Site Overlay

葉状腫瘍の疑いについて

[管理番号:3680]
性別:女性
年齢:35歳
初めて質問させて頂きます。
現在1才児が
おり、授乳中です。
今年5月頃に胸のしこりに気付きましたが、授乳中のため、そのままにしていましたが、何となくしこりが固くなった気がして、近くに新しく開設された乳腺外科を受診しました。
触診、超音波、マンモ、細胞診をして頂きました。
担当医自ら超音波を行って下さいました。
結果として、腫瘍は2cmで葉状腫瘍か乳頭腫の可能性が高いと言われました。
理由は腫瘍の内に嚢胞?が見える(私が見ても分かります)こと、太い動脈が確認できることとのこと。
ただし、典型的な葉状腫瘍のエコーとは異なり、上部の腫瘍の境界は明瞭だが、下部は黒くなりはっきりしていない(縦状?)、悪性も否定できないとのことでした。
細胞診の結果も、異型の細胞が確認、増殖しているとのことで、摘出して生検しましょうと言われました。
しかし、皆さまのご質問に先生がご回答されているのを拝見すると、針生検はすべきと思い、担当医に申し出ました。
結果はまだ出ていません。
そこで伺いたいのです。
1、葉状腫瘍か乳頭腫の診断は、組織診で出るのでしょうか。
担当医ははっきりおっしゃって下さらず。
2、現段階で悪性の可能性は、高いのでしょうか。
担当医は穏やかで説明もして下さいますが、はっきりおっしゃらず、手術で摘出すれば分かると。
それが心配になっています。
だから組織診の結果次第では、他の病院も検討しています。
子供が小さいので、
近隣の病院で治療しようと思っていましたが、やはり納得のいくところでお願いしたいと思いました。
先生のところで予約できればと思っていますが、難しいのもわかっていますので、自分でもよく探したいと思います。
子供のためにも冷静でいるために、自分の状況をもっと把握したいのです。
どうか宜しくお願い致します。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「担当医自ら超音波」
⇒嬉しい限りです。
 質問者は幸運と思います。
「理由は腫瘍の内に嚢胞?が見える(私が見ても分かります)こと、太い動脈が確認できることとのこと。」
⇒このような細かい評価ができるのも(自らエコーすることにより)「色々な角度から腫瘍を評価できるから」なのです。
 ♯腫瘍は(当然ながら)立体なので、角度により「全然異なった、様相を呈する」のです。
  それを(技師の限られた)写真だけから判断するリスクがお解りでしょうか?
 ○腫瘍内に「隔壁があったり、のう胞構造がある」ものは葉状腫瘍が疑われます。
  ♯また、乳頭腫は(乳管内で)「嚢胞内腫瘍の形をとる」ことも多いので、これも鑑別に挙がります。(担当医のコメントは的を射ています)
「細胞診の結果も、異型の細胞が確認、増殖しているとのことで、摘出して生検しましょうと言われました。」
⇒細胞診はクラス3(鑑別困難)ですか?
 もしも「嚢胞内腫瘍」だとすると「針生検により内部が散らばる」リスクを考えて、私は摘出生検を選択します。(嚢胞内腫瘍でなければ針生検を選択します)
「1、葉状腫瘍か乳頭腫の診断は、組織診で出るのでしょうか。」
⇒出ます。
 それらは全く異なるものです。
 ○葉状腫瘍はfibroepithelial tumorといい、線維腺腫もこの仲間です。それに対し乳頭腫は「上皮性腫瘍」なので全く異なります。
  ♯葉状腫瘍と線維腺腫の区別は組織診でも難しい事はよくあります。
「2、現段階で悪性の可能性は、高いのでしょうか。」
⇒細胞診でクラスⅤがでてきないようなので、それ程高くはないと思います。
「組織診の結果次第では、他の病院も検討しています。」
⇒自分でエコーするような医師がいいと思いますが…
 ○技師さんのエコー写真を見るだけで(ろくに診察もせずに)偉そうな事を言う「どこかの大病院」よりは(私は)よっぽど信頼がおけると思います。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

先日はすぐにご回答いただき、ありがとうございました。
先生のお話で落ち着いたのと同時に新たな心配が出てしまいました。
またご意見をお願いします。
組織診の結果が出ましたが、葉状腫瘍か乳頭腫なのか不明と言われました。
先生から
「分かります」とご回答頂いてたので、期待していたのですが、担当医からはよくあることだと言われました。
そうなのでしょうか。
しかも細胞診では、クラス3だが異型細胞の増殖が速いと出ていたそうですが、組織診では増殖はないと。
そんなこと
がありえるのでしょうか。
また、病理診断も見せていただけず、はぐらかされてしまいました。
腫瘍の細胞を採取出来なかったのかと聞いたら、なくはないとも言われました。
実は針生検の時不安だったのですが、生検に一時間近くかかり、看護師さんが心配そうにガイドつけますかと何度も確認していたのです。
そういうものかと思っていたので聞かなかったのですが・・・これはおかしいのでしょうか。
結局、MRIを撮るよう薦められ、経過観察でもよいと言われました。
MRIの結果は、
丸い腫瘍が認められましたが、良性の可能性が高いとのことで、次は未定のまま診察は終了しました。
マンモトームしてもよいが、また結論でないかもしれないし、摘出した方がよいから、2、3ヵ月のうちに家族と話し合って下さいと。
家族は別の病院へと言いますが、担当医は不安要素はあるものの、親身に話を聞いて説明してくれています。
正直、何が正しいのか分からず迷っています。
ただ本当に
葉状腫瘍であるならば、2、3ヵ月と言わず、摘出は早い方がよいと思うのです。
ちなみにマンモトーム生検はすべきでしょうか。
今後の判断の参考と致したく、どうか先生のご意見を宜しくお願いします。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
話の内容からすると「組織診が上手くいかなかった(きちんと組織採取ができていない=外れた)」可能性がありそうです。
それを「よくあること」だと言うようでは、その医師に多くは期待できないでしょう。
「MRIを撮るよう薦められ、経過観察でもよい」
⇒正直にコメントさせてもらうと…
 「組織診がまともにできす」に「診断をMRIに頼る」とは、「どこかの○研の医師みたいな診療」内容です。 
 ○MRIは決して「診断目的で用いてはいけない」のです。(MRI的免罪符といいます。)♯私が作った造語です。
「ちなみにマンモトーム生検はすべきでしょうか。」
⇒普通のバネ式針生検が上手く出来ずに、それを「よくあること」などという医師にマンモトームしてもらう事は、どうでしょうか?
 良く考えた方がいいですよ(家族のいうように、転医することも考えましょう)