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トリプトネガティブの術後治療について

[管理番号:2717]
性別:女性
年齢:55歳
はじめまして。
よろしくお願いします。
昨年末にたまたま5年ぶりに検診に行ったところ
癌が見つかり、先日温存手術をしたところです。
#乳房の形もあまり変わらず、最近の技術に驚きました。
病理結果が出ましたので今後の治療について
相談をお願いします。
浸潤癌(充実腺管癌)
腫瘍の大きさ
 全体の大きさ 2.3センチ
 浸潤している大きさ 0.8センチ
ステージ 1
リンパ節転移なし
脈管浸潤 あり
ホルモン(-)
HER2 (-)
グレード 3
Ki67 36%
切除断端 (-)
 深部断端近傍にはリンパ管浸襲あり
先生からは、トリプトネガティブということもあり
抗がん剤をしたほうがいいのではないかといわれました。
FEC100(AC療法) 3~4週ごとに1回
パクリタキセル 毎週 12回 です。
その後、放射線の治療があるといわれました。
癌は早期なら手術で治ると思っていましたが、勉強不足でした。
先生のお考えをお聞かせいただければと思います。
よろしくお願いします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
pT1b(8mm), pN0, pStageⅠ
「先生からは、トリプトネガティブということもあり抗がん剤をしたほうがいいので
はないかといわれました。」
⇒間違いではありません。
 ただし、(トリプルネガティブでも)「浸潤径8mm」だとNCCNのガイドラインでは「抗ガン剤を考慮する」にとどまります。
 
「FEC100(AC療法) 3~4週ごとに1回パクリタキセル 毎週 12回 です。」
⇒これはgolden standardです。 ♯ 今週のコラム 19回目 つまり「術前化学療法を行う理由」として「効果の有る薬剤を調べる」というのは、『ナンセンス』なのですを参照してください。
 
「その後、放射線の治療があるといわれました。」
⇒これは(全身療法である化学療法とは全く無関係に)「温存手術だから、残りの乳腺に放射線を照射する」というだけの話です。
 ○乳癌治療は「局所療法(手術、±放射線)」と「全身療法(ホルモン療法、化学療法、分子標的薬など)」を明確に区別してください。