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良性の葉状腫瘍について

[管理番号:3815]
性別:女性
年齢:33歳
はじめまして。
いつもこちらのサイトで、色々勉強させていただいております。
良性の葉状腫瘍について、今後どのようにしていけばよいのか、教えてください。
この度、乳腺外科クリニックで初めて受けた乳がん検診(エコー、マンモ)のエコーで、左胸に18mm×18mm×11mmのしこりがみつかりました。
技師さんのエコーの後、しこりがあるのでそこを中心に再度先生本人にエコーしていただきました。
先生の診断では、「まず、悪性を疑うものではない。
年齢やエコー画像から見ても、
線維腺腫疑いです。
対応策としては①半年の経過観察②安心するためバネ式の針生検
(そうは言われなかったのですが、針を刺してパチン、パチンと組織をとりますと言われました)」を提示していただきました。
2センチ弱ということで、安心したかったこともあり、生検を受けたところ、「左乳腺腫瘍疑い」との診断でした。
病理組織所見は、
検体は左乳房腫瘤からのCNB標本2本である。
いずれのコアにも腫瘍を認める。
腫瘍は周囲の乳腺組織や脂肪織とは境界不鮮明で、皮膜は有さない。
膠原繊維や粘液腫状基
質増生を背景に比較的密に増殖する間質細胞と、その中に混じって乳管過形成を伴い管状~充実性に分布する上皮性成分とからなる。
上皮成分である腺管の一部は間質に
圧迫されて葉状構造を呈している可能性が窺われる。
間質成分はやや核クロマチンの
増量や核腫大を示すものの核分裂像はみられない。
良性葉状腫瘍と線維腺腫が鑑別に
入るが、周囲組織との関係や、間質増生優位である点などから、良性葉状腫瘍をより考えたい像である。
標本内に、悪性所見はみられません。
でした。
クリニックの先生からは、「葉状腫瘍の疑いです。
対応策としては、①摘出する②もっと太い針で検査する③経過観察」
を提示されました。
こちらのサイトで、葉状腫瘍はまず初回の手術が肝心。
と先生がおっしゃっていたのを見ていたので、私はすこしでも小さいほうが良いと思い、すぐさま「①摘出する」を選択しました。
そのクリニックでは、手術等は行っていないため、近隣の総合病院を紹介され、来週紹介状や病理のプレパラート等を受け取りに再度クリニックを訪問することになっています。
前置きが長くなってしまいましたが、先生には、(画像を見ていただいていないなかで恐縮ですが)上記の病理診断で私の選んだ摘出は正しかったのかを教えていただきたいです。
今後、手術する病院では、十分なマージンをとって摘出していただきたい旨を伝えるつもりですが、マンモトーム生検での確定をせずに、摘出を選んでよかったのでしょうか。
また、十分なマージンとは、現時点では1センチ以上をお願いするつもりですが、
もっととったほうが良いでしょうか。
お忙しい中、乳がんでもないのに恐縮ですが、ご教示のほどよろしくお願いいたします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
CNB結果からは確かに(線維腺腫よりも)「葉状腫瘍」の可能性が高いと思います。
私であっても「摘出を勧める」でしょう。
「上記の病理診断で私の選んだ摘出は正しかったのかを教えていただきたい」
⇒正しい。
 想像してみてください。
 これが半年後、(もしも)4cmまで増大している場合を。
 きっと後悔する筈です。(良性葉状腫瘍では、そこまで増大する可能性は低いとは思いますが…可能性はあります)
 ♯葉状腫瘍は(小さいうちはなんて事もないだけに)、「大きくしてしまった場合の後悔」は勿体ないのです。
「今後、手術する病院では、十分なマージンをとって摘出していただきたい旨を伝えるつもりですが、マンモトーム生検での確定をせずに、摘出を選んでよかったのでしょうか。」
⇒マンモトームでも「これ以上の確定は困難」だと思います。
「また、十分なマージンとは、現時点では1センチ以上をお願いするつもりですが、もっととったほうが良いでしょうか。」
⇒それで十分です。