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今の病状と予後に不安いっぱいです。

[管理番号:866]
性別:女性
年齢:42歳
初めまして。
先日右胸の上部内側にしこりを感じ、乳腺外来で検査いたしました。
両胸マンモグラフィーと超音波検査をし、高濃度乳腺で少し分かりにくかったようですが、先生に「念のため細胞を調べてみましょう。しこりは1.3×1.5だから、仮に悪いものだとしても、これで命を落とすことはないから。早期発見でよかったとなるし。」と言われ、針生検(ばね式)をしました。
結果、悪性で、1.3cm×1.5cm、核グレード1、ホルモン数値が高く、ホルモン療法がよく効くタイプのようでした。リンパは触診では問題なかったようです。ハーセプチンは不明で、恐らく紹介先の大学病院で再検査になるのではとの事でした。
これから大学病院に行き、恐らくMRIでリンパと肺への転移を検査すると思います。
早期発見だから大丈夫と言われたものの、今後の検査や術後の病理検査で、結果もっと悪い病巣だったりしないか…、リンパ転移してるのではないか….、シコリが更に見つかるのではないか…と最悪の事ばかりが頭をよぎります。
左胸も悪い物は見つかっていませんが、石灰化の白い点が散らばっています。
まだ大学病院で検査していませんが、最初の針生検の結果と大きく違ったりする事ってあるのでしょうか?もともとネガティヴで心配症な性格なので、考えれば考えるほど精神状態が悪くなりそうです。
予後の再発や転移の確率を考えると怖くてたまりません。
娘2人を思うと、まだまだ長生きしなくてはと思うばかりです。
 

田澤先生からの回答

 こんにちは。田澤です。
 検診で発見された早期乳癌ですね。
 早期とは言え、お気持ちお察しします。

回答

「ハーセプチンは不明で、恐らく紹介先の大学病院で再検査になるのではとの事」
⇒これは「HER2が免疫染色で2+」であったという事だと思います。
 この場合は「FISH法を行う」こととなります。
 これにより「HER2陽性」となる確率は25%程度です。
 但し、質問者は「核グレード1」なので「HER2陽性となる確率はかなり低く」なります。
 
「大学病院に行き、恐らくMRIでリンパと肺への転移を検査する」
⇒これは「勘違い」です。
 MRI検査は「乳腺内の腫瘍の拡がり」をみるものです。
 肺は「CT検査」で調べます。
 リンパ節は「超音波とCT」が有効です。
 
「結果もっと悪い病巣だったりしないか…、リンパ転移してるのではないか….、シコリが更に見つかるのではないか…と最悪の事ばかりが頭をよぎります」
⇒今までの経緯(超音波検査の結果や針生検の病理結果)からすると、そのような可能性は「かなり低い」と言えます。
 
「左胸も悪い物は見つかっていませんが、石灰化の白い点が散らばっています」
⇒これも全く心配ありません。
 石灰化が「散らばっている」のは「明らかな良性石灰化」です。癌とは無縁です。
 
「最初の針生検の結果と大きく違ったりする事ってあるのでしょうか?」
⇒その心配は無用です。
 「核グレード1」なので「FISH結果も陰性」だと思います
 
 

 

質問者様から 【質問2 最善の治療を希望しています。】

お忙しい中、早々の返信ありがとうございました。
「ガン」と言う診断に頭が真っ白になり、最悪な思いばかりが頭をよぎっていたので、先生の返信を読んで不安が和らぎ、前向きに頑張ろう!との気持ちになりました。
生活の事もあり、近所の聖○リ○ン○大○病院に行くつもりでしたが、田澤先生は大学病院はお勧めしないとの事で、私も根治へ向けて最善の治療を希望しています。
最初の病院で大学病院への紹介状をいただいていますが、田澤先生に診察していただくことは可能でしょうか?
仮にリンパ転移があったとしても根治は見込めますか?
肺転移なども考えると不安な限りですが、今の状態で可能性はどのくらいあるのでしょうか?
 

田澤先生から 【回答2】

 こんにちは。田澤です。
 私を信頼していただきありがとうございます。
 「インターネット上だけで」信頼を得る事が如何に難しい事なのかを「つい最近」実感したところなので、素直にうれしく感じます。

回答

「田澤先生に診察していただくことは可能でしょうか?」
⇒大丈夫です。
 
「仮にリンパ転移があったとしても根治は見込めますか?」
⇒大丈夫です。
「1.3cm×1.5cm、核グレード1、ホルモン数値が高く、ホルモン療法がよく効くタイプのようでした。リンパは触診では問題なかった」訳ですから、十分根治は見込めます。
 
「今の状態で可能性はどのくらいあるのでしょうか?」
⇒cT1c, cN0, luminal, NG1では90%程度の確率で根治が見込めます。
 
 

 

質問者様から 【質問3 明日CTを撮ります。】

本当にお忙しい中、丁寧な回答をありがとうございます。
また「他院への紹介状でも診ていただける」との良心的なお言葉ありがとうございます。
私は先生からのお返事を待ってから病院を検討するつもりでしたが、付き添ってもらう主人が月曜日しかお休みがとれず、不安ならとりあえず検査だけでも早くやった方がいいんじゃないかとの意見で、聖○○大学病院で予診と検査(マンモ,超音波,採血,採尿)を行って来ました。その後に田澤先生からのご返答を確認いたしましたので、せっかく良心的なお言葉をいただきましたのに大変申し訳ありません…
明日CTを撮り、31日に検査結果をみて治療法や手術日程が提示されると 思います。
いくつか疑問があるのですが…
☆私は喘息持ちなので「CT単純法」でと言われました。これは通常のCTとどう違うのでしょうか?正確さはどうなのでしょうか?
☆CTを撮ってから結果を聞くまで1週間あきます。仮にリンパ転移なかったとして、その間にリンパ転移することはないのでしょうか?
☆MRIの検査の提示がなかったのですが…(術前に行うのかわかりません。)
☆医師ではなく画像診断士の超音波で、しこりのある右胸だけ色々な場所で何枚も静止画を撮ってる感じでしたが、悪い場所がたくさんある可能性があるのでしょうか?
 

田澤先生から 【回答3】

 こんにちは。田澤です。
 cT1c, cN0, luminal, NG1であれば、心配はない状況です。

回答

「私は喘息持ちなので「CT単純法」でと言われました。これは通常のCTとどう違うのでしょうか?正確さはどうなのでしょうか?」
⇒CTでの検査は「全身検索目的と腋窩リンパ節転移の有無」です。
 特に「造影」すると「肝転移の有無」と「リンパ節転移の有無」に有用となります。
 ○ただ、質問者の場合では「肝転移の可能性は限りなくゼロ」であり、「リンパ節も超音波で十分」です。心配ありません。
 
「CTを撮ってから結果を聞くまで1週間あきます。仮にリンパ転移なかったとして、その間にリンパ転移することはないのでしょうか?」
⇒それは心配ありません。
 実際のところ「数か月単位」の話です。
 
「MRIの検査の提示がなかったのですが…(術前に行うのかわかりません。)」
⇒これは不思議です。
 
 温存術を検討するのであれば、「必須」といえます。
 
「医師ではなく画像診断士の超音波で、しこりのある右胸だけ色々な場所で何枚も静止画を撮ってる感じでしたが、悪い場所がたくさんある可能性があるのでしょうか?」
⇒心配ありません。
 検査技師さんは、「癌とは無関係な所見」も「一つ残らず検査する」ことが仕事なのです。
 「多発している可能性」は頻度的には「かなり低い」のです 。
 
○「治療の精度は別にしても」大学病院での手術日程が「あまりにも遅い」のであれば、再度当院に連絡いただいても結構です。
 納得される治療を選択してください。