乳がん手術は江戸川病院・東京

[管理番号:6414]
性別:女性
年齢:79歳

母のことで相談させていただきます。

トリプルネガティブ
KIー67 60-70%
腫瘍径5センチ
リンパ節転移なし
大胸筋浸潤

今年3月(中旬)日に胸のしこりに気づき、その日にすぐ病院で検査をした結果、乳がんと診断。

たちの悪いタイプで悪性度が高い為、早期に手術をした方がよいということで
4月(下旬)日に右乳房切除術を行いました。

最初のマンモグラフィでは2センチ弱。

術前のMRIでは3センチ弱、大胸筋にもかかっていそうだということで、
全摘出で手術を行った結果、
腫瘍は5センチ(術後の病理検査で正確に計ったら5センチを超えているかもしれないとのこと)、
リンパ節には転移していないが、大胸筋に浸潤していると言われました。

しこりに気付いた時から見た目にもみるみる大きくなった腫瘍の勢いや予後の悪いトリプルネガティブということを考えると
今後のことが不安でたまりません。

数日後に術後の病理診断の日が迫っていますが、
標準治療と言われている抗がん剤をやるかどうかで悩んでいます。

当初抗がん剤も効かないタイプなのでとにかく早期に手術という話で始まりましたが、
主治医も抗がん剤の是非で悩んでいるようです。

その理由は、母が79才という年齢を感じさせないほど元気で若々しいということ。

充分トライする体力もありそうに見える一方で、
やはり年齢を考えると抗がん剤による副作用で生活の質が著しく悪化するのが心配だということです。

やるとしても強い抗がん剤は副作用が危険なので、
弱い方の抗がん剤タキサン系を週に1回、計12回を目標に行う形で、
継続が難しそうだったらやめるとの話でした。

2年以内に再発する確率は10分の3。

その確率にかけてみるか、
それとも、抗がん剤をやって「やるべきことはやった」という気持ちをとるのか、
どちらにするか家族で相談して下さいとのこと。

抗がん剤は半数の人しか効かないとの話も聞かされました。

先生も悩むほど難しい選択なのでなかなか答えが出ません。

疑問点としては、
①タキサン系の単剤であっても再発のリスクは少しでも低くなるのか?
また状況によって途中断念となってもやる価値はあるのか?
どの位再発のリスクを下げられるのか。

②リンパ節転移はなくても、5センチという大きさ、
大胸筋浸潤という状況はかなり深刻で再発の可能性は高いのか?
どのくらいの確率で再発してしまうのか。

③病理診断によって悪性度の度合いや抗がん剤が効くタイプなのかなど、
新たに詳細にわかる情報はあるのか。

また、今後の治療を考える上で大事な数値などは何か?
(検査結果のどこを重要視して解釈すれば良いのか)

④高齢者は弱いタキサン系単剤であっても
副作用の影響(脱毛、味覚障害、手足のしびれ)が戻りにくいと聞きましたが、
髪の毛は全く生えてこず、食事も味がわからず楽しめなくなるほど
かなり生活の質を下げてしまう結果となるのか。

⑤天命を待つのみで勇気のいることですが、
年齢を考えて抗がん剤をしないという選択も有なのか。

という点です。

いま現在、母は食欲も旺盛で明るく元気です。

それだけに今の生活を薬で奪ってしまっていいものかと胸が苦しくなります。

5年前に父を肺癌で亡くしています。

同じように77才で元気だった父が手術と抗がん剤で一気に体力を失ってしまい、
治療によって残りの人生を何も楽しめないまま
苦しむだけで終わってしまったことが記憶に新しく、
どうしても父の苦しみ抜いた壮絶な姿が頭をよぎってしまいます。

その分恐くてたまらず、
同じ癌という病で母まで苦しんでほしくないという思いが強いです。

長くなりましたが、納得のいく形でより良い選択が出来ればと思っていますので
その助けをいただければ幸いです。

どうぞよろしくお願い致します。

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

大胸筋浸潤自体は、あまり問題にする必要はありません。
純粋に79歳で術後補助療法として抗癌剤をすべきか?という問題と考えましょう。

「やるとしても強い抗がん剤は副作用が危険なので、弱い方の抗がん剤タキサン系を週に1回、計12回を目標に行う形で、継続が難しそうだったらやめるとの話」
⇒私も、まさに「同様の提案」をします。

「①タキサン系の単剤であっても再発のリスクは少しでも低くなるのか?また状況によって途中断念となってもやる価値はあるのか?」
⇒価値はあります。

「どの位再発のリスクを下げられるのか。」
⇒10%程度でしょう。

「②リンパ節転移はなくても、5センチという大きさ、大胸筋浸潤という状況はかなり深刻で再発の可能性は高いのか?」
⇒深刻な状況ではありません。

 シンプルに「トリプルネガティブだから、本来術後補助療法として抗癌剤すべきだが、79歳だからどうしようか?」という問題と捉えましょう。

「どのくらいの確率で再発してしまうのか。」
⇒20%前後でしょう。

「③病理診断によって悪性度の度合いや抗がん剤が効くタイプなのかなど、新たに詳細にわかる情報はあるのか。」
⇒ありません。

「また、今後の治療を考える上で大事な数値などは何か?(検査結果のどこを重要視して解釈すれば良いのか)」
⇒それは「全く」ありません。

 物事はシンプルに考えましょう。
 「腫瘍の大きさ」も「大胸筋浸潤」も「核グレード」も全く無関係です。(単純に「トリプルネガティブだから術後補助療法をするとしたら抗がん剤しかない」ということです)

「かなり生活の質を下げてしまう結果となるのか。」
⇒wPTXならば、(皆さんが想像するほどでは)ありません。

「⑤天命を待つのみで勇気のいることですが、年齢を考えて抗がん剤をしないという選択も有なのか。」
⇒勿論、あります。
 やる気があるなら、wPTXを始めてみましょう。(副作用がきついと感じたら、中止すればいいのです)

 
 

 

質問者様から 【質問2 高齢者のトリプルネガティブについて】

性別:女性
年齢:79歳

先日はお忙しい中返信してくださり、誠にありがとうございました。

なんとか不安を払拭したいと、すがる思いで田澤先生のQ&Aを読みあさっています。

「物事はシンプルに」という田澤先生のお言葉に随分気持ちが楽になりました。

ただ、病理診断が出て、主治医と話をすればするほど、
高齢の母に術後補助療法をするかしないかの答えが益々出せずに堂々巡りを繰り返しています。

術後2・3ヶ月以内に開始するのがベストというタイムリミットも迫ってきているので、
病理診断結果のご報告と共に再度ご質問させて下さい。

〈病理診断〉
pNO(i-)(0/1)
ER(-)(0%) PgR(-)(0%) HER2:score1 Ki67(80-90%)

組織型:浸潤性乳癌、充実腺管癌
浸潤径:2cm
腫瘍径:2cm
波及度:g
脈管侵襲:ly(-) v(-)
核異型度:3 組織学的悪性度:3
核異型スコア:3 核分裂像スコア:3
glandular formation:3

リンパ節:SLN0/1 (gef:HE+CKAE1/3)

充実性の癌胞巣を構成する細胞の異型は強く、一部紡鍾形~多形性です。

癌胞巣周囲には、壊死とともに粘液基質様の成分も散見されます。

癌の浸潤巣と大胸筋の間には線維化が目立ちますが、
標本上、大胸筋への癌の浸潤は明らかではありません。

トリプルネガティブ リンパ節転移なし ステージ2A
皆さんの結果に書いてある断端の評価はありませんでした。

まず、全て病気につなげてしまうようでいけないのですが、
術後から1ヶ月ちょっとずっと便秘なのは何か良くないサインなのでしょうか?

次に腫瘍の大きさについてですが、
術後には「大胸筋に浸潤している可能性があり、
腫瘍は5センチを超えているかもしれない」という話だったのですが、
実際は「大胸筋にはいっていず腫瘍は2センチ」という結果でした。

病理診断で小さい結果になったことについて聞いたところ、
「大胸筋に行きかけて硬くなりつつあるのが目立つけど直接的なものはなかった。

腫瘍がもっと大きい印象があったけど、中にお水の成分みたいなものがあって
手術の時は大きくなっていたんだろう。

粘液があったからそれでサイズが変わり、
粘液の成分ののう胞の袋までいくと3センチはあったんじゃないか」との説明でした。

これは2センチの評価よりも悪いということでしょうか。

お水?粘液の袋というのはどういうことが考えられますか?
より良くない状況ということでしょうか。

主治医からは、
「トリプルネガティブの中でも充実腺管癌でKi67も一番高い値、
核グレードも高いので高悪性度の部類。
少し進行が早い印象」と言われました。

kI67の数値の高さに、もう既に微細な癌細胞が散らばっていて
バーッとすごい勢いと早さで増殖してしまうのではないかと恐くてたまらなくなりました。

田澤先生のご経験値から見ても、この状況は再発しやすい部類でしょうか?
この状況で抗がん剤をトライ出来そうな79才であれば、
先生もwPTXをやる方向を勧めますか?
悪性度が高いと薬の効き目も高いというのは本当でしょうか?

「無治療だと10人いたら3.5人位の再発率。

それがwPTXをやると2~2.5人位まで減らすことが出来る」という話でした。

3.5人という確率が微妙に高いなという印象です。

また、wPTXには抵抗性のある人(全く効かない人)がいるとのことでしたが、
再発率含めて先生も同じような見解でしょうか?

主治医からマンマプリントの話を聞かされ、母は迷わずお願いしていました。

母からすると藁にもすがる思いなのだと思いますが、
悪性度の高い組織を使って調べるのだから再発リスクは高いという答えが返ってくるだけではないかなと思っています。

後押しになるかもしれない一方で、
高いと出たら治療せざるを得ない状況に追い込まれます。

「高い」と出たら治療は必須と考えた方がいいでしょうか。

脱毛までいかず副作用と負担の少ない形ということで
標準治療の適応ではないがゼローダという飲み薬があり、
また、治療を終えた後の復活を考えて
「wPTXを3週やって1週休む」を4回繰り返す形でも十分、という提案もありました。

ゼローダもやる価値はあるでしょうか?
やるならば後者の選択だと思うのですが、
普通にやっても10%の上乗せがあるかどうかな上に、
さらに加減をしてまでやる意味はあるでしょうか?

無治療で元気なまま半年1年を大切にする生き方もひとつ、
ただ、高齢で無治療の選択をしたら9ヶ月で再発した人がいる、
辛い治療をして副作用で元気もなくなった上に再発もしたらどう思うか、
でも再発したら出来る治療は限られ、長くコントロール出来ない等々、
更に「たちが悪い」「悪性度が高い」という言葉が耳に残ってしまって恐いです。

どちらを選択しても不安ばかりがこみ上げてきて、
何がベターなのか頭の中が混乱してしまい、
質問ばかりで長くなってしまって申し訳ありません。

重ねての質問になる部分もあり、お忙しいところ恐縮ですが、どうぞよろしくお願い致します。

 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。

私の回答を読んでますか?
私に同じ質問をしても回答は一緒です。(担当医が何を言っても私には関係ありません)

物事はシンプルに考えましょう。
1.79歳、トリプルネガティブ。 術後補助療法(再発予防)として抗癌剤をやるべきか?
 weeklyPTXなら(副作用も許容範囲だから)トライしてもいいと思います。(キツければ、途中でドロップアウトすればいいだけです)

2.カペシタビン(ゼローダ)は「転移再発乳癌にしか適応がない」のでやるべきではありません。
 ☆乳癌学会が「保険適応外」なのに、診療ガイドラインで「弱く推奨」としているのは(私的には)決して許せません。(無責任極まりない!)





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