Site Overlay

タキサン系

[管理番号:2408]
性別:女性
年齢:49歳
いつも、拝見させていただいております。
告知直後、不安いっぱいの中で、このサイトに出会いました。
田澤先生が他の患者さまへの回答内容から、私自身に置き換えることができ、安心と勇気をいただきました。
治療に進むことができているのも田澤先生のおかげです。
心より感謝いたしております。
初発の乳管がん、ルミナールタイプ 2B
術前化学療法EC3回終了し、今週4回目です。
幸い腫瘍並びにリンパ節の腫れも半分以下程度までになり効果が見られています。
加えて、吐き気等や他の副作用もほぼありませんでした。
本当に幸せなことです。
①次は、タキサン系となりますが、3週毎4回のドセタキセル あるいは毎週12回のパクリタキセル、ルミナールタイプでは優劣ないとお考えでしょうか?
田澤先生でしたら、どちらをおすすめされるでしょうか。
ECで効果が見られたので、できればこのままタキサン系でも効果を望みたいところですが、現状のままでも仕方ないこと、一番の心配は大きくなることです。
リスクの少ない方、できれば効果的な方を最優先として選びたいと思っています。
実際、毎週の場合、通いの負担もかなり大きくなります。
双方の副作用の違いはどうでしょうか?
ECで楽であった分、副作用への不安もあります。
その中で一人で通うことへの不安もあります。
しかし、田澤先生がこちらの方が良い、こちらを選ぶと仰っていただければ、頑張ろうと思います。
完遂できます。
②毎週パクリタキセルの場合、エコーは毎週希望する方が良いでしょうか?それとも1クール毎で良いのでしょうか?
3週毎のドセタキセルの場合も毎回のチェックを希望すれば良いでしょうか?
ECの際、腫瘍の触診のみでしたので、エコーでのチェックを私からお願いしてきた経緯があります。
田澤先生のおかげで、自分の身を守ることを学ばせていただきましたおかげです。
そして安心に繋がりました。
感謝申し上げます。
後半タキサンにおいて、注意、身を守る為にできる事、緊急手術になるタイミングも合わせてご教示いただければ幸いです。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
術前化学療法中ですが、質問者が(担当医任せにせず)術前化学療法のリスクを認識して治療にのぞんでいることを頼もしく思います。
最も「気をつけるべき」は「薬剤変更時」です。
最初の薬剤(アンスラサイクリン)が「効果的」であっても、次の薬剤(タキサン)が「不応」というのは時々あります。
術前抗がん剤の目的「小さくして温存」を達しているのであれば、(途中で)手術をしてしまう⇒(術後「残りの抗がん剤を行う」という「リスク回避」があります。
♯実際に「江戸川病院での術前抗がん剤」では、この方式を採用しています。
 ただし、このような「フレキシブルな対応」は「毎回、きちんと超音波評価」をして、「治療方針の全権をもって」からできるのですが…
 
「①次は、タキサン系となりますが、3週毎4回のドセタキセル あるいは毎週12回のパクリタキセル、ルミナールタイプでは優劣ないとお考えでしょうか? 田澤先生でしたら、どちらをおすすめされるでしょうか。」
⇒おっしゃる通り、「ルミナールタイプでは差はありません」
 「勧めるポイント」は明確です。
 「副作用重視」ならばweekly PTX, 「通い易さ(通院距離とか、仕事の有無など)重視」ならばtriweekly DTXとなります。
 
「ECで効果が見られたので、できればこのままタキサン系でも効果を望みたいところですが、現状のままでも仕方ないこと、一番の心配は大きくなることです。」
⇒ポイントを理解されています。
 ただ、「術前化学療法の目的」は達成されているのでしょうか?
 もし達成しているのであれば「術前に全て行う」ことに拘る必要はありません(術前でも術後でも効果は同じなのです)
 「EC」⇒手術⇒「タキサン」それでもいいのです。
 
「双方の副作用の違いはどうでしょうか? 」
⇒パクリタキセルは「殆ど」ありません。
 12回の内、後半には「軽い指先の痺れ」がでてきます。
 ドセタキセルの場合には「筋肉痛、だるさ、浮腫、筋肉痛、足底の痺れ」などがあります。
 ○ドセタキセルの方が副作用が強いことは言うまでもありません。
 
「こちらの方が良い、こちらを選ぶと仰っていただければ」
⇒「ECの副作用が殆ど無かった」のであればDTXでいいと思います。
 
「②毎週パクリタキセルの場合、エコーは毎週希望する方が良いでしょうか?それとも1クール毎で良いのでしょうか? 3週毎のドセタキセルの場合も毎回のチェックを希望すれば良いでしょうか?」
⇒どちらも「3週に1回」です。
 
「後半タキサンにおいて、注意、身を守る為にできる事、緊急手術になるタイミングも合わせてご教示いただければ幸いです。」
⇒タキサンに変更して「初回評価に注目」すべきです。
 今まで(ECで)縮小傾向だったのが、「明らかに増大に転じる」ようなら、「手術」にした方がいいですね。 そして「残りのタキサン」は術後にすることです。(術前に腫瘍縮小効果が無かったとしても)術後投与により予後改善効果がないとはいいきれないのです)