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妻の病状

[管理番号:2551]
性別:女性
年齢:38歳
田澤先生はじめまして。
私の妻の事なんですが、2月の上旬くらいに胸のしこりを見つけて、すぐに近くの乳腺外科に行きました。
マンモグラフィーとエコーを見てもらったのですが、形が気になると言われて、
がんセンターの先生に紹介状を書いてもらって、行く事になりました。
がんセンターで見てもらった結果。
針検診結果
右A領域に8.9×8.4×8.5mm全体で14mm程度です。
低エコー腫瘍認めます。
形状は不整形、エラスト硬めです。
カテゴリーIV以下省略。
数日後に結果を聞きにいきました。
病理診断
Breast.rt(CNB):Invasive carcinoma
Invasive ductal carcinoma.scirrhous
carcinoma.most likey.unclear
grade1 (uncler atypia 2+ mitotic
counts 1)
HER2 score0(Roche.4B5)
*IHC追加します。
*IHCの結果追加しました。
以下省略。
乳ガンと言われました。
先生の説明によると、浸潤性乳管がん、硬がん、と言われました。
グレード1で、おとなしいタイプ、初期なので、全摘しなくても大丈夫だと、言われました。
田澤先生に、お聞きしたいのですが、
(1)非浸潤性と浸潤性では、浸潤性のほうが転移しやすいのですか?
(2)がんの位置によっても、転移しやすかったり、しにくかったりするのですか?妻は右乳首上2.5cmやや内よりです。
(3)考えたくないのですが万が一リンパに転移してたとして完治できるのでしょうか?大丈夫なのですか?
(4)手術まえの検査で、だいたい分かるのですか?
(5)手術は4月か5月ですけど、その間にがんが成長しないのか?
検査と手術の日も決めてきました。
早く直ってほしいです。
乳ガンについてまったく知識がなかった私は
田澤先生のQ&Aを見て少しずつ勉強させていただいています。
お忙しいのに、すいません。
よろしくお願いします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「右A領域に8.9×8.4×8.5mm全体で14mm程度」
⇒この記載が不明です。
 腫瘍径は9mmですが、「全体で14mm」とは?
 「腫瘍が複数あり、それらを含めて14mmの範囲」ということでしょうか?
 
「浸潤性乳管がん、硬がん、と言われました。グレード1で、おとなしいタイプ」
⇒その通りです。
 
「初期なので」
⇒この表現からは「腋窩リンパ節の腫大がない=転移の可能性が低い」と判断してい
るようです。(腋窩リンパ節の超音波していますか?)
 
「(1)非浸潤性と浸潤性では、浸潤性のほうが転移しやすいのですか?」
⇒その通りです。
 というよりも… ☆非浸潤癌では「リンパ節転移も遠隔転移もありえません」
 非浸潤癌:癌が乳管内に留まっている状態なので、(乳管外=間質)に存在する
「血管やリンパ管に入る事が理論上、不可能=転移はありえない」
 浸潤癌:癌が乳管を破って(その周囲にある)間質に浸潤している状態であり、「血管やリンパ管に入る事が可能」
 ○癌細胞が血管内に浸潤して、(血流に乗って)遠隔臓器(骨、肝、肺など)に到達して、そこで増殖した際に「遠隔転移が成立」します。これを「血行性転移」といいます。
  癌細胞がリンパ管内に浸潤して、(リンパ管から)リンパ節に到達して、そこで増殖した際に「リンパ節転移が成立」します。これを「リンパ行性転移」といいます。
 
「(2)がんの位置によっても、転移しやすかったり、しにくかったりするのですか?妻は右乳首上2.5cmやや内よりです。」
⇒その傾向はあります。
 私自身が調べた結果でも腫瘍の位置が「腋窩に近い部位=乳頭上外側」の方が「内側」よりも「リンパ節転移し易い」結果となりました。
 ☆その意味では、質問者(の奥さん)は「リンパ節転移しにくい」と思います。
 
「 (3)考えたくないのですが万が一リンパに転移してたとして完治できるのでしょう
か?大丈夫なのですか?」
⇒勿論です。
 「リンパ節転移」はあくまでも「局所」です。
 手術して切除する範囲なので「根治とは無関係」です。
 
「 (4)手術まえの検査で、だいたい分かるのですか? 」
⇒(腋窩を)超音波すれば,大体解ります。
 最初の診察エコー時に、(乳腺の腫瘍と)一緒にやっていると思いますが?
 リンパ節転移の有無について話をされていないのでしょうか?
 
「 (5)手術は4月か5月ですけど、その間にがんが成長しないのか?」
⇒誰しも「待つ時間」が心配になりますが、乳癌は成長が遅いので大丈夫です。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

田澤先生、早急に回答頂き有難うございます。
回答の中で腫瘤の大きさに記載不明と、最初の診断エコー時に(乳腺の腫瘍と)腋窩リンパ節エコーをやってないと思いますが?と書いていましたので、前文ではマンモグラフィーとエコーの検査結果を少し省略して見ていただいたのですが、今回は全文見ていただきたいので、お願いします。
当院初回乳房US検査
右A領域に8.9×8.4×8.5mm大の低エコー腫瘤認めます。
形状は不整形、内部エコーは不均一、内部血流(+)、エラスト硬めです。
後方エコー不変、境界部 明瞭粗造、前方 境界線断裂(-)、halo(-)です。
D/W比>0.7。
足側方向に拡大した乳管あり、全体で14mm程度です。
カテゴリーIV
1.硬癌 2.乳頭腺菅癌
左側乳腺内に特記所見ありません。
右腋窩に皮膚が肥厚したリンパ節認めますが、hilus明瞭左右差なく、反応性リンパ節疑い。
鎖骨周囲に有意なリンパ節腫大認めません。
これを見てもらって、腫瘍の大きさと、
腋窩リンパ節エコーは、されているかどうか、分かりますか?
右腋窩の皮膚が肥厚したリンパ節認めます。
と、反応性リンパ節疑い。
が、とても気になるのですが、リンパ節に転移はありそうですか?それか手術前の検査でされるのでしょうか?
手術前の検査結果と手術後の検査結果も、田澤先生に報告したいと思います。
お忙しい中すいません、よろしくお願いします。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
今回の内容で「完全に理解」しました。
ただ、この機会にコメントさせてもらいますが…
エコー所見が「いかにも検査技師さん」らしい記載ですね。(レポート自体は放射線科医かもしれませんが…)
ここでコメントしても仕方がないことですが、癌センターやその他大病院、首都圏の大学病院は「エコーを技師さん任せ」にしていますね。
そんな診療をしているから「診断精度があがらない」ことにいい加減気づくべきです
(すみません。つい愚痴がでてしまいました)
確かに、「自らエコーをする」ことは「時間的にも」診療の負担になることは解ります。(実際、技師さんのレポートを見て済むのであれば、これほど楽なことは無いでしょう)
ただ大学病院でも我が母校である仙台の国立大学では(伝統的に)自分で超音波する習慣であり、技師さんがエコーするという概念は全くありませんでした。(今思えば、私にとってこれが幸いしました)
2年前、ここ東京にに来て、どこもかしこも「技師さんがエコーしている」現状に正直驚いたものでした。
ここまでは、ついでた本音です。(日常診療の中で、貯まりにたまっている他の病院の診療に対する不満が、少しだけ爆発してしまいました。すみません)
私のような乳腺外科医がエコーすれば「腋窩の余計な反応性腫大」など気にせず、「転移が疑われない」の一言で終了です。
 
「右A領域に8.9×8.4×8.5mm大の低エコー腫瘤 足側方向に拡大した乳管あり、全体で14mm程度」
⇒了解しました。
 解釈としては、「9mmの腫瘤」で尾側方向(足側という表現は正しくありません)へ「乳管内進展(乳管内癌としての連続)」が疑われるという意味です。
 
「右腋窩に皮膚が肥厚したリンパ節認めますが、hilus明瞭左右差なく、反応性リンパ節疑い。」
⇒この辺が「如何にも、技師さんらしい」エコー所見です。
 転移所見ではありません。
 
「これを見てもらって、腫瘍の大きさと、腋窩リンパ節エコーは、されているかどうか、分かりますか?」
⇒上記コメント通りです。
 
「右腋窩の皮膚が肥厚したリンパ節認めます。と、反応性リンパ節疑い。が、とても気になるのですが、」
⇒私は全く気になりません。
 
「リンパ節に転移はありそうですか?」
⇒「転移では無い」所見です。
 
「⇒それか手術前の検査でされるのでしょうか?」
⇒リンパ節に関しては、これで十分です。
 そもそも「9mmのしこり」で「リンパ節転移の心配」はしなくて大丈夫です。
 
 

 

質問者様から 【質問3】

田澤先生こんにちは。
手術前のMR、CT、超音波の結果が出ましたので、又質問させていただきたいので、よろしくお願いします。
画像診断報告書
右乳房、内上15mm大スピキュラを伴う腫瘤を認めます。
既知の乳癌と考えます。
皮膚浸潤、大胸筋浸潤は指摘できません。
乳管内進展は指摘できません。
リンパ節腫大は指摘できません。
左乳房に明らかな腫瘤は指摘できません。
CT画像
診断報告書
右乳房、内上15mm大スピキュラを伴う腫瘤を認めます。
既知の乳癌と
考えます。
皮膚浸潤、大胸筋浸潤は指摘できません。
乳管内進展は指摘できません。
右腋窩には皮膚が厚いリンパ節があり、転移と考えます。
左乳房に明らかな腫瘤は指摘できません。
両肺に明らかな腫瘤は指摘できません。
肝血管腫を認めます。
胆、膵、脾、腎、副腎に明らかな異常は指摘できません。
胸水、腹水は指摘できません。
超音波画像診断報告書
肝は内部均一、辺緑鋭、表面平滑です。
肝S8に28×19mmの淡い高エコー腫瘤を認め、血管腫が疑われます。
他明らかな腫瘤は指摘できません。
右腎上極に8×7mmの高エコー結節を認めます。
腎血管脂肪腫、石灰化など疑われます。
胆、膵、左腎、脾に異常所見は指摘できません。
可視範囲内に有意なリンパ節腫大、腹水は認めません。
1.腫瘍の大きさなのですが、前回、田澤先生もだいたい9mmだろうと言われていたのですが、15mmとなってますが、これは浸潤も含めての大きさなのでしょうか?急に大きくなったのではないのでしょうか?
2.CT検査のところで、右腋窩には厚いリンパ節があり、転移と考えます。
と書いてあったので、主治医の先生に尋ねたところ、主治医の先生と、エコーの先生は画像の上では転移には見えにくいと言われて、CTの先生は画像の上で転移に見えると言われました。
だから主治医の先生が、手術の時にセンチネルリンパ節で、転移だったら取りますと言われました。
田澤先生のQ&Aを見ていると、CTは無駄な検査と言われていたのを思い出しました。
田澤先生はリンパ節転移はあると思いますか?
主治医の先生とエコーの先生とCTの先生の意見が分かれる事はあるのですか?付け加えますがHER2 score0だそうです。
3.超音波で肝臓に血管腫、右腎臓に腎血管脂肪腫、石灰化と書いてありましたが、これらは治療しなくてよいのでしょうか?
手術も5月に決まりましたので、いつも田澤先生のQ&Aを見て勉強させていただいています。
いつもお忙しいのにすいません。
又質問させていだきます。
 

田澤先生から 【回答3】

こんにちは。田澤です。
まず大前提として理解しておいて欲しいのは「画像診断は(あくまでも)画像診断」であり、限界があるということです。
特に「腋窩リンパ節」は「センチネルリンパ節生検が標準術式」となっているので、「超音波でアー見える。CTではこう見える」みたいな議論は無意味です。
「100%間違いなく(画像上)転移を疑う」ので無い限り「センチネルリンパ節生検は必須」となります。
 ♯術前に「全く所見がなくても」5%程度には「微小転移など」がみつかります。
 
「手術前のMR、CT、超音波の結果が出ました」
⇒これは、記載順に「MRI」「CT」「超音波」と判断しますが、よろしいですね。
「 1.腫瘍の大きさなのですが、前回、田澤先生もだいたい9mmだろうと言われていたのですが、15mmとなってますが、これは浸潤も含めての大きさなのでしょうか?急に大きくなったのではないのでしょうか?」
⇒前回の記載にある「足側方向に拡大した乳管あり、全体で14mm程度」というものに一致します。
 短期間で増大などしません。
 
「主治医の先生と、エコーの先生は画像の上では転移には見えにくいと言われて、CTの先生は画像の上で転移に見えると言われました。」
⇒そういうこともあります。
 
 「だから主治医の先生が、手術の時にセンチネルリンパ節で、転移だったら取ります」
 ⇒そもそも「明らかな転移と断定」しない限り「センチネルリンパ節生検はしなくてはいけない」ものです。
 
「田澤先生のQ&Aを見ていると、CTは無駄な検査と言われていた」
⇒その通りです。
 CTで「腋窩リンパ節の評価」をするためのものではありません。
 あくまでも「遠隔臓器の異常を調べるためのもの」です。
 当然、遠隔転移などありえないのです。(無駄です。)
 
「田澤先生はリンパ節転移はあると思いますか?」
⇒実際に超音波所見を見ていないので、判断はできません。
 ただし、「いずれ、センチネルリンパ節生検をする」のだから、「それ以上、追及する意味は全く」ありません。
 
「主治医の先生とエコーの先生とCTの先生の意見が分かれる事はあるのですか?」
⇒そもそも「主治医の先生とエコーの先生」というところに問題があります。
 主治医は「自ら」エコーをして(自分の経験に照らし合わせて)判断し、「手術に臨むべき」ものです。
 
「超音波で肝臓に血管腫、右腎臓に腎血管脂肪腫、石灰化と書いてありましたが、これらは治療しなくてよいのでしょうか?」
⇒不要です。
 
 

 

質問者様から 【質問4】

こんにちは田澤先生。
妻の手術が先日無事に終わりました。
術後病理結果は2.3週間かかると言われたので、それまで心配なので又質問させてください。
術後、担当医の先生の話は、リンパ節に転移があったみたいで、腋窩郭清しました。
と言われました。
ちょっとびっくりして、覚えているのは
4個取って1個あったと言われました。
手術の時間が結構長かったので、
少し予想はしていましたが、動揺してしまいました。
担当医の先生は、多分ステージ2Aになると言われてました。
でも今から
癌細胞と取ったリンパを調べてみないと何とも言えないと言われました。
動揺して担当医に質問もできませんでした。
質問1
針性検で調べてもらった癌の性質やグレードやハーツーは術後の結果で大きく変わる事はあるのですか?
担当医は術後結果次第では抗がん剤も使うかもしれません、と言われました。
ホルモン剤だけと思っていたので大変困惑しています。
質問2
センチネル生検で4個のうち1個転移が見つかったと言うことで腋窩郭清されたと言う事はこの1個が2ミリ以上だったと言う事ですか?これ以上転移している可能性は、どの位なのか?
担当医が抗がん剤の事を言うのは、やはり1個以上の転移の確率が高いからでしょうか?
見ていて、とても脇が痛そうなのですが妻は弱音も吐かずにリハビリに、とても前向きに頑張っています。
出来ることなら、なるべく抗がん剤はさせたくないです。
術後結果が出ても又質問させていただきます。
担当医の先生も良い先生なのですが私の妻の主治医は田澤先生と思っています。
これからも、どうかよろしくお願いします。
 

田澤先生から 【回答4】

こんにちは。田澤です。
「質問1 針性検で調べてもらった癌の性質や
グレードやハーツーは術後の結果で大きく変わる事はあるのですか?」
⇒サブタイプ(ER, PgR, HER2)は殆ど変わる事はありませんが…
 グレードやki67は「病変全体でばらつきがある」ので結構(術前針生検と手術標本とで)乖離があります。
 
「担当医は術後結果次第では抗がん剤も使うかもしれません、と言われました。
ホルモン剤だけと思っていたので大変困惑しています。」
⇒この一文だけで担当医の考えを類推する事は困難ですが…
 可能性として
 ①追加郭清したリンパ節にも転移が見つかった場合には、「リンパ節転移が複数なので抗ガン剤が必要」となるかもしれない。という意味
 ②術後標本で「Ki67が高い」場合には「ルミナールBとなるので抗ガン剤が必要」となるかもしれない。という意味
 
「質問2センチネル生検で4個のうち1個転移が見つかったと言うことで
腋窩郭清されたと言う事はこの1個が2ミリ以上だったと言う事ですか?」
⇒これは、事前に取り決めていた筈です。(同意書を見返してみましょう)
 「微小転移(<2mm)でも追加郭清を行う」としている施設もあるので、一概には言えません。(もしも術前の取り決めで「微小転移なら追加郭清しない」となっていれば、2mm以上だったということです)
 
「これ以上転移している可能性は、どの位なのか?」
⇒「4個取って1個だけ転移」なのだから、「腋窩郭性で追加した分には、おそらく転移はない」と思います。
  
「担当医が抗がん剤の事を言うのは、やはり1個以上の転移の確率が高いからでしょうか?」
⇒そうではないと思います。
 ただ、「センチネルリンパ節転移マイナス=転移なし」とは違って(確率は低いながら)「複数の転移の可能性もでてきた」ことは事実です。
 ○つまり「可能性が高い」から話したのではなく、「可能性が(僅かながらも)でてきた」から話したと考えるべきです。
 
「出来ることなら、なるべく抗がん剤はさせたくないです。」
⇒もしも「なるべく抗がん剤はさせたくない」と考えるのであれば、(万が一、担当医から抗ガン剤の提示があった場合には)Oncotype DXをすべきでしょう。
 勿論(担当医から)「ホルモン療法単独でいい」と言われた場合にはOncotypeは不要です。
 
 

 

質問者様から 【質問5】

こんにちわ田澤先生。
先日、術後結果が出たので見てもらいたいと思います。
Breast,rt.(Bp):Invasive carcinoma
Invasive ductal carcinoma,
scirrhous carcinoma(5-10)
histological grade2(tubule
formation2+nuclear atypia2+
number of mitotic figures2)
tumor size:invasive area=
spreading area2.0cm.extensive
intraductal component
(+:comedo-)g+f,ly1,v0,surgical
margin(-)fibrocytic change(-)
ER(+:>95%)[Allred score PS5+IS3
=TS8](Leica,6F11)
PgR(+:50%)[Allred score PS4+IS2
=TS6](Leica,16)
HER2:score2+(Roche,4B5)
MIB1 labeling index:about22%
(124/576:hot spot)
HER2 DISH
シグナル化0.9
HER2コピー数平均2.4
判定結果 陰性
以上が結果です。
主治医の先生の説明によると、やはり抗がん剤をした方がよいと言われました。
ルミナールAではないとも言われました。
ステージは2aと、
リンパ節転移も2個あったそうです。
ステージ2aとは、まだ早期の範囲内ですか?
田澤先生が、この病理結果を見て、やはり抗がん剤はしたほうが良いと思われますか?ルミナールBなのでしょうか?
MIB1 22%とはki67の事ですか?
妻とも話して再発率や生存率を考えて抗がん剤をしなくてはいけないかなあとも考えていますが、田澤先生ならどうされるのか意見を、お聞かせ願います。
抗がん剤の種類は、エピルビシン、シクロファスファミド、ドセタキセル、だそうです。
この抗がん剤の主な副作用は、どのようなものがあるのでしょうか?その次に放射線治療、ホルモン剤になるそうです。
いつもお忙しいのに親身なって質問に答えてくださる田澤先生には、いつも感謝しております。
これからも、どうか、お体を大切に、よろしくお願いいたします。
 

田澤先生から 【回答5】

こんにちは。田澤です。
「主治医の先生の説明によると、やはり抗がん剤をした方がよいと言われました。」
⇒全く根拠薄弱です。
 もしも「ルミナールA」であれば「化学療法の上乗せ」は殆どありません。
 
「ルミナールAではないとも言われました。」
⇒MIB1(Ki67)=22%はあくまでも「グレーゾーン」です。
 「ルミナールAではない」というのは「極めて乱暴な判断」です。
 私は「ルミナールAの確率の方が高い」と思います。
 
「ステージ2aとは、まだ早期の範囲内ですか?」
⇒その通りです。
 
「田澤先生が、この病理結果を見て、やはり抗がん剤はしたほうが良いと思われますか?
ルミナールBなのでしょうか?」
⇒私であれば「ルミナールA」としてホルモン療法単独(年齢を考慮してタモキシフェン+LH-RHagonist)とします。
 
「MIB1 22%とはki67の事ですか?」
⇒その通りです。
 
「妻とも話して再発率や生存率を考えて抗がん剤をしなくてはいけないかなあとも考えていますが、田澤先生ならどうされるのか意見を、お聞かせ願います。」
⇒迷うのであればOncotypeDXすべきです。
 RSが小さければ「さすがの主治医も」化学療法は勧めない筈です。
 ○万が一、RSが高い場合には(逆に)「化学療法のモチベーションが上がる」ことになります。
「抗がん剤の種類は、エピルビシン、シクロファスファミド、ドセタキセル、だそうです。」
⇒アンスラサイクリン+タキサンですね。
 アンスラサイクリン(エピルビシン)は「吐き気中心」、タキサン(ドセタキセル)は「全身倦怠感や浮腫、痺れ中心」
 脱毛も両方にあります。
 
 

 

質問者様から 【質問6】

田澤先生お久しぶりです。
以前も相談を聞いていただき、ありがとうございました。
いつも拝見させていただいています。
気になる事がありまして、また相談させていただきます。
妻の経過
2016.02.(中旬). しこり発覚
05.(中旬). 手術
07.(上旬). EC抗がん剤(1)
07.(下旬). EC抗がん剤(2)
08.(中旬). EC抗がん剤(3)
09.(上旬). EC抗がん剤(4)
10.(上旬). ドセタキセル(1)
10.(下旬). ドセタキセル(2)
11.(中旬). ドセタキセル(3)
12.(上旬). ドセタキセル(4)
2017.01.(中旬). 放射線開始(25回)
02.(中旬). 放射線終了
03.(上旬). ホルモン剤
(タモキシフェン)
開始(10年)
無事に抗ガン剤も、終わり5月の初めに血液検査の結果でCEAが7.1だったので先生が、ちょっと気になりますね。
たばこも吸っていないのに。
と言われました。
CA15-1は6.2でした。
術後腫瘍マーカーは以前も見ていただいていたと思いますが、今回はCEAが基準値より上だったので、教えていただいたと思います。
6月の初めに術後1年検診を、するので又マーカーを見てみましょうと言われました。
内臓の炎症だったり、ホルモン剤の影響でCEAが上がったりもするのでしょうか?
田澤先生のQ&AでCA15-1とCEAが同時に上がったらいけないと言われていたのを拝見しました。
田澤先生の経験豊富な意見でCEAが7.1ていうのは心配しなくてはいけない数値なのでしょうか?お教え願います。
 

田澤先生から 【回答6】

こんにちは。田澤です。
CEAは、様々なことで(一過性に)上昇するので、7.1くらいだと、もともと基準値が5前後の人だと(結局何が原因か解らないまま)もともとの値に戻ったりすることは良くあります。
「術後腫瘍マーカーは以前も見ていただいていたと思いますが、今回はCEAが基準値より上だったので、教えていただいたと思います。」
⇒もともとが「どの位の値(本人にとっての基準値)だったのか?」というのが気になります。
 CEAは正常値が<5とはいえ、もともと「1代」の人も居れば、「4代」の人も普通に居ます。
 「以前も見ていた」とありますが、もともとが「1代」だったのか「4代」だったのかで意味合いは結構違います。
  ♯もともと「1代」であれば、心配な数値と言えますが、「もともとが4代」の人にとって「7.1」であれば「誤差範囲かな?」という印象となります。
「CEAが7.1ていうのは心配しなくてはいけない数値なのでしょうか?お教え願います。」
⇒上記コメント通りです。
 CEA7.1自体はそれほど心配する値ではありません。
 ただ「以前の値」は知っておいた方がいいでしょう。
 ☆いずれにしても、大事なのは「今後どのように推移するのか?」です。
 1カ月後では無意味ですが、「3カ月後にも、そのまま上昇(例えば二桁に)」する場合には「全身検索」をすることになります。
 (参考に)
  転移以外で上昇するケースとしては(消化器系の癌以外には)放射線肺臓炎なんかでも(いくらか)上昇することがあります。
 
 

 

質問者様から 【質問7】

妻の病状
性別:女性
年齢:39歳
田澤先生、お忙しい中いつも質問に丁寧に答えてくださって、有難うございます。
またCEAについて質問させていただきたいのですが、5月の血液検査のCEAが7.1だったので以前、田澤先生に質問したのですが、
その後は6月CEA6.4、7月6.0、と少しずつ下がっていたので安心していたら、8月6.4、と又少し上がりました。
このまま基準値まで下がっていくだろうと思っていたので、少しまた心配になりました。
以前質問した時に、田澤先生が以前の値を知っておいたほうがいいと言われていたので、調べてみました。
以下のとうりです。
2017.
3月 CEA 6.7
CA15-3 6.4
5月 CEA 7.1
CA15-3 6.2
6月 CEA 6.4
CA15-3 5.4
7月 CEA 6.0
CA15-3 6.0
8月 CEA 6.4
CA15-3 4.8
主治医の先生は抗がん剤の影響も、あるかもしれないと言われてました。
このまま数値が下がらないで6前後をいったりきたりするようなら
精密検査をした方が良いのでしょうか?それとも、あまり気にしなくてよいのでしょうか?
それと最近両手の先とか腕が、よく痺れがあるみたいです。
これも、やはりホルモン剤の影響なのでしょうか?
ちなみに妻はタバコは吸いません、お酒は少しですけど、ほぼ毎日飲みます。
すこし控えたほうがよろしいですか?。
ホルモン剤も毎日かかず
飲んでいます。
いつも元気です。
9月の検診が憂鬱です。
よろしくお願いします。
 

田澤先生から 【回答7】

こんにちは。田澤です。
この腫瘍マーカーの変化は明らかに「誤差の範囲内」です。
この程度の動きは気にしないようにしましょう。