
「やはり結果がわかるのは10日程かかるのでしょうか?それとも、切ってみて、良性か悪性かわかるものなのでしょうか?」
⇒病理結果は10日程かかります。
 見た目で「判断できる」ようなものではありません。
 
 

 

質問者様から 【質問3 紹介状について】

田澤先生、先日も外科的生検について、詳しくお答えして下さり、ありがとうございました。
9月7日の月曜日に検査を受けた病院に行き、詳しい診断結果を聞いてくるのですが、その病院では原則、病理レポートは患者に渡していないようです。
診断名を聞いてメモするしかないのかな、という感じですが、聞きたい事は聞いてくるつもりです。主治医と話して納得の出来る話が出来れば良いのですが、そうならなかった場合、田澤先生に診ていただきたいという想いがあり、もしそれを希望した場合、診ていただく事は可能でしょうか?
私は今の病院でマンモグラフィー、超音波、MRI、マンモトームの検査をしたのですが、その結果を、紹介状という形で主治医から出してもらった方が、今後スムーズに診てもらえるのでしょうか?
現在、○○県に住んでおり、出来るだけ、少ない来院回数で診ていただきたいという希望もあるため、必要な診断書などあれば、準備をしたいと思っております。
お忙しい中、恐縮ですが、御返事いただけたら嬉しいです。
よろしくお願い致します。
 

田澤先生から 【回答3】

 こんにちは。田澤です。
 病理診断として『何を前癌病変と表現したのか?』が要点です。
 キーワードは「atypia:異型」です。
・flat epithelial atypia
・MLT with atypia
・atypical ductal hyperplasia:ADH
♯ADHは「小範囲の癌」です。
 上記3つであれば、「摘出生検を行い、病変全体を評価」する必要があります。
<h4>回答
「そうならなかった場合、田澤先生に診ていただきたいという想いがあり、もしそれを希望した場合、診ていただく事は可能でしょうか?」
⇒大丈夫です。
 この辺りの「異型病変の経験」こそ「経験の差」なのです。
 「異型病変に対して関心がないようでは、本物の早期発見にはつながらない」のです。
 
「今の病院でマンモグラフィー、超音波、MRI、マンモトームの検査をしたのですが、その結果を、紹介状という形で主治医から出してもらった方が、今後スムーズに診てもらえるのでしょうか?」
⇒その通りです。
 最低限「マンモトームの病理レポートは欲しい」ので、やはり紹介状という形で確認したいものです。
 
「現在、○○県に住んでおり、出来るだけ、少ない来院回数で診ていただきたいという希望もあるため、必要な診断書などあれば、準備をしたいと思っております。」
⇒その場合は 秘書 へ連絡すると「最小限とする手筈」を整えます。